どうしたら、思考の「速さ」と「深さ」を両立できるか?

「もっと深く考えろ」と言われると、「では、それなりの時間が必要です」と言ってしまいがちです。

時間をかければ深く考えられて、いい答えがだせるのでしょうか?

私の答えはNoです。

考えるのに「時間が必要」という人はとりあえず考え始めて、頭の中で右往左往しながら考えています。そして、どこに向かうかも明確になっていないので、時間が来たところでそのときに最適と思う答えを出します。考え尽くしたかどうかもわからない答えです。

一方、速く深く考えている人はアプローチが全く異なります。考えるべきポイントを自分なりにしっかりと明確にして、そのポイントについてだけ深く考えるています。逆に、重要なポイント以外については考えません。つまり、考えるべきポイントを絞り込んでいるので、考えるという行為にそんなに多くの時間は必要ではないのです。

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「考えるにはもっと時間が必要です」と言われたとき、私は「何を考えようとしているの?」と聞きます。それは何を考えるべきかのポイントがわかっているかの確認をしています。

ですが、その「重要なポイントがわからないから時間がかかるのだ」という意見もあります。確かにそうです。重要なポイントがわからないと時間がかかります。

そのために必要なのが、考える枠組みです。つまり、思考のフレームワークです。

思考の枠を決めずに適当に考えると、次の図のようなイメージとなります。深く考えるところもあったり、浅く考えるところもあったり、とりあえず、幅広くは考えるものの考慮漏れがあったりもします。深く考えたところも浅く考えたところも意図的ではなく思いついた結果でしかありません。

全体をおさえて、優先度を付けた上で考えないところも決めるため、ムダには考えません。浅く考えるところも、深く考えるところも意図を持って決めるのです。 考える時間が同じであったとしても、ムダに考えないと決めたエリアの思考の時間を深く考えるエリアに割り振ることができます。すなわち、そのエリアについてはより深く考えることができるのです。考える時間の総量は変わらないですが、その時間をどこに割り振るかを決めることで変わるのです。

仕事で成果を上げている人たちは、どんなときにも即断即決、頭の回転が驚くほど速く、トラブル処理も複雑な問題も次々に解決できるという人たちです。

こういう人たちを観察していると、生まれつきの天才というよりは(もちろん、天才も一部いますが)ある考え方の傾向、クセを持っています。

仕事で成果を出せるかどうかは、「いかに深く考えるか」、そしてそれを「いかに速く考えられるか」で決まります。

「思考のスピードが速い人」と言うと、頭の回転が速く、矢継ぎ早にアイデアを思いつく人を想像するかもしれません。「自分には、天才的ひらめきは降りてこない」「頭がこんがらがって、整理するのが苦手」とコンプレックスがある人もいるでしょう。

私は、生まれ持った「頭のよさ」と「思考のスピード」は、まったく別のものだと考えています。

考えるための工夫が必要です。

それが、『思考の枠組み』です。

思考の枠組みを作ってから考えることにチャレンジしてみましょう。

思考術の参考書

私が思考術を身につけるのに参考にした本を紹介します。何かしらの役に立つと思います。

私の本も是非ご覧ください。思考のフレームワークを自分で作る本です。