たとえ小さいと思える仕事でも大いなる責任をもって仕事をしよう!
若手のうちは、単純で簡単な業務や、部分的な小さな仕事を担当することが一般的です。 しかし、これらの仕事がどんなに些細であっても、それには大きな責任が伴っています。 自分の仕事に責任を持つことは、キャリアの早い段階から重要なスキルを養うことになります。
自分が任されている仕事の結果を説明できるか
「責任を持つ」とは、簡単にいえば、自分の仕事の結果を他人に説明できる、ということです。これは、お客様や上司、他の部署、ビジネスの会議などでの説明を指します。
たとえば、お客様との会議で自分が担当した部分を他人に説明することが求められる場面もあります。
このような時に、「指示されたことをやっただけです」というスタンスでは通用しません。
説明しなくてはいけないとなれば、なぜその方法を選んだのか、どのように判断したのか、どれくらいのバックデータを調査したのかなど、根拠を説明できるようにしておかなければなりません。
このようなアプローチは、単に仕事を完了するだけでなく、自分の行動に裏打ちされた意思や理由を示すことになります。
自分の仕事は、社内の誰よりも詳しくあれ
また、説明するということは質問が発生する可能性があります。質問に答えることは、さらに難易度が高い仕事です。
どのような質問が来るかわからないため、事前に考えを整理し、データを調べておくことが重要です。逃げずに質問に答える姿勢は、自らを成長させる大きなチャンスとなります。
仕事を任されているからこそ、その仕事において自分以外にできる人がいないという意味を理解しましょう。
どんなに小さな仕事でも、その仕事は重要であり、大きな責任をもって取り組むべきです。そして、その領域での専門知識を深め、問われたときには堂々と説明できるように努めましょう。 相手が先輩であっても、社長であっても、自分の仕事に対して責任を持つ姿勢が、あなたのキャリアにとって大きなアドバンテージとなります。
自分の値段を意識して仕事をしよう
突然ですが、みなさんは「自分の値段」を知っていますか? 即答できなくても大丈夫です。まずはじっくり考えてみましょう。
「自分の値段」を割り出す方法
① 時間・人月単価で値段がある場合
時間単価、人月単価で仕事をしているなら、その金額が自分自身が商品としての値段です。例えば、弁護士は時間単位で相談料が決まっているので、「時間単価=自分の値段(時間あたり)」です。システム開発の世界では、1カ月単価で料金を支払うことがよくあります。
② 給与で値段を考える場合
お客様と直接接点がなく、上記のようなコスト設定がない場合は、会社からもらう給料で考えましょう。このとき、自分が受け取っている手取り給与額だけで考えるのは十分ではありません。 会社は、社員に支払っている給料の他に、健康保険料や厚生年金、雇用保険料、福利厚生費などを負担しています。さらに、通勤費、やパソコン、携帯、オフィスの賃借費、光熱費なども負担しています。これらを全部ひっくるめた費用を雇用コストといい、それがあなたの会社員としての値段になります。 一般的に雇用コストは、自分の額面給与額の1.3~1.5倍と見ておけばいいでしょう。つまり、1.5倍だとするとあなたが賞与を含めた額面年収400万円だとすれば、会社から見たあなたの値段は600万円です。
これらを考慮すれば、「自分の値段」が算出できます。 1カ月で100万円の単価とすると、1日では約5万円です(100万円÷20日=5万円)。これはお客様があなたに支払う金額です。 1カ月の雇用コストが50万円とすると、会社は毎日2.5万円の雇用コストを負担しています(50万円÷20日=2.5万円)。
自分の値段にパフォーマンスは見合っているか
さて、ここからが本題です。 どちらのケースでも構いません。あなたが1日の仕事を終えて、さあ帰ろうかな、と思っているとき、お客様に 「今日一日仕事をしたので5万円ください!」 または、会社の部長に、 「今日一日、2.5万円分の仕事をしました!」 と、胸を張って言えるでしょうか。 あるいは、あなたが雇用主の立場だったとしたら、あなた自身に喜んでお金を払えるでしょうか。 お客様やあなたの会社の経営者は、あなたの仕事のパフォーマンスを、あなたに支払っているコストと見比べて評価しています。
自分自身の値段と、自分の仕事のパフォーマンスは見合っているのか。毎日毎日、自問自答してください。 それが自分自身を磨き続けるための第一歩となります。
【Chapter 1】なぜ、その資料は 伝わらないのか ①~資料はビジネスの成果を左右するツール
そもそも資料とは何か?
