考える枠を決めれば、「あとはやるだけ」!
『2軸思考』という本を出版しましたが、今回はそれに絡んだネタを。
2本の線でその状況に応じたフレームワークを作った簡単な経験を紹介します。
ひとつめは、若い頃に受けたプロジェクト・マネジメントの研修です。その研修で課題が出ました。
「プロジェクト・マネージャーに必要なスキルを10分で洗い出してください」
というものでした。
そして、私はそれが始まってからしばらくの間考え込んでいました。
前半の5分くらい手をまったく動かさずに考えていました。
その様子に気づいた研修のアシスタントから、
「そんなに考えこまなくていいので、思いついたものを書き出していいですよ」
と言われましたが、私はそのあとも手を動かさずに考えていました。
10分後、その研修の講師が言った言葉が印象的で、今でも覚えています。
「最初からまったく手を動かさずにずっと考えている人がいました。どうするのかな?と思ってずっと見ていたら、線を2本引き始めたのです。どのように整理したか、みなさんにシェアしていただけますか。」
といって、私を指名しました。 私が前半の5分で何をしていたかというと、フレームワークを考えていたのです。
プロジェクト・マネージャーに必要な要素を洗い出すためのフレームワークです。 このときは、プロジェクト・マネージャーとして重要な要素を、人間力とマネジメント、そしてそれらがお客様(外部)とチームメンバー(内部)に影響するとして、このような2軸で4象限を作りました。
この4象限の枠が決まれば、自分がプロジェクト・マネージャーとして感じていること、考えていることをこの4象限の中に落とし込んでいくだけです。
もうひとつの経験は、ちょっと前に受けた研修での出来事です。
その研修は、厳しい状況のプロジェクトをどうマネージするか、というケーススタディ中心の研修でした。プロジェクトが置かれた難しい状況がプリントで配布され、研修チームで検討し、解決していくというものです。
そのワークショップの中のある課題で、私が、課題を整理し、検討するフレームワークを作ったときの同じチームのメンバーのコメントが印象的でした。
「フレームワークが決まったから、あとはやるだけだね」
このコメントには、はっとしました。
フレームワークさえ決まれば、あとはその枠に従ってやるだけ。そうです。フレームワークはそのためにあるのです。
無尽蔵に考えればいくらでも考えられます
ですが、時間に限りのあるビジネスの世界では、優先度をつけて考えるべきものを取捨した方がいいです。
その取捨したもので2軸でフレームワークを作れば、あとはその枠に沿って考えればいいだけです。
まずは「枠を作ること」。
本当におすすめです。
ぜひお試しください。
- 作者: 木部智之
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