メンバーに与えた時間とカネは返ってこない・・・ ~パーキンソンの法則
年末に全国で行われている工事、これって何のためかというと、余った予算を使い切るためです。
(必ずしもこれが正解かどうかは分かりませんが、この記事ではその正解を追求するのが目的ではないのでその議論は割愛します。)
これに対して多くの人は、カネの無駄遣いと文句を言っています。私もだいたい年末に工事渋滞にはまると、同じように文句を言っています。
ですが、そんな文句を言っている人たちの身の回りでも同じようなことが行われているのです。
例えば、会社(部門・課)の年度の予算が余ったから、
- 備品を買う
- テレビ会議のテレビを新調する
とか、よく聞く話です。
個人レベルでも、
- 今年はボーナスが増えたから、いい時計を買った
- 臨時ボーナスをもらったから、ちょっと旅行に行ってきた
- 年収の多い人は旅行でビジネスクラスに乗る
とかもあります。
つまり、「入ってきたものは使ってしまう」のが人間の性なのです。
リーダーなる人は、
- これが是か非かを議論するのではなく
- これが人間の性
と理解しておくべきです。
これがパーキンソンの法則です。
パーキンソンの法則とは
簡単にいうと、
ひとは、もらったら、もらった分だけ使ってしまうのです。
Wikipediaにはこのように書かれています。
【第1法則】
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
【第2法則】
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
すなわち、
- 1ヶ月という期間を与えたらならば、その期間を使いきってしまい
- 500万という予算を与えたならば、その予算をつかいきってしまう
ということです。
身の回りを見てみるといくつか思い当たるところがあると思います。
リーダーの立場からすると、
メンバーに与えたものはすべて使われてしまう
と思っておいた方がいいです。
メンバーの言い値の時間にはかなりのバッファーが積まれている
「この仕事、いつまでにできる?」
と私が言われたら、
確実にできる時間 + 何かがあってもリカバリーできる時間
を答えます。
例えば、
半日でできるな
と思っても、それにバッファーを積んで
1日として
さらに
予備の1日
を追加して、
「2日くらいあればできます。」
と答えます。
誰しものんびり仕事をしたいですし、やるといった期限を超えると評価が下がるので確実にできる期限をいいます。
では、リーダーはどうするのか? ~ふたつの方法
メンバーに与える時間とカネはリーダーがコントロールするのです。
2つの方法があります。
① 自分がその作業の時間が想定できる場合は、その時間を設定すること
その仕事の大体のイメージをリーダーが理解できていれば、自分が想定する作業時間をメンバーに与えるのです。
バッファーを含まずに時間を与えるのです。
何かあった時のバッファーがリーダーが抱えておくのです。メンバーに与えてはいけません。
メンバーにバッファーを与えてしまうと、チーム内のバッファーが大きくなりすぎてしまうのです。
② 自分がその作業時間を想定できない場合は、メンバーの言い値の時間の半分の時間を打診して、折衷案を決める。
必ずしも、メンバーの仕事のすべてをリーダーがイメージできるとは限りません。
そんなときは、メンバーが言ってきた作業時間の半分でできないないかを打診しましょう。
たぶん無理です。
そこで、そこから
- 何が無理なのか
- どれくらい無理なのか
- どれくらいの時間であればできるのか
を議論してみてください。
メンバーが積んでいたバッファーが明らかになります。 そのディスカッションの結果を作業時間としてメンバーに与えるようにしましょう。
バッファーの時間は、使わなければムダな時間となります。
チーム内のバッファー時間をいかに少なくするかがリーダーの仕事でもあります。