リーダー必読の書と言われるマキアベリを読んでみた

リーダー必読の書と言われ『孫氏』とともに並ぶ、マキアベリの『君主論』を読みました。
ようやく読みました、というのが正しくて、これまでも何回か読もうと思ったことはありましたが、なかなかとっつきにくくて敬遠してました。

今回は、とある本をたまたま知ったのをきっかけに読むことにしました。

まず、『君主論』とは、ですが、1532年にイタリア・フィレンツェのマキアベリによって書かれた書物です。
現実主義を貫いていて、冷酷・非道な政治を肯定するものとして、『マキアベリズム』という言葉をうみだしたほどのものです。

最強のリーダー育成書 君主論

最強のリーダー育成書 君主論

最強のリーダー育成書 君主論

この本が今回、君主論を読んでみようと思ったきっかけの本です。東洋経済の記事を読んでいてたまたま見つけたものです。

KADOKAWAから出ているので、私を担当してくれている編集者にきいたところ、その人のメンバーが担当した本とのことで、親近感をもちつつAmazonでKindle版をポチッとしました。

内容としては、『君主論』のエッセンスをいくつか抽出して、現代のビジネスに即しながら解説をする、というものです。

読みやすくて納得感のあるところもありましたが、断片的であったので、若干、消化不良となってしまいました。
それは本家の君主論をしらなかったからだと思います。やはり、大元の君主論を読まねば、と思いました。

君主論(まんがで読破)

君主論 (まんがで読破)

君主論 (まんがで読破)

さて、先程の本で消化不良となってしまったので、本家を読んでみようと思いつつも、ネットでいろいろ見ていると、やはり時代背景などを知らないと読みづらい、というコメントがいくつかありました。
そして、この『まんがで読破』を読むとその時代のことがざっと分かるらしい、ということでこれもKindle版をポチッとしました。

一読しましたが、これは読んでおいて良かったです。『君主論』という観点では物足りないですが、その時代背景などを知るという意味では十分なものでした。

日本でいうと、戦国時代の群雄割拠の歴史を日本人は知っているが、外国人は知らないという状況です。その時代のことを何もしらないと君主論は読みにくいのです。織田信長が云々、家康が云々、関ヶ原の戦いが云々など、そういったことが君主論には普通に書かれているからです。

ヨーロッパの人にとっては一般的な歴史を前提に書かれているのです。

この本を読むとそこがざっくりですが、ある程度緩和されるのです。

君主論を読むときにはこの本を読んでおくことをおすすめします。

マキアヴェッリ語録

マキアヴェッリ語録(新潮文庫)

マキアヴェッリ語録(新潮文庫)

まんがで読破を読み終えて、さて、君主論を読んでみるか、とAmazonをあさっていたところ見つけた本がこれです。
結果的に、『君主論』よりもこちらの方がよかったです。

この本は『君主論』に限らず、マキアベリのその他の本や手紙から語録を集めたもので、マキアベリという人物のエッセンスが抽出されたものです。

エッセンス版ということで、抽出されている語録の多くが刺激がありインパクトのあるものでした。

新訳 君主論

新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)

新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)

そして、最後にこれぞ本家の君主論です。(とはいえ、日本語訳ですが。)

ようやくこの本まで辿り着きました。

そして読み始めました。

が、挫折してしまいました。

読みにくいということもありましたが、上記の3冊を読んでしまっていたので、核となる部分はだいたい読んでしまっているので、これといって大きな新しい発見がありませんでした。

おっ、と思うようなところは、『語録』の方にかかれているのです。

いくつかピックアップ

過去は、冷酷・非道の書、と言われていたようですが、私にとっては共感を持てるところばかりでした。
キリスト教全盛の時代では冷酷であったのかもしれませんが、人間の心情の本質をベースに物事を語っているのです。

