PDCAが回らない理由 〜 それはPDCAが丸だから!
『PDCA』は、ビジネスパーソンであれば、聞いたことがない人はいないのでは?というくらい有名なフレームワークです。 ですが、このPDCAを実際に使えている人はほとんどいないと感じています。
PDCAを使っていないと、何度も同じ失敗を繰り返したり、今できていること以上のことができなかったり、と、成長が見られません。
ですが、繰り返しですが、『PDCA』を実践できている人は多くありません。
では、なぜPDCAが実践できないのでしょうか?
PDCAをサークル(円)で捉えるから使えない
PDCAというと、ほとんどの人がこのようなサークル(円)をイメージすると思います。私もPDCAを知ったときはここから入りました。
私は、このイメージが強すぎるから実践しにくいのではないか、と考えています。
このサークルのイメージだと、PDCAをぐるぐるずっと回していく、というイメージはたしかに持ちやすいです。 そして、ほとんどの仕事の現場で言われるのが、『PDCAをずっと回していけ!』といった掛け声めいたものでしょう。
このサークルイメージの欠点は、どこがPDCAの起点になっているかがわからない、ところにあると思っています。
PDCAのコンセプト的にはどこからでもOK!なのでしょうが、これだとイマイチ重要なポイントもピンと来ません。
なので、実際にやれと言われても、掛け声だけで終わってしまうのではないか、というのが私の推論です。
PDCAをマトリクスでイメージすれば使いやすくなる
では、どうするのか?
私は、PDCAをマトリクスでイメージしています。
まずひとつ目のパターンはこちらです。
横にPとDを取り、縦にCとAを取ります。
これのマトリクスの意味することは、
Checkは、PlanとDoに対してする、ということ。
そして、ActionはそのCheckの結果に対してする、ということ
です。
ちょっと簡単な事例を入れてみます。
これは、ざっと思いついた事例なので、内容の精度は適当ですが、実際に使うイメージはこのような感じです。
Planしたことに対して、Doしたことに対して、Checkして、それを改善するActionを検討するのです。 このようにマトリクスで整理すると、因果関係がわかりやすくなりますし、洗い出しもしやすくなります。
もうひとつのマトリクスパターンを紹介します。
次は、PDCAを全部横にとります。そして縦には作業分類を書き出します。
これは、私が出版編集者と会話をしているときに書いたマトリクスです。
『部署で出版した本の振り返りをするのに、みんなからブレスト形式で意見を出そうと思ってるけど、どうですか?』
とのことでしたので、
『せっかくなので、マトリクスで整理してみてはどう?』
と書いたものです。このようにマトリクスで整理して意見を出し合えば、参加したメンバーもポイントを絞って意見を出せて、短時間で有意義なブレストをすることができます。
PDCAでいちばん大切なのは『Check』ではなく『Plan』である
これらふたつのマトリクスを見て気づいたかもしれませんが、PDCAで一番大切なのは『Plan』です。『Check』と思われがちですが、私は『Plan』が一番重要だと思っています。
なぜならば、やる仕事に対して『計画』がないと振り返ることができないからです。 なんとなくやった仕事を振り返っても意味がありません。意図を持ってやってきたことに対して、その意図がどうであったのか、意図通りにできたのかをCheckするのです。
なので、仕事は必ず『意志』を持って取り組むようにしましょう。
私はよく若手のリーダーとかに、
『お前の意志はどこにあるのか?どうしたいのか?』
『意図のない決定は意味がない』
といったことを言っています。
結果が失敗したとしても、そこに当初の意志がなければ改善することができません。次につなげることができません。
PDCAを『過去』と『未来』の時間軸で考える
PDCAはサークルで捉えられるため、時間軸の意識を持つことが少ないですが、私は『過去』と『未来』で捉えています。
PDが過去で、CAが未来です。
ひとつめのマトリクスをもう一度見てみましょう。
PとDに対して、CとAをしています。つまり、PDが過去でCAが未来なのです。
PDCAを横にとってみるとこんなイメージです。
(適当な図ですいません。手抜きです。)
仕事をしている以上、PやDのタイミングももちろんありますが、PDCAを捉えるイメージとしては、PDとCAで分けています。
どんな些細なことでもPDCAを実行する
PDCAというと、ちょっと構えてやらないといけないもの、という印象があり、それが実践を遠のける要因のひとつでもあると思います。
ですが、ほんのちょっとした仕事でもPDCAを実践すべきだと思います。 ちょっとした30分の資料作成でも、『今回はこうやってみよう』という意図を込めてやってみます。 そして、そのあとで、それがどうであったか、を振り返るのです。
この細かいレベルでのPDCAができればできるほど、成長の速度があがると思っています。 そういう人は、2回としてまったく同じやり方では仕事をしないですから。
PDCAは失敗したときだけやるものではない
そして、成功したときもPDCAを回すと、より成長していきます。
PDCAは、失敗に対して振り返る、というイメージを持つ人が多いですが、そうではありません。 どんな仕事に対しても実践すべきものです。
1時間でやろうと思った仕事が、
1時間でできたときは、作戦どおりだが、次にもっと速くやるためにはどうすればいいか?
30分でできたとしても、もっと速くできるアプローチはないか?
2時間かかったときはもちろん、どうやったら1時間でできたか?
というように、どんな結果であれ、振り返るようにしましょう。
成長が速い人は、よくよく見ると、普段の仕事の中でのPDCAをきちんとしているのだと思います。
参考図書
鬼速PDCAという本が売れているようです。 ざっと目を通しましたが、『うまくいっているときでもPDCAを回す』というところに共感しました。
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