ほとんどのビジネスパーソンは、資料というものにほぼ必ず接するでしょう。自分で資料を作って説明することもありますし、誰かが作った資料を読んだり、説明を受けたりすることもあります。
そして、資料というものはビジネスシーンにおいて、かなり大きな役割をしめているものです。
本書はそういった資料をどのように作成していくか、といった資料作成の基本について書いています。 これからその資料作成のテクニックを解説していきますが、その前にまず、「資料」とは何か?というところをきちんと整理しておこうと思います。
「資料」というと、パワーポイントで作った提案書や説明資料、というイメージが湧いてくる人が多いと思います。パワーポイントでなくても、WordやExcelなどで作った文書も資料と呼ばれます。
さて、「資料」とは何でしょう?
まずは、「資料」という言葉の定義を確認してみましょう。
資料とは、辞書などによると、
- それを使って何かをするための材料
- あることをするうえで基となる材料
- 特に、研究や判断の基礎となる材料やデータ
と説明されています。
ここで目にとまるのは「材料」という言葉です。資料とは材料なのです。材料というのは、それを使うことで何か形を変えて別のものになるための元となるものです。つまり、資料とは仕事をするなかでの材料ということで、仕事で何かを考えたり、判断をしたりするための材料なのである、ということです。
資料はビジネスシーンの様々な場面でとても重要な役割を担っています。報告する、提案する、交渉する、などさまざまな場面で資料が使われています。それらのシーンでは、ビジネス上の何かの判断の材料として資料が使われているということが言えるでしょう。
そしてその材料、つまり資料ひとつでビジネスの結果が大きく変わることもあるほどです。
たった14ページで30億ドルを調達したプレゼン資料
アメリカでシェアリングエコノミーを展開するAirbnb(エアビーアンドビー)という会社が、創業初期に30億ドルの資金を調達した、伝説のプレゼン資料があります。その資料はたった14ページ、それぞれのページ構成もとてもシンプルです。しかし、重要なポイントがしっかり押さえられているのです。
ネットで公開されているので、「Airbnb 事業計画書」のキーワードで検索してみてください。当時のプレゼン資料を見ることができます。
もちろん、資料が綺麗にできているだけではこのような成果は得られません。魅力的なビジネスプランがあり、投資家を引き付けるようなプレゼンシーンもあったのでしょう。
逆説的ですが、いくらいいビジネスプランでも資料がイマイチだったらその良さを伝えることもできず、投資を得られることもないでしょう。
駅弁や空弁を買うときのことをちょっとイメージしてみてください。
並んでいるお弁当を見て、パッケージやお弁当の説明書きを見てどのお弁当を買うかを判断していると思います。そのパッケージや説明書きが「資料」なのです。美味しそうだと思われれば買ってもらえますし、いくらお弁当が美味しくても、パッケージや説明書きが美味しそうでなければ買わないでしょう。
資料の役割はアクションにつなげること
Airbnbの事例は、30億ドルの資金調達という、ほとんどのビジネスパーソンが経験しない非常に壮大なケースです。
しかし、大きくても小さくても、資料の役割はビジネスでの次のアクションにつなげることです。その判断ができるような材料を提供するのです。
「資料」もコミュニケーションツールですから、その役割は相手にアクションを求めることです。
報告を受けて理解する、判断し、指示をする。提案を受けて契約に進めていく。このようなアクションにつながらない資料は結果につながらない資料といえます。
資料とは、仕事で成果を出すための重要なコミュニケーションツールなのです。
資料作成はビジネスパーソンの必須スキル
このように、資料というものはビジネスシーンでとても重要な役割を担っています。前述しましたが、資料ひとつでビジネスの成果が大きく変わることがたくさんあります。
であるならば、ビジネスパーソンとして資料作成のスキルを身に付け、良い資料を作るようになることが大切です。
ただ、ここで課題があります。
資料作成のスキルについて体系立って学ぶ機会が少ない、ということです。会社の研修メニューに必須として資料作成が組み込まれている会社はそれほど多くありません。
