「考えて仕事をする」からこそ最小の労力で最大の成果が得られる

なぜ考えて仕事ができないのか

「考えて仕事をしろ」「もっと考えろ」と言われたことがある人は多いと思います。私も昔は言われたことがあります。ですが、そうは言われても「もっと考えろと言われても何をどう考えればいいの?」と思っていました。

ですが、自分の周りを見ると「頭の回転が速い」人がいます。難しい問題でもすぐに解決策を打ち出したり、なんでそんなことまで考えが及んでいるのだろう、と思うような先輩がいたりします。いわゆる、優秀な人達です。

そのような人を見て、ほとんどの人は「あの人は優秀だから」「あの人とは頭の作りが違うから」自分には真似できない、と思っています。確かに天才的に頭が回転する人はいますが、そのような人はごくひと握りです。

優秀な人たちと普通の人たちの、いわゆる頭の良さの差はほとんどないと思っています。いわゆる頭の良さで仕事の優劣が決まるのであれば、仕事ができるできないは偏差値順にならぶはずです。ですが、そうではありません。

私がここで、「いわゆる頭の良さ」と表現しているのは、中学・高校の勉強、大学受験での偏差値による頭の良さを指しています。大学受験までは、テストで高得点を取ることが「頭がいい」ということになります。

日本の教育は偏差値で順番が決められて、入った大学によってランク付けされ、それが社会に出た後にまでついてまわります。なので、高校での勉強、受験を経ての大学入学時点で勝ち組だの負け組だのと言う話になってしまいます。

そして入社した会社がどこだ、ということでまたさらに勝ち組だの負け組だのと言います。

20歳そこらで社会に出て、その倍の40年間も仕事をしていくのに、1年目から勝ち負けが決まるのでしょうか?

偏差値教育の結果を社会に出た後にまで引きずっているので、「自分はこんなもんだ」「◯◯大学のやつにはかなわないんだ」と思っている人が多いのが実情と思います。

そうではありません。ビジネスの世界はビジネスの世界です。テストで良い点数を取るのと仕事で成果を出すのは同義ではありません。

なぜ考えて仕事をすることが重要なのか

『6時間で木を切れ、と言われたら、最初の4時間は斧を研ぐ時間に費やす。』

これは、第16代アメリカ大統領のエイブラハム・リンカーンの言葉です。

この「斧を研ぐ」という意味は単に物理的に斧を研ぐということではなく、仕事に取り掛かる前には、しっかりと周到な準備をしてから取り掛かろう、という意味だと解釈しています。今の仕事だと、「効率化につながるアプリを導入する」とか「しっかり考えて作戦を決める」ということになります。

この考えるという行為がとても重要です。

目の前にある100本の木を切るとします。物理的に斧を研いで切れ味を上げておくのはもちろんのこと、この100本の木をどのように切っていったら最も効率的に速く確実に切ることができるか、ということを考えてから木を切る作業に取り掛かるべきです。考えることが大きな成果を生み出すことにつながります。

何も考えずに木を切り始めると、1本の木を切る時間 ☓ 100本 の時間がかかります。さらに、疲労することを考えると更に時間がかかることが想定されます。

例えば、この100本の木を木の配置から10個のロットに分けて、木に切り込みを入れて上にある木を切って倒し、その下の木は、その倒れてきた木の力で倒します。そうすると時間と労力が削減されます。

これが戦略です。

1本の木を切る力を1とします。100本の木をすべて1の力で切ると100の力が必要です。

先ほどの作戦で木を切るとき、木に切り込みをいれる力を0.6とします。そして一番上の木だけ1の力で切ります。ひとつのロットは0.6☓9本+1=5.4+1=6.4です。これが10ロットあるので全部で64の力で100本の木を切ることができます。100の力と64の力です。差は36(%)です。

いい戦略を考えられるほど効果は大きいです。ですが、効果の高い戦略を考えるのに時間がかかりすぎては意味がありません。考えている間に100本の木を切ってしまった方が速い、となってはいけません。

深く考え、それを速く考えないといけないのです。

仕事で成果を出せるかどうかは、「いかに深く考えるか」、そしてそれを「いかに速く考えられるか」です。

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