「頑張る」ことは、アピールするポイントではない


「一生懸命頑張ります!」「できるだけいい成果が出るように全力で頑張ります!」というような「頑張ります宣言」。

あなたも、聞いたことがあるのではないでしょうか。

一見、やる気を持って真剣に取り組みます、と言っているように見えますが、実は「頑張る」ということはアピールするポイントではありません。仕事で頑張ることは当たり前のことで、目的ではないからです。極端なことを言ってしまえば、頑張らなくても結果が出るならばOKです。逆に、いくら頑張っても結果が出なければ意味はありません。

残念なことに、役員レベルでも「私も一生懸命頑張っています。みなさんも一緒に頑張りましょう!」という掛け声を発する人もいます。しかし、実際にはポジションが上がれば上がるほど、成果のみが評価されるシビアな立場になるのです。

「頑張った」ことで失敗が許されることはない

頑張ることを否定しているわけではありません。頑張ることは最低限必要で、たとえ結果が出なかったとしても、頑張ったことは自分の成長につながります。また、その姿は誰かが見てくれているでしょう。あなたが将来、リーダーになったときには、メンバーが頑張っている姿勢は、きちんと認めて評価してあげられるリーダーに なってください。

では、「一生懸命頑張ります」の何が問題なのかというと、自分の仕事の結果に保険をかけている点です。すなわち、「一生懸命やりましたが、結果が伴いませんでした」という発言につながっているのです。これは、一生懸命やったことを免罪符にしているのと一緒です。

繰り返しますが、ビジネスは結果です。一生懸命やったか、頑張ったかどうかは、結果とは関係ありません。

デキる人たちは頑張りを表に出さない

とはいっても、結果を出す人はみな、きちんと頑張っています。

誰しも、頑張らずに難しい仕事で成果を出していくことなどできません。

しかし、すごくデキる人たちはその頑張りを決して表には出しません。どんなに厳しい局面であってもひょうひょうと仕事をこなし、余裕があるようにさえ見せます。でも実際は、人知れず努力をして頑張っているのです。これは、私が多くのデキる人たちの「表」と「裏」を見てきていえることです。

仕事で頑張ることは、誰もが当たり前にやっていることです。ですからそこをアピールするのではなく、成果を出してその結果をアピールするようにしましょう。

「入社1年目のビジネススキル大全」から抜粋しました。

全10章にわたって、どんな業界・業種でも必要な、役に立つビジネススキルを解説しています。

入社1年目というタイトルをつけていますが、私自身が振り返って、入社1年目から知っておきたかったというスキルを凝縮しています。

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