世の中、いいやつばかりではないよ、油断すると裏切られるよ、などといった感じです。

私の読後感は、
- 大きな組織のリーダーになればなるほど読んでおくべき
です。

小さなチームのリーダーをやっていたときに読むよりも、いま、300人以上のチームを率いる立場で読んだ方が身になることが多かったと感じました。

ということで、いくつか印象的であったものを『語録』からピックアップします。

人間というものは、敬愛か恐怖かのいずれかに突き動かされて、行動するもの


人間というものは、困難が少しでも予想される事業には、常に反対するものである。


人間というものは愚劣でエゴイストが多いのが現実

ダメなリーダーのパターン

前の記事で『チームの成果がでないリーダーの3つのパターン』というものを書いていました。
マキアベリが書いてあることと通じているな、と思いました。

こちらもどうぞご一読ください。

vekitomo-0.hatenablog.jp

デリゲーションでリーダーの仕事を減らしつつ、メンバーを育てる

今回はデリゲーションについてです。

デリゲーションとは、私の仕事環境では割りと使われる言葉で、日本語では「委任」とか「権限委譲」という意味です。

7つの習慣では、次のように書かれています。

このような目標達成には、二つしか方法はない。自分でやるか、他の誰かにその仕事をまかせるかだ。他の人に任せることをデレゲーションと言う。

リーダー、特に大きなチーム/組織を率いるリーダーであればあるほど『デリゲーション』をうまく活用しなければいけません。

私が考えるデリゲーションの目的は2つあります。

①リーダー自身の仕事量を減らす

メンバーに仕事や権限を移管するので自分の仕事が減ります。大きな組織を率いるほど、リーダーの仕事を自分の配下に移管しないと、いくら時間があっても自分の仕事はおわりません。

②メンバーを育てる

デリゲーションとは、本来はリーダーの仕事をメンバーへ移管することです。

つまり、メンバーからすると自分の上のレベルの仕事をすることになります。 リーダーの仕事をさせることで、メンバーの育成をすることができるのです。

育成目的でデリゲーションをしたりします。

メンバーが育たないと、リーダーは自分自身の次のステップアップの仕事にシフトしていけません。

いつまでたっても、「俺がいないとこのチームはダメだ」とならないようにしておきましょう。

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モンキーの話とはちょっと違う

部下のモンキー(仕事)はリーダーは背負うな、という話がありますが、それとはちょっと違います。

vekitomo-0.hatenablog.jp

モンキーは、メンバーの仕事をリーダーが背負わずにメンバーにやらせることです。

デリゲーションは、リーダーの仕事をメンバーにやらせることです。

ベクトルが逆なのです。

「育成」という目で部下に仕事を振ってみてください。

ライフハッカーにハックされました

ライフハッカーなるWebに私の本が取り上げられていました。

www.lifehacker.jp

ありがとうございます。なのですが、
このページ、何かをググった結果、たどり着いたことはありましたが、ちゃんと読んだことはありませんでした。

まずはどんなサイトなのかを見てみたところ、アメリカのサイトの日本版らしいです。 紹介ページではこのように書かれていました。

「ライフハッカー[日本版]」は、ライフハック術(参照:ウィキペディア「LifeHack」)に関する情報を、日々読者の皆様へお届けしていくウェブメディアです。
一般的に、「仕事術」の類義語と認識されることも多い、この「ライフハック」という言葉。「ライフハッカー[日本版]」では、この言葉と、もう少しラフな関係で付き合っていきたいと思っています。
記事として取り上げる内容は、仕事関連のハッキング術(上手くやるコツ)だけでなく、広く生活全般に関する情報も網羅。記事を読む時間が「消費」ではなく、自分への「投資」となるよう、役に立つ情報、人生の指針となるような記事をお届けしています。
いろいろとつたないところなどもあるかと思いますが、どうか「ライフハッカー[日本版]」と、末永いお付き合い、よろしくお願いします。

なるほど、仕事だけでなく、生活でも効率的にうまくやる術を満載に掲載しているサイトのようです。
すこし覗いてみたところ、使ってみようかな、と思うものがちょいちょいありました。

もうちょっと見てみようと思います。

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【Excel技】選択したセルの行/列を非表示にする

Excelを使っていて、行や列ごとの非表示を行うことがあると思います。

だいたい、行/列を選択して右クリック→非表示でやると思います。

そんなコマンドもショートカットがあります。これです↓。

Ctrl+9 : 選択したセルの行を非表示
Ctrl+0 : 選択したセルの列を非表示
Ctrl+Shift+9 : 行を再表示
Ctrl+Shift+0 : 列を再表示

