小さい仕事でも自分の仕事に責任を持つ

 特に若いころの仕事は、小さく部分的な仕事や、単純で簡単な仕事を任されることが多いと思います。そして、そのような仕事はどうしても相対的に重要でないと思ってしまいます。また、自分が若手だということをいいように解釈し、責任感が低い状態で仕事をする人を見ることもよくあります。

   このように言うと、「いや、そんなことはない。ちゃんと責任持って仕事をしています。」と思うでしょう。

 責任を持って仕事をするとはどういうことでしょう。責任を持つとは、いろいろな解釈ができますし、役割、役職でも変わってきますが、ここでは、若手のうちの小さな仕事である、という前提とします。

 簡単にいうと、自分の仕事の結果を説明できる、ということです。   説明しないといけない、と分かっている仕事と、「説明しなくていい」と分かっている仕事では、取り組み方が変わってしまいます。私も経験ありますが、説明しなくてもいいときは、どうしても甘えが出てしまいます。任された仕事を完了する、というのと、その成果を人に説明する、という間にはかなり大きなハードルがあります。

 なぜそのようにしたのか、そのように判断したのか、そのために、どれくらいのバックデータを調査したのか、など目に見えるアウトプット以外の説明ができるようにしておかなければいけません。そう考えると、「指示されたことをやっただけです」という仕事ぶりはできなくなります。 また、説明するということは、質問が発生する、ということです。質問に答える、というのはとても難しい仕事なのです。どういった質問がくるのかわからないので、さらにいろいろなことを調べておかないといけなかったりします。「すいません、わかりません」と言うことは簡単ですが、そこに逃げて甘んじてはいけません。

お客様先でも、いざ説明を振られても大丈夫なような仕事をいつもしておけば、その分成長していくのです。「説明できません」と若手が言うと、先輩・上司は「しょうがないな」と言って説明してくれたりしますが、自分が仕事を任されている意味があるのか自問すべきです。

 あなたがその仕事を任されている、ということは、その組織であなた以外にその仕事をしている人がいないということです。だから、たとえ小さい仕事でもその仕事をしっかりと仕上げなければいけませんし、何か問われたときにはきちんと説明しなければいけません。相手が先輩であっても、社長であってもです。  それが責任を持つ、ということです。