2軸思考 〜2冊目の出版のお知らせ

構想着手から1年超、「2軸思考」の出版のお知らせです。

複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考

複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考

12/1あたりに書店の店頭に並ぶ予定です。

今回の本のテーマは、ロジカルシンキングを私たちの仕事で実践すること、です。
ロジカルシンキングの本やセミナーで学ぶと、3C、PPMなどといった有名なフレームワークがインプットされますが、これらのフレームワークは私たちの仕事で役に立つことはほとんどありません。

なぜなら、このような有名なフレームワークは、世界的に有名なコンサルティングファームや経営者が産み出したもので、経営改革やマーケティングに使うようなフレームワークばかりです。

でも、そのような仕事についている人はごくわずかです。私自身もシステム開発の仕事に長年従事してきたので、このようなマーケティング用のフレームワークはほとんど使ったことはありません。

ですが、ロジカルシンキングの本質はフレームワークを覚えて使うことではなく、自分でフレームワークを作って自分の仕事の問題解決をすることです。

そのような状況で、自由自在にフレームワークを作る方法を書きしたためたのがこの本です。

線を2本引くことで、目の前の雑多な混乱した状況が整理される。

その方法、アプローチを書いています。

実際に、このアプローチを実践していただけるとお役に立てると思います。

はじめに、に書いていることを抜粋しました。

15年間のトラブルプロジェクト経験から学んだ2つの本質

 私はIBMに新卒で入社以来15年間、主にシステム開発のプロジェクトにかかわっ てきました。そして、その多くは自ら希望して「超困難なプロジェクト」ばかりを担 当してきました。
 入社3年目で初めてプロジェクトマネジャーに抜擢されたとき、海外メンバーたち と仕事をしたとき、そして500人の部下を抱え、巨大プロジェクトをまとめている いま――。残念ながら、資金や時間が潤沢にあったことも、トラブルなくスムーズに 仕事が進んだことも、人材が足りていたことも、一度たりともありませんでした。  一方で、外資系企業において「プロセス」は一切考慮されません。要は、結果を出 すか出さないかです。
「一生懸命頑張ったのですが、時間が足りませんでした」
「要員が足りないので、それはできません」
 こうした言い訳は通用しません。たとえ1カ月後にサービスが開始されるシステム に今日の段階でシステムのバグが100個あったとしても、サービス開始が決まって いるのであればそこに間に合わせるのがプロの仕事です。少なくとも、私はそういう 気持ちで仕事をしてきました。

 2軸思考にたどり着いたのは、そんな「問題が山積している超困難なプロジェクト 現場」での経験からです。
 あらゆるトラブル・問題に遭遇し、チームのメンバーと一緒にどうにか乗り越えて いく経験を積み重ねるうちに、次のことがわかりました。

 それは、
・問題は、シンプルにしないと解決できない
・問題は、書き出すことで解決が速くなる
ということです。

 複雑な問題をシンプルに「構造化」し、書き出して「見える化」する。このたった 2つのことを満たしていれば、あらゆる問題は解決することができるのです。デカル トは「困難は分割せよ」と言い、ビル・ゲイツは「問題は切り分けろ」と言いました。 そして、レオナルド・・ヴィンチは「シンプルさは究極の洗練である」という言葉 を残しています。これらは、あらゆる仕事において真実です。

2本の線を引くだけで、複雑な問題をシンプルに解決できる

 日々発生する問題を解決するためにいろいろな方法を試し、試行錯誤した末に行き 着いたのが、「あらゆる問題を、タテとヨコの2軸で整理して考える」という方法で した。私はこれを、「2軸思考」と呼んでいます。
 2軸思考は、世界一シンプルなフレームワークです。タテとヨコの2本の線を引く だけで、あらゆる問題を一瞬でシンプルに整理し、解決できる魔法のようなツールで す。実際、メンバーが行き詰まっている問題を2軸でシンプルに整理してみせると、 「ぽかん」とされたり、「目からウロコです」と言われることが多くあります。

 2軸でシンプルに整理すると、その問題の重要なポイントがクリアになるので、重 要なポイントに集中して深く考えることができるようになります。その裏返しで「重 要でないこと」も明確になるので、考える必要のないことは切り捨てることができ、 解決までのスピードが速くなります。
 そして、2軸思考の何よりのメリットは、難しいノウハウは一切必要ないというこ とです。生まれつきの頭の良さや仕事経験なども関係なく、誰でもすぐに実践するこ とができます。2本の線さえ引ければ、「3C」とか「PPM」のようなコンサルタ ントが繰り出す小難しいフレームワークを覚える必要もありません。

「フレームワークが使えない」と思っている人にこそ有効  本書は、次のような悩みを抱える人のお役に立てると思います。
・ 「ロジカルシンキング」や「フレームワーク」が大事なのはわかっている。でも、現実の仕事を前にするとどう使っていいのかわからない
・ 考えるのが遅い。いくらビジネス書を読んだりセミナーを受けたりしてみても、考えるスピードが速くならない
・「早く問題を解決しろ」と言われても、考えるには時間が必要だと思っている
・複雑なことをわかりやすく説明するのが苦手。話が長くなってしまう
・ マネジャーになってから一気に解決すべきタスクが増えた。部下からも相談を受けるが、問題が増える一方でどうしていいかわからない

 私が社会人になってからの15年間を考えても、ビジネスの環境は驚くほどのスピードで変化しました。ひとつのプロジェクトのスピードが格段に上がり、個人のタスクも私たちが浴びる情報量もどんどん増えています。
 このような時代にこそ、「いかに速く、いかに深く考えられるか」が成果を大きく左右します。ある問題に直面したときに、「問題に対して単に思いつきで対処する人」と「問題をロジカルにシンプルに整理して解決する人」とでは大きな差がついていくのが、いまの時代なのです。
 2軸でロジカルに考える習慣を身につけると、早い人で1週間、そうでなくても1カ月後には、あなたの周りの複雑な問題をシンプルに整理できるようになり、忙さ やイライラから解放されるはずです。
 これからの時代は、過去に例のない問題が増えていきます。しかし2軸でロジカルに考えれば、もし過去に経験したことのない大きくて複雑な問題がやってきたとしても、いままでよりもずっと短い時間で本質的な解決を導き出すことが可能になります。 そして、感覚や思いつきで仕事をするようなことはなくなります。

12/1前後には書店の店頭に並ぶ予定です、よろしければお手にとって見ていただければと思います。