イメージはこんな感じです。

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お試しください。

セミナー報告 @7/9

本日、仕事術セミナーを行ってきました。
おかげ様で約60名の方に参加いただきました。

ロジカル・シンキング、リーダーシップの基礎を中心に4時間のセミナーでした。

コンテンツとしては、このような内容としました。 f:id:vekitomo-0:20160709231129j:plain

2ページ分ほど添付します。

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早速、アンケートのコメントを拝見させていただきました。 全体的に高/好評価をいただきつつも、改善に対する評価コメントもいただきました。

自己認識あるものもありましたし、そうでないものもありました。

勉強になりました。
人生日々勉強、日々成長です。

次に向けて改善の取り組みをしていきたいと思います。

セミナー準備に注力していたので、このブログの更新も滞っていましたが、そろそろこちらの更新も再開していこうと思います。

スキル評価のマトリクスからチームのスキル育成戦略を考える

チームメンバーのスキルとタスクを可視化して、タスクのアサインを検討するアプローチの記事を書きました。↓

vekitomo-0.hatenablog.jp

今回は、これから派生して、チームのスキル育成を考えるアプローチについて書いてみたいと思います。

まずは、前回につかったスキル評価をそのまま使ってみます。

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このマトリクスでは、右上にあるエリアは総合スキルが高く、逆に左下は総合スキルが低いということを示しています。

ですが、単純に全員が右上に行けばいいというものではありません。もちろん右上に固まればいいですが、それには時間がかかってしまいます。

そこで、ここでも前回と同様にスキルエリアをSegment分けして考えていきましょう。 f:id:vekitomo-0:20160602201537j:plain

Segment-1 ハイスキルエリア

ここはIT的なスキルも高く、業務スキルも高いエリアで、割りとなんでもできる人達です。
ここに位置する人は経験豊富な人が多く、すなわち、年次・年齡も応じて高くなってきます。

現実的に、チーム全員がこのエリアになることは不可能です。ただし、少人数のチームは除きます。

不可能な理由は以下です。

  • 複数のスキルを向上するには時間がかかる
  • 普通のチームは、若手からベテランまでで構成されるため、Segment-1に固まることはない
  • Segment-1にいるメンバーは、次のキャリアステップへと進むため、この位置に長くとどまることはない

3つ目についてちょっと補足すると、このSegment-1にいるメンバーは、年次もスキルもそこそこになっているため、次期のマネジメント候補になり得る人です。
リーダーである自分の後任候補でもありますし、他のチームのリーダー候補でもあります。

すなわち、Segment-1に人がたまりすぎていると、そういった次のキャリアへのシフトが進んでいないことを意味するわけでもあります。

Segment-2,3 ひとつのスキルが長けている

新人から中堅にかけてのメンバーが位置するエリアです。
どちらのスキルに偏るかは、新人からやってきた仕事に依存します。

ここにいるメンバーは、長けてない方のスキルエリアをつけさせるためのアサインを検討した方がいいでしょう。そうすることで、右上のSegment-1へとシフトさせるのです。

本人の意向なども確認しながら、次の仕事をアサインしていくといいと思います。
というのも、自分はずっと技術職、現場でやっていきたいのだ、という人もいるからです。

Segment-4 新人が位置するエリアだが・・・

ここのSegmentは、基本的には、新人が位置するエリアです。 これから数年をかけて、どちらかのスキルを伸ばしていきます。IT業界では一般的にITスキルを最初に習得させていきます。
ただ、ITスキルを身に付けながらも、業務スキルを身に付けて右上に斜めに成長していく若手もいます。

自分が若手であれば、Segment-4 → 2 or 3 → Segment-1と経由するのではなく、4から1へと斜めに進む努力をしていきましょう。

最後に、このエリアについて補足します。
若手~中堅くらいまでだとこのエリアにいても許容されますが、中堅以上のクラスでこのエリアに留まっているメンバーは、ちょっと厳しい評価となります。

その他の評価軸

今回は、ITスキルと業務スキルという2つの観点で評価しましたが、他にも評価軸はあります。 ざっと思いつくものを箇条書きしてみます。

  • 年次とスキル
  • マネージメントスキルとコミュニケーションスキル
  • マネージメントスキルと英語スキル

このような感じで、自分のチームの仕事の特性や、評価したいことに合わせて軸を決めるのです。 複数のマトリクスを作って、それを眺めているだけでも示唆を得ることもあります。

