肩書なしでどこでも通用するために必要な『2つ』のビジネス・スキル

『肩書なしでどこでも通用するビジネス・スキル』って何?ということについて今回は書きたいと思います。

ここでいう肩書とは、「会社名」とか「役職名」だとかいったものです。
有名な会社にいるから、その人が優秀であるとは限らず、いい役職についているからといっても、必ずしもその人が優秀だとは限りません。

そして、そういった肩書なしにでも、「できる人」というように見られたいですよね。

世の中にはたくさんの仕事があり、それぞれに必要なスキルがあります。経理、会計の仕事、人事の仕事、IT関連、自動車関連の仕事などいろいろあり、それぞれの専門スキルがあります。

一方で、どんな業界であれ、どんな職種であれ共通的に必要なスキルがあります。例えば、ロジカル・シンキングやドキュメンテーションなどです。

私はその普遍的なスキルを大きく2つにくくって定義しています。

それは、

  • ビジネス・コア・スキル
  • ビジネス・リーダー・スキル

です。

『ビジネス・コア・スキル』には、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、ファシリテーション、ドキュメンテーションなどのスキルがあります。『ビジネス・リーダー・スキル』は、大きくリーダーシップとマネジメントで構成しています。

これらがビジネスパーソンに必須の基礎スキルで、業種・職種を問わずに必要かつ必須のスキルだと思っています。

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このようなイメージで書き直してもいいでしょう。むしろ、こちらの方がイメージが湧きやすいかもしれません。

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どのような仕事であれ、屋台骨となるスキルです。その上に、業界・業務固有のスキルが乗っかるイメージです。

ということはつまり、ベースのスキルがしっかりとできていれば、来月から別の業種の仕事をしてくれと言われても、『業務のキャッチアップに少し時間がかかりますがOK!』と言えるくらいのつもりで今の仕事をすべきだと思っています。

実際、1990年代に危機に陥っていたIBMを経営再建したルイス・ガースナーは、アメリカン・エクスプレス、ナビスコのCEOを歴任し、IBMへとやってきました。ナビスコでお菓子を作っていたやつにコンピューターの会社を建て直せるのかとも言われたらしいですが、見事に再建しました。

ルイス・ガースナーの例は規模がすごすぎますが、どういったポジションであれ、それくらいの気持ちを持ってスキルを身に付けていきたいですね。

ビジネス・コア・スキル ~ 仕事の基礎となるスキル

ビジネス・コア・スキルは、ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキング、ファシリテーション、プレゼンテーション、ドキュメンテーションなど、どんな仕事をしていても使う共通的かつ普遍的スキルです。

まず、ビジネス・コア・スキルとして最も必要なのは「ロジカル・シンキング」です。これなしにはビジネス・パーソンとしての成長はどこかで限界がくるでしょう。

仕事をする上では物事を論理的に考えて整理しなければいけません。

論理的とは何でしょう?Wikipediaで『論理』は次のように説明されています。

論理とは、思考の形式及び法則である。これに加えて、思考のつながり、推理の仕方や論証のつながりを指す。よく言われる「論理的に話す、書く」という言葉は、つながりを明確にし、論証を過不足なく行うということである。

つまり、思いつきではなく、何かの論理に基づいて物事のつながりを示していくことです。

ビジネス・パーソンとしての成長を目指すのならば、必ず身に付けましょう。ロジカル・シンキングの本を読んで理解することはそれほど難しくはありませんが、それを実践できている人はそれほど多くはありません。

むしろ逆にいうと、ロジカル・シンキングを身に付けて実践できれば、まわりの人よりも頭ひとつふたつ抜きん出ることが可能です。

実際に、優秀な人とそうでない人を見比べると、ほぼ当てはまります。

最近、巷ではデザイン・シンキング(デザイン思考)というものが流行りはじめてきています。ロジカル・シンキングと比べるような形で、

「これからの時代はロジカル・シンキングでは立ち行かない」

「これからはデザイン・シンキングだ」

という論調まで出てきていたりします。

ですが、ロジカル・シンキングとデザイン・シンキングは別のものです。デザイン・シンキングはイノベーションを生み出すためのアプローチです。

デザインシンキングという概念を生み出したティム・ブラウン(デザインコンサルファームIDEOのCEO)は次のように語っています。

「デザインシンキングとは、イノベーションを生み出す、人を中核としたアプローチです。人々のニーズ、テクノロジーの可能性、ビジネスとしての成功をひとつに組み合わせるデザイナーの手法から導き出されたものです。」

ですので、どちらがいいとか悪いではなく、それぞれ別物なので、適材適所でどちらも使えるようになるのが望ましいです。

ちょっと話がそれました。

ロジカル・シンキングをはじめとして、ファシリテーション、コミュニケーション、ドキュメンテーションなどのスキルを学び、身に付けて高めることがビジネス・パーソンとしての価値を高めていくと思います。

ありがちなのが、自分が入った業界・業種、会社に特化した仕事のやり方だけを先輩社員から学び、ここでいう『ビジネス・コア・スキル』について、何の勉強もせずにいるキャリア年数を積み重ねてしまうパターンです。

こうなってしまうと、10年、20年経って、いざ他の仕事をやれと言われたときに何もできないのです。転職をしなくても、社内での配置替えなどはいくらでもあると思います。それに対応できないと社内でのその先のキャリアは先細ってしまいます。

ビジネス・リーダー・スキル ~ 人やチームを動かすために必要なスキル

私は、

ビジネスで成果を出す、ということは、テコの原理

だと思っています。

自分一人がひとり分の仕事しかできなければ、それなりです。ですが、より多くの人、より大きなチームを動かせることが、ビジネス・パーソンとしての価値を高めるのです。

5人のチームしかマネージできない人、100人のチームをマネージできる人、どちらの成果が大きいかは明確ですよね。

大きなチーム、多くのメンバーを動かすにはそれなりのスキルが必要です。

そのスキルが『ビジネス・リーダー・スキル』です。

いろいろなリーダーを見ていると、リーダーそれぞれに限界があります。

5人のチームをマネージできても、20人のチームをマネージできるとは限りません。実際に、チームが大きくなったことで回せなくなったリーダーを何人も見てきました。

それは、この「ビジネス・リーダー・スキル」が十分でないからです。

リーダースキルと書きましたが、これは必ずしもリーダーだけに必要なスキルではありません。

仕事というものは、ひとりだけで完結するものはほとんどありません。必ずといっていいほど誰かと一緒に仕事をします。そのときにも必要となるスキルです。

また、若手のうちからこのスキルを学んで実践していくことが、将来、自分がリーダーとなるチャンスが来たときにすぐにものにすることができます。

自分の将来のために種をまこう

ここに書いたスキルを身に付けて実践でき、大きな成果となるには時間がかかります。ですが、これがないと自分の将来の成功はありません。

特に若手であれば、早いうちから取り組んでおくといいと思います。

若手でない人は、「手遅れ」と思ってはいけません。今、思い立ったなら今から始めるべきです。「手遅れ」と思って諦めてしまってはだめです。逆に、他の仕事のスキルが身に付いているので、これらのスキルを学んで身につけるには若手よりも早く身につきます。

誰であれ、年次がどれくらであっても、自分の将来に向けて種をまきましょう。

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