リスクにはプラスのリスクとマイナスのリスクがある
仕事をしていると、「リスク」という単語が使われることがよくあります。
ですが、よくよく聞くと、それって「リスク」じゃないよなぁ、と思うケースがあります。
私自身も誤用しているのを聞くと自分の理解が不安になるので、リスクという意味を整理しておきたいと思います。
ここでは、一般的な意味の解釈とPMBOK(PMの知識エリア)での定義で整理しておきます。
リスクとは何か
調べるといろいろな定義がされていますが、Weblioによると
リスクとは、将来いずれかの時に起こる不確定な事象とその影響、という意味である。
と書かれています。
リスクとは「計画から逸脱する可能性」
プロジェクトにおけるリスクは、「計画から逸脱する可能性」を意味しています。。たとえば、新技術を採用した場合に、低コストで計画どおりの品質を達成できる可能性があります。しかし、未解決の問題が残っていて計画の品質を大幅に下回る可能性もあります。このように、計画に影響を与える不確定な要素が、プロジェクトのリスクということになります。
プラスのリスクは最大化して、マイナスのリスクは最小化する
PMBOKでは、プラスのリスクとマイナスのリスクがあると定義されています。 初めて聞くと、「プラスのリスク?」と思ってしまいます。
あまりイメージできないですよね。
よく例として用いられるのが、建設のプロジェクトです。ビルを建設するのに材料費などを見積りますが、鉄鋼材料などは海外から輸入することが多く 材料コストは為替の影響を受けます。
これが損する方向に為替が動けばマイナスのリスクですし、得する方向に動けばプラスのリスクです。
よく「為替リスク」という言葉が使われますが、私もそうですが、マイナスのイメージがありますよね。
やはり「リスク」という言葉にはマイナスの印象が強く根付いているのだと思います。
そのため、リスクのよい要素は最大化し、わるい要素は最小化することがリスク・マネジメントの基本です。
ということで、リスクにはマイナスもプラスもあるので、マイナスのリスクは最小化する努力をしてプラスのリスクに対しては最大化となる努力とする、ということになります。
リスクの対処法
リスクの対処法には、
- 回避
- 低減
- 保有
- 移転
があります。どれにするかはリーダーが状況を鑑みて判断することになります。
回避できるのが一番望ましいと思いますが、現実的にあまりないと思うので実際には低減策を考えて手を打っていくことになると思います。
どのような誤用があるのか?
例として、部門の経営計画数字に対しての進捗の場でのリスクの使い方です。 例えば、10億の計画に対して、実際に達成できそうなのが8億で、残りの2億をチャレンジな数字として積んでいるときです。 その2億を達成するためには、目に見えた案件はないのにも関わらず、「2億がリスクです」と言っているのです。
「それって、ほぼ間違いなく達成できないよな。リスクって言わないんじゃないのかな」
と思ってしまいます。いや待てよ、プラスのリスク、っていう意味で使ってるのかな?
参考図書
私もPM駆け出しの時代にはリスクについて結構本を読みました。
なかなかリスクマネジメントというのは難しいですよね。参考になった本を紹介します。
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