お試しでもやってみて下さい。

書籍も好調です

よろしければご覧ください。

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

セミナーを開催します

7/9にセミナーを開催します。書籍では、仕事を速くするためのテクニック的なことを中心に書いていますが、セミナーでは、ビジネスパーソンに必要な仕事のアプローチについて、ロジカル・シンキングの思考法を中心に行おうと考えています。

store.kadokawa.co.jp

【Excel技】セルの外枠罫線をショートカットキーで引く

最近は7/9のセミナー向けの資料作りに勤しんでいるので、ブログの更新が滞っています。
ちょっとたまには更新しないとな、ということで、今日は、Excelのチョイ技を紹介します。

セルの罫線を引く/削除するショートカットです。

Ctrl+Shift+6 セルに外枠罫線を引く
Ctrl+Shift+_ セルの外枠罫線を削除

イメージだとこんな感じです。

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今日はこんな感じで♪

7/9 仕事術セミナー 追加の10人枠決定

7/9(土)の仕事術セミナーですが、大変ご好評いただき、申込上限の50人に達しました。
ですが、お問い合わせ等あるようで、今回の会場にもう少し余裕があるとのことで、KADOKAWAさんがプラス10名の追加申込を設定されました。

現時点で、51人となっており、あと9枠となりました。
よろしければお申し込み下さい。

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store.kadokawa.co.jp

セミナーのコンテンツはこちらで紹介してます。

vekitomo-0.hatenablog.jp

仕事術セミナーの仮コンテンツ紹介

暑くなって来ましたね。
7/9の仕事術セミナー向けのコンテンツを鋭意作成中であります。
最近の週末夜はいきつけのガストに、またお世話になっています。

さて、仮ですがコンテンツはこちらです。

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セミナーでは、ロジカル・シンキングを中心に行う予定です。
「思考」プロセスの基礎とテクニックから、仕事でどう活かすか。そして、思考プロセスの向上から各ビジネススキルにどう役立つか。

本のあとがきに、「思考」こそが成果を左右するもの、と書きましたが、その「思考」を中心にお話をしたいと思います。

ただ、わーっとドラフトを作ったらページが100ページくらいになってしまっているので、4時間では話しきれない量です・・・・。 コンテンツ、内容ともに絞り込みとブラッシュアップをしていきます。

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企業や部門単位での開催も応相談です。
ケツジツから、もしくは当ブログ問い合わせフォームからお問い合わせ下さい。

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store.kadokawa.co.jp

『マインドマップ的読書感想文』でも紹介いただきました。

【お知らせ】「外資系マネージャーが実践している『成果が出る』仕事術セミナー」開催のお知らせ:マインドマップ的読書感想文

Kindle版 夏の30%OFFセール中

Kindle版が夏の30%OFFセール中です。2週間限定です。

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

紙版はこちらです。紙は定価です。すいません。

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

なぜ人を育てると自分も成長するのか?

だーいぶ前の記事に、「人を育てると自分も成長する」というのを書いていたことを、ふと思い出しました。

vekitomo-0.hatenablog.jp

なぜ、ふと思い出したかというと。今、仕事術セミナーの資料を作っていまして、いろいろ試行錯誤をしている中で思い出したのです。
「そういえば、こんなこと書いてたなぁ」と。

そして、今回は「なんで人に教えてると、自分が成長するのだろう?」と考えてみました。

2点あると思いました。

①曖昧に身についているものは、あらためて調べ直すから

人は誰しも、すべてのスキルを明確にブレなく理解して実践しているわけではありません。
学んだものをなんとなく実践している場合もありますし、基礎は学んだけど、その後は臭いと勘でやっている場合もあります。

それらを人に教えるには、体系だったものとして整理をしなおさなければいけません。

そのプロセスを経ることで、自分の理解が正しくより深まるのだと思います。

②教えるからには自分が実践しておかないといけないから

自分ができもしないことは教えられないですよね。
つまり、教えようとすることは自分が実践できてないといけないものです。

ということは、自分がちょっとあいまいに実践していたことも、人に教えるとなるとそれなりのレベルに引き上げないといけません。
すなわち、成長をする、ということなのです。


自分のチームや自分の周りに若手が来たら、積極的に「育てる」というアプローチを取るといいと思います。 f:id:vekitomo-0:20160630115351j:plain