バッファーはリーダーのものにしておくべし

極限のトラブル対応状態では、バッファーをどれだけ自分のものにできるかが勝負のポイントになります。

× 残念なトラブル対応 : メンバーが1週間かかると言っている、といってそのままその時間を鵜呑みにしてしまう

◎ デキる人のトラブル対応 : メンバーの自己申告の作業時間をそのまま受け取らずに、そこにあるバッファーを摘み取っている

バッファーの設定次第でプロジェクトの成否が決まる 

図にTeamAとTeamBの作業計画を示しています。Team-Aは、作業タスクごとにバッファーを計画しているもの。Team-Bは、タスクごとからはバッファーを排除し、すべてのバッファーを一番最後に持っていっているスケジュールです。

どちらのチームの方がすべてのタスクを早く終わらせられるでしょうか。

メンバー申告の作業時間にはバッファーが入っている

みなさんは、上司や先輩から「これ、いつまでにできる?」と仕事を頼まれたとき、どのようにますか?

私は、「あ、これは3日でできるな」と思っても、「5日くらいかかりそうです」と答えます。ほとんどの人はそうだと思います。なぜなら、3日できると答えてできなければ怒られるからです。2日ほどバッファーを乗せて5日かかる、と答えるのです。

つまり、リーダーの立場からすると、メンバーの言い値の作業時間には必ずバッファーが乗っている、と思わなければいけません。その言い値の作業時間をすべて受け入れてしまえば、全メンバーのすべての作業にバッファーが積み重なってしまい、作業計画を立てたときには、もうすでにプロジェクトスケジュールをはみ出した計画になってしまっています。

メンバーのバッファーを摘み取る方法

このメンバーのバッファーはどうしたら摘み取れるでしょうか?

自分が実際にやったことがあって知っている作業であれば、自分の見積もりとメンバーの見積もりを比べてみましょう。そうすればバッファーが乗っていることはすぐにわかると思うので、必要最小限の期間だけにしておきましょう。

自分が経験がなく、知らない作業であれば、「なんでそんなに時間がかかるの?細かく説明して」と言ってみましょう。それを何回か繰り返すと、無駄にバッファーが積まれていることが明らかになります。

すべての作業に対して、このように問い詰める必要はありません。計画の初期段階や時折サンプリングでこのようなことをしておけば、「このリーダーにはバッファーは通用しない」と思われるようになり、事細かにチェックしなくても、必要最小限の計画をつくることができるようになります。

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ポイント

メンバーの言い値の作業時間には必ずバッファーがある。 そのバッファーを摘み取らなければトラブルは収束しない

参考図書

バッファーの置き方については、有名な「ザ・ゴール」に書かれています。 未読の方はぜひ読んでみてください。

バッファー以外にも仕事に活かせる内容がふんだんに書かれています。

ザ・ゴール

ザ・ゴール