そうすると、過去の資料を参考にして見様見真似で資料を作ったり、先輩の資料を真似したりしながら作ることになります。それらの資料が素晴らしい資料であればいい資料を作ることができるかもしれませんが、そうでなければ歴代の資料作成の悪いDNAを引き継いでしまうこととなります。
そして、そのような資料をお客様に提示してもお客様は「資料」について指摘したりアドバイスをしてくれたりすることはありません。どんな悪い資料でも受け取って話を聞いてくれるでしょう。そうすると、自分の資料は問題ないのだ、という誤った自己認識を持ってしまいます。
これから、このブログでは連載として、これまで我流で資料作成をしてきたという人や、資料作成を学びたくても社内ではきちんと学べる環境がない、という人に資料作成の基本を解説しています。
「頑張る」ことは、アピールするポイントではない
「一生懸命頑張ります!」「できるだけいい成果が出るように全力で頑張ります!」というような「頑張ります宣言」。
あなたも、聞いたことがあるのではないでしょうか。
一見、やる気を持って真剣に取り組みます、と言っているように見えますが、実は「頑張る」ということはアピールするポイントではありません。仕事で頑張ることは当たり前のことで、目的ではないからです。極端なことを言ってしまえば、頑張らなくても結果が出るならばOKです。逆に、いくら頑張っても結果が出なければ意味はありません。
残念なことに、役員レベルでも「私も一生懸命頑張っています。みなさんも一緒に頑張りましょう!」という掛け声を発する人もいます。しかし、実際にはポジションが上がれば上がるほど、成果のみが評価されるシビアな立場になるのです。
「頑張った」ことで失敗が許されることはない
頑張ることを否定しているわけではありません。頑張ることは最低限必要で、たとえ結果が出なかったとしても、頑張ったことは自分の成長につながります。また、その姿は誰かが見てくれているでしょう。あなたが将来、リーダーになったときには、メンバーが頑張っている姿勢は、きちんと認めて評価してあげられるリーダーに なってください。
では、「一生懸命頑張ります」の何が問題なのかというと、自分の仕事の結果に保険をかけている点です。すなわち、「一生懸命やりましたが、結果が伴いませんでした」という発言につながっているのです。これは、一生懸命やったことを免罪符にしているのと一緒です。
繰り返しますが、ビジネスは結果です。一生懸命やったか、頑張ったかどうかは、結果とは関係ありません。
デキる人たちは頑張りを表に出さない
とはいっても、結果を出す人はみな、きちんと頑張っています。
誰しも、頑張らずに難しい仕事で成果を出していくことなどできません。
しかし、すごくデキる人たちはその頑張りを決して表には出しません。どんなに厳しい局面であってもひょうひょうと仕事をこなし、余裕があるようにさえ見せます。でも実際は、人知れず努力をして頑張っているのです。これは、私が多くのデキる人たちの「表」と「裏」を見てきていえることです。
仕事で頑張ることは、誰もが当たり前にやっていることです。ですからそこをアピールするのではなく、成果を出してその結果をアピールするようにしましょう。
「入社1年目のビジネススキル大全」から抜粋しました。
全10章にわたって、どんな業界・業種でも必要な、役に立つビジネススキルを解説しています。
入社1年目というタイトルをつけていますが、私自身が振り返って、入社1年目から知っておきたかったというスキルを凝縮しています。
若手・中堅の方にも参考になるコンテンツがあると思います。
ぜひご覧いただければと思います。
「自分の値段」を知ろう
突然ですが、「自分の値段」を知っていますか。
即答できなくても大丈夫です。まずはじっくり考えてみましょう。
「自分の値段」を割り出す方法
① 時間・人月単価で値段がある場合
時間単価、人月単価で仕事をしている人はその金額が、自分自身の商品としての値段です。例えば、弁護士は時間単位で相談料が決まっているので、「時間単価=自分の値段(時間あたり)」です。システム開発の世界では、1 カ月単価(人月単価)で料金を支払うことがよくあります。
② 給与で値段を考える場合
お客様と直接の接点がなく、上記のようなコスト設定がない場合は、会社からもらう給料で考えましょう。このとき、自分が受け取っている手取り給与額だけで考えるのはじゅうぶんではありません。
