木を切る前に斧を研ぐ ~始める前の準備が大切~

もし、木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう。

アメリカ第16代大統領のエイブラハム・リンカーンの言葉です。 これは、「何事も始める前の準備が大切だ」という意味ので引用されることが多い言葉です。

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 言葉尻だけを捉えると、結局6時間は同じじゃん、4時間も斧を砥ぐのは時間をかけすぎ、といったコメントも出てきますが、本質はそこではありません。

 ボトルネック、クリティカルパス、リードタイム、スループットという言葉とつながります。

 斧の歯がボトルネックで、斧を砥いで木を切ることがクリティカルパスで、そのリードタイムを短縮して、スループットを上げる、と。ボロボロの斧で木を切ると、リードタイム短縮できず、スループットが上がらなくなります。また、クリティカルパスで、問題が起きたときには大きな影響が発生するのです。

また、別の言葉を使うと、KFS(Keys For Success)です。KFSとは、目標達成のために決定的に重要となる要因です。斧の鋭さがKFSとなります。

つまり、本質的には、このようなことを見極め、どこを重要視するか、ということです。

期限に迫られて、非効率と思われるやりかたで一生懸命やっている人に、

「一回、立ち止まって整理して作戦を立て直した方がいいんじゃない?」

というと、

「そんな時間ありません。期限まで時間がないんです。」

と答えられることがあります。

 ボトルネック、クリティカルパス、KFSが見えてないのだなぁ、と感じてしまいます。   仕事は42kmで設定されたコースを走る必要はありません。そこにあるゴールテープまでの最短のコースを見つけて走っていいのです。42kmのコースを走るなら、1分1秒でもムダにしたくない、という思いになってしまいますが、スタートして最初の10分で地図を広げて最短のコースを見つけてそこを走ることがベストです。

時間のない中で着手する前に立ち止まるのは不安を感じると思いますが、結果的には最初に立ち止まる方がいい結果がでます。不安を押し殺してでもトライしてみてください。