仕事の締め切りは常に「最短」で設定する

2~3日で終わる仕事を、「月末までにやっておいて」と長い期限に設定するとどうなるでしょうか。ほとんどの場合、期限が近づいてきてから仕事に着手して、期限である月末に仕事が完了します。

これは、「学生症候群」といわれるもので、小学生のときの夏休みの宿題を思い出せば分かるでしょう。

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ということを考えると、仕事の期限は「最短」で設定すべきなのです。3日で終わる仕事なら期限は3日後に設定するのです。

期限直前で着手して3日で終わっても、最短で設定して3日で終わっても同じ3日だ、と思うかもしれませんが、これは同じではありません。その仕事の未着手の時間が長いと非効率になってしまいます。まず、頭の中にその仕事のことがあるので、時々その仕事のことを思い出してしまい、他の仕事の邪魔になってしまいます。また、1ヶ月も期限が先だと、その間に他のタスクも出てきて、それをお願いすることもあります。そのようなときに、「いま、別の仕事を月末期限で抱えているので対応できません」という言い訳をするメンバーも出てきます。

つまり、メンバーが抱えるタスクの並行数が増えるほど、プロジェクト全体としては生産性が落ちていってしまいます。

さて、期限を最短で設定したとしても、その期限が守られなければ意味はありません。

メンバーに期限を守らせるテクニックが3つあります。

ひとつは、期限の前日や2日前に状況報告をさせることです。これをしておくと、メンバーはある程度進めてきた状態で報告をするようになります。逆に、本当に進んでいない場合はその時点で対策を検討できるので期限に向けたキャッチアップが可能です。

もうひとつは、遅れる場合は、それが分かった時点で報告するようにしておくこと、です。ほとんどの場合、期限が過ぎたときに間に合いません、という報告がきます。それを、事前に報告するように、というルールにします。そうすると、事前に報告はしにくいので、なんとしても期限に間に合わせようとする心理が働きます。

3つ目は、仕事が期限に遅れたときには、なぜ遅れたのか、と毎回問いただすことです。期限に遅れたときに、それを放置しているとメンバーも怒られないんだ、と気が緩みます。期限を守らなければいけない、という雰囲気を醸成しましょう。

ビジネスパーソンが仕事の期限を守る動機は2つだけです。ひとつはプロとして、期限には必ず仕上げる、というモチベーション。もうひとつは、期限を超えると怒られるから、超えないようにするとい気持ちです。そして、9割の人は後者の動機です。私もそうですが、みなさんも心当たりがあることでしょう。それを考えると、期限を超えたときには指摘をしないといけない、ということが分かると思います。