会社は、社員に支払っている給料のほかに、健康保険料や厚生年金、雇用保険料、福利厚生費などを負担しています。さらに、通勤費やパソコン、携帯、オフィスの賃借費、光熱費なども負担しています。これらを全部ひっくるめた費用を雇用コストといい、それがあなたの会社員としての値段になります。
一般的に雇用コストは、自分の額面給与の1.3 ~ 1.5倍と見ておけばいいでしょう。あなたの賞与を含めた額面年収が300万円だとすれば、会社から見たあなたの値段は390 ~ 450万円です。
このように考えれば、「自分の値段」が算出できます。
自分の値段にパフォーマンスは見合っているか
さて、ここからが本題です。
どちらのケースでもかまいません。あなたが1 日の仕事を終えて、さあ帰ろうかな、と思っているとき、お客様に、「今日一日仕事をしたので4万円ください!」または、会社の部長に、「今日一日、2万円分の仕事をしました!」と、胸を張って言えるでしょうか。
あるいは、あなたが雇用主の立場だったとしたら、あなた自身に喜んでお金を払えるでしょうか。
お客様やあなたの会社の経営者は、あなたの仕事のパフォーマンスを、あなたに支払っているコストと見比べて評価しています。
自分自身の値段と、自分の仕事のパフォーマンスは見合っているのか。毎日毎日、自問自答してみましょう。
それが、自分自身を磨き続けるための第一歩となります。
「入社1年目のビジネススキル大全」から抜粋しました。
全10章にわたって、どんな業界・業種でも必要な、役に立つビジネススキルを解説しています。
入社1年目というタイトルをつけていますが、私自身が振り返って、入社1年目から知っておきたかったというスキルを凝縮しています。
若手・中堅の方にも参考になるコンテンツがあると思います。
ぜひご覧いただければと思います。
「入社1年目のビジネススキル大全」を出版しました
このたび、「入社1年目のビジネススキル大全」という本を出版しました。
入社1年目というタイトル付けになっていますが、これは自分自身が入社1年目から知っておきたかった、という意味でつけています。
私自身が、コツコツとスキルを習得し、キャリアを重ねてきた今になって、「入社1 年目から知っていれば……」と、悔やまれるスキルがたくさんあることに気づきました。
それを、時間を巻き戻す感覚で、「これだけ知っておけば、じゅうぶんに戦える!」というレベルにまとめ上げたのが本書です。
私はこれまで、たくさんの優秀な人たちに囲まれてきました。また、システム開発という仕事柄もあって、優秀な社外の方とも数多く接する機会に恵まれました。
彼らから学んだことは、優秀な人には共通する仕事の取り組み姿勢や心がまえ、行動習慣があるということ。そして、ビジネススキルは基礎からきちんと学んだほうが、実践力が身につくということです。結局は、しっかりとした基礎、土台が重要なのです。
これらの基礎がなく毎日の仕事をこなすのと、堅けん牢ろうなスキルの土台を築いた上で取り組むのとでは、成長速度に圧倒的な差が生まれます。これは私自身も、自らの経験を通して実感していることです。
そのような仕事力の土台となるビジネススキルを基礎から学べるように、全10 章に分けて解説しています。
入社1年目に限らず、若手・中堅の方にも参考になるコンテンツがあると思います。
よろしければ、ぜひ書店で手に取っていただければと思います。
最高のディスカッションのための必須アイテム ~サランラップ
会議やディスカッションをするとき、ホワイトボードを使うことが多いと思います。
ディスカッション内容を書きながら議論することで、論点がブレず、より深い議論をすることができます。
ですが、そのホワイトボードが十分でないことがよくあります。 十分でない、というのは、そもそも会議室にホワイトボードがなかったり、 すごく小さなホワイトボードだったり、ということです。
また、会議室でないところでディスカッションをするときには、大きなホワイトボードを移動させてきて使うこともあり、これはこれで面倒ですし、誰かが使っていたら使うことができません。
また、誰も使ってなかったとしても、前に使った人のメモが残ったままになっていて、消していいのかいけないのか、が分からずに使うことができないこともよくあります。
そこで重宝するのが「サランラップ」です。
