スキルの可視化のステップ ~タスクのアサインも可視化する
ちょっと前に、タスクフォースの体制作りのアプローチについての記事↑を書きました。
そして、スキルの可視化はどうすればいいのか、と友達に聞かれたので、今回はメンバーのスキルの可視化について私がよくやっている方法を紹介します。
『定量的評価 vs 定性的評価』と『主観的評価 vs 客観的評価』
スキルの見える化は一般的には難しいと思われています。それは数字で測りにくいため定量化できない、と思われているからだと思います。
まずここで、『定量的評価 vs 定性的評価』と『主観的評価 vs 客観的評価』について整理したいと思います。
定量的評価はスキルを数字で表すことで、定性的評価はコメントなどでスキルを評価することです。
主観的評価は、誰々のスキルは高い・低いというのを個人の主観で決めることで、客観的評価とは、TOEICなどのようにテストの結果機械的に評価されるものです。
主観的評価は定量的に評価できない、と思われがちですが、それは間違いで、主観的に定量的評価は可能です。
主観で、チームメンバーのスキルを5段階評価し、それを定量評価とするのです。一方、TOEICの点数などは客観的な定量評価となります。
主観的な定量評価は、属人的な数字にはなりますが、定量的に表すことが可能なのです。
こういったことを前提にスキルの見える化のステップを紹介します。
評価するスキルエリアを定義して点数をつける
まず、評価対象のメンバーをExcelでリスト化します。 つぎに評価するスキルエリアを決めて、それを縦軸とします。
今回は例として、
- 業務スキル
- プログラミングスキル
- リーダーシップ
- 英語
とします。
そしてメンバーごとにそれらのスキルを採点し、その点数を記入します。
ここでは5段階評価として、そうすると一覧形式でスキルがこのような↓感じで可視化されます。
これが最も簡単なスキルの可視化です。
スキルエリア毎に見てもいいですし、合計点で見てもいいです。
ただ、それだけでは面白みもないので、2つのスキルエリアをピックアップして、4象限で評価する方法を紹介します。
4象限のマトリクスにマッピングしてセグメント分けする
今回はシステム開発のチームメンバーを評価することとして、プログラミングスキルと業務スキルの2つに絞ります。
そして、それを散布図で表すとこのようになります。↓
どうでしょうか?
チームメンバーのスキルの分布がパッと見えるようになったと思います。 右上にいるメンバーほど総合スキルが高く、左下は低いことを意味しています。
さて、次はこれを元に仕事、タスクをアサインするアプローチを説明します。
まず、この散布図を次のようにセグメント化します。
同じようにアサインをしようとしている仕事も定量化し、セグメント化します。 セグメント化することで、チームのメンバーをスキルに応じて4つに分類されます。
タスクも評価する
次は、チームが取り組む仕事、タスクの方も同様に定量化します。4象限のマトリクスにするために、ここでは開発機能の業務難易度とプログラム規模とします。これらもスキルと同様のアプローチで定量化し、散布図で表現します。
このようにすると、スキルもタスクもセグメント化されます。
そして、スキルとタスクで同じセグメントにあるものの中でアサインを検討すればいいのです。
ここまではデジタルに評価ができるので、あとは最後にメンタル面や相性、抱えている他の仕事などを加味して最終決定をします。
最初から勘や経験だけに頼った定性的なアサインよりも論理性と確実性があり、説得力もあると思います。 むしろ、裁量の範囲が限定的になるので、検討する上でもより簡単に、よりスピーディーになります。
スキルもタスクも評価軸はいくつかあると思います。 それらをすべて考慮しても それほどの意味はないので、重要視する2つの軸に絞ったほうがいいでしょう。
どんな職場でもどんな仕事でもお試しできると思いますので、一度、このアプローチをトライしてみて下さい。
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