サランラップと私は呼んでいますが、実はこちら↓のホワイトボードシートです。
これは静電気で壁や窓に貼ることができるものなので、どこでも使うことができます。 また、何枚も組み合わせれば大きなスペースを作ることもできます。
私はいつも「じゃ、サランラップを使ってディスカッションしよう」とかなり使い倒しています。
前に、プロジェクトに入ってきたばかりの若手メンバーに
「サランラップ持ってきて」
と言ったら、本当にサランラップを持ってきてくれました。
私はトラブルプロジェクトに入ることが多いのですが、毎回、このホワイトボードシートを大量買いします。 この在庫がなくなってしまうと、本当に議論のスピードが落ちてしまい、プロジェクト進行のスピードに影響が出てしまうのです。だから、絶対に在庫が切れないように気をつけています。
少しぼかしをいれてますが、使っているイメージはこちらです。
トラブルプロジェクトの火消し術の新刊発売
私はこれまで多くのトラブルプロジェクトの火消しをしてきました。あまり嬉しい経験ではないのですが。。。
その経験を積み重ねてきた結果、トラブル解決にもセオリーがある、ということがわかりました。
そのトラブル解決のセオリーを本にまとめました。
トラブル解決がメインテーマになっていますが、多くの若手リーダーにも役に立つ内容になっているかと思います。 よろしければご一読いただければと思います。
こちらが私のトラブル経験です。ご参考まで。
このブログ内でもトラブルリカバリのカテゴリを作って、いくつか書いています。
仕事の締め切りは常に「最短」で設定する
2~3日で終わる仕事を、「月末までにやっておいて」と長い期限に設定するとどうなるでしょうか。ほとんどの場合、期限が近づいてきてから仕事に着手して、期限である月末に仕事が完了します。
これは、「学生症候群」といわれるもので、小学生のときの夏休みの宿題を思い出せば分かるでしょう。
ということを考えると、仕事の期限は「最短」で設定すべきなのです。3日で終わる仕事なら期限は3日後に設定するのです。
期限直前で着手して3日で終わっても、最短で設定して3日で終わっても同じ3日だ、と思うかもしれませんが、これは同じではありません。その仕事の未着手の時間が長いと非効率になってしまいます。まず、頭の中にその仕事のことがあるので、時々その仕事のことを思い出してしまい、他の仕事の邪魔になってしまいます。また、1ヶ月も期限が先だと、その間に他のタスクも出てきて、それをお願いすることもあります。そのようなときに、「いま、別の仕事を月末期限で抱えているので対応できません」という言い訳をするメンバーも出てきます。
つまり、メンバーが抱えるタスクの並行数が増えるほど、プロジェクト全体としては生産性が落ちていってしまいます。
さて、期限を最短で設定したとしても、その期限が守られなければ意味はありません。
メンバーに期限を守らせるテクニックが3つあります。
ひとつは、期限の前日や2日前に状況報告をさせることです。これをしておくと、メンバーはある程度進めてきた状態で報告をするようになります。逆に、本当に進んでいない場合はその時点で対策を検討できるので期限に向けたキャッチアップが可能です。
もうひとつは、遅れる場合は、それが分かった時点で報告するようにしておくこと、です。ほとんどの場合、期限が過ぎたときに間に合いません、という報告がきます。それを、事前に報告するように、というルールにします。そうすると、事前に報告はしにくいので、なんとしても期限に間に合わせようとする心理が働きます。
3つ目は、仕事が期限に遅れたときには、なぜ遅れたのか、と毎回問いただすことです。期限に遅れたときに、それを放置しているとメンバーも怒られないんだ、と気が緩みます。期限を守らなければいけない、という雰囲気を醸成しましょう。
ビジネスパーソンが仕事の期限を守る動機は2つだけです。ひとつはプロとして、期限には必ず仕上げる、というモチベーション。もうひとつは、期限を超えると怒られるから、超えないようにするとい気持ちです。そして、9割の人は後者の動機です。私もそうですが、みなさんも心当たりがあることでしょう。それを考えると、期限を超えたときには指摘をしないといけない、ということが分かると思います。
リーダーは無駄な会議は30秒でリセットしよう
会議が始まってから会議のテーマを議論したり、その会議のゴールが決まっていない状況で会議が始まったりするケースが良くあります。また、議論をするために必要な準備が十分でないこともよくあります。 そして、どのような会議になるかというと、参加しているほとんど人が「この会議、ムダだなぁ」と感じる会議になるのです。
リーダーであるあなたは、このような会議が始まってしまったら開始30秒で終わらせてしまいましょう。「会議をするための十分な準備ができてないから、リスケしよう」と。
みんながムダだと思っている会議を続けると、参加している人の時間をムダに使うことになりますし、精神的なストレス高めることにもなります。
終わらせるときに、そのまま解散してしまっては次回の開催までに時間が空いてしまうことが多いので、必ず次回のスケジュールを決めてから解散しましょう。その場で決められない場合は、スケジュール調整する人をアサインしましょう。そして、次回までに誰が何の準備をするかを明確にしておきます。これで、次回は準備不足で会議が始まる、ということがなくなります。
ムダな会議をやめるとチームにいい効果があらわれます。ひとつは、目先のムダな時間がなくなるということです。仕事ではムダな時間はできるだけ排除しておきたいものです。
もうひとつは、リーダーの評価があがると点です。みんながムダだと思っている会議をスパッと終了させられるリーダーである、という評価を得られます。それは、会議だけでなく局面局面で的確な決断ができるリーダーだ、というように思われるのです。
また、次第に会議の質が上がっていく、という効果もあります。これは即効的なものではありませんが、会議の準備をしっかりしなければ、という、という意識が植え付けられるからです。
実際に私は、それぞれのプロジェクトで「昼からの会議ですが、準備が十分でないのでリスケさせてください」と言われることが増えるようになっていました。
ただ、会議の準備は重要ですが、過剰に準備することを推奨しているわけではありません。場合によっては、5分の準備で十分ですし、しっかりと時間をかけて準備しないといけないこともあります。会議の目的に沿った適切な準備をしましょう。
最後に一点。お客様との会議だったり、自分よりも上位者が主催の会議では、自分の裁量で会議を中止にできない場合もあります。それは仕方がありません。そこはあきらめる、というのも必要です。ですが、自分のパワーコントロールの範囲でできるときはやっておきましょう。
パワポ資料では、オブジェクト自体の情報を減らしたほうがいい
最近、資料作成についてデザイナーに弟子入りして鍛錬中です。突き詰めようとするほど新しい発見があり、とても面白いです。
今回は、パワーポイントのオブジェクトが持つ「情報」について「なるほど~」を発見しました。
プレゼン資料を作るとき、
- チャートには情報を詰め込みすぎないほうがいい
- 文字が少ないほうがいい
ということが基本です。
それは、パワーポイントのオブジェクトについても同じことが言えます。
オブジェクトが持つ情報とは何でしょうか。
それは、
- 線
- 先の太さ
- 色
- 色の濃さ
などです。
まず、こちらは私が最初に作った資料の図です。いま、資料作成のTipsをまとめたパッケージを作っているのですが、そのガイドが対象とする資料を示した図です。
これでも文字を少なく、2つの軸を使って意味を持たせ、できるだけシンプルにメッセージが伝わるようにしたつもりでした。
これがデザイナーの赤ペン先生を受けると、次のような図へと変貌を遂げました。
見た瞬間に「すげ~」って思っちゃいました。
丸のオブジェクトの数を減らし、色を薄くする。これだけでメッセージに直接関わらない情報が減っています。 こうすることで、目に対する負荷、脳に対する負荷が減り、メインメッセージへの距離感が縮まります。
また、私の図では、文字とアイコンが別々にありましたが、それを一つのオブジェクトの中にまとめています。 まとめていることで、同じかたまりの情報であることがすぐに理解でき、また、目線の移動距離も格段に短くなっています。
その他、軸のところも違いが見て取れます。
ちょっとした工夫、ちょっとした違いですが、並べて見るとその違いがよく分かると思います。 オブジェクトの使い方を工夫するだけで、資料上の情報量を減らすことができ、よりシンプルに、よりメッセージの伝わる資料へとなります。
デザイナー脳をちょっとでも習得すべく、鍛錬中です。
こちらもどうぞご参照ください。