あなたのチームがジャングルで迷ったらどうするか? ~リーダーシップとマネジメントの違い
想像してみて下さい。
あなたは10人のチームのリーダーです。
あなたのチームは、ジャングルの中で道に迷ってしまいました。
ぱっと見回してもうっそうと覆い茂る木々や草ばかりでどっちへ進んでいいのか分かりません。少し歩きまわっても状況はまったく変わらず、どこにいるか、どこへ向かうべきかまったく分かりません。
あなたのリーダーとしてミッションは、チーム全員で無事にこのジャングルの中から脱出することです。
さて、リーダーであるあなたは何をしますか?
リーダーであるあなたは、
■リーダーシップ
■マネジメント
というものをそれぞれ駆使して、チーム全員でジャングルの外へ脱出しなければいけません。
混同しているリーダーが実に多いのですが、まず最初に、リーダシップとマネジメントは異なる別のものということを言っておきます。
このふたつは明確に違うスキルで、チーム状況に応じて使い分けをしなければいけません。
さて、このジャングルから抜け出すためにリーダーがやるべきことを順を追って説明しましょう。
図にするとこのようなイメージです。
これらのうち、①、②、⑥の青字がリーダーシップで、②、③、④のオレンジの字がマネジメントです。
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーがまず最初に行うべきことは、
① ゴールを設定する
です。どこへ向かうべきか決まっていないチームはまずゴールを設定しないといけません。
そしてゴールを決めたら次は、
② ゴールまでの道を定める
必要があります。ゴールまでの最短距離を進むのか、リスクがありそうなエリアを特定し、そのエリアを迂回する道を進むのか、決めるのはリーダーです。
ここまでが『リーダーシップ』と呼ばれるスキルエリアです。
さて、ゴールとそこまでの道を決めたらその次は、
③ いつまでにどこまで、どうやって進むかの計画を立てる
ことをします。いわゆる、作業計画、プロジェクト計画などと呼ばれるものです。
そして、その計画を実行するための組織(チーム)を組閣するため、
④メンバーの役割分担を決め、チームを作る
ことを行います。
チームが計画に沿って進みだしたら、
⑤計画通りに進んでいるかを確認し、計画通りでない場合はアクションを実行する
ことを行います。いわゆる、進捗管理です。
これら③~⑤が『マネジメント』です。
このように計画に沿って進捗管理をしてゴールまでの道を目指します。ですが、途中、いろいろな困難に遭遇すると思います。チームメンバーのモチベーションが下がり、チーム力が低下することがあります。
そのときに行うのが、
⑥ゴールまでチームを引っ張る、チームを鼓舞する
です。
これは『リーダーシップ』です。
これらを簡単にまとめるとこのようになります。
リーダーシップとは、
● ゴールを決める
● 道を定める
● チームを引っ張り鼓舞する
を行い、
マネジメントとは、
● ゴールまでの計画を立てる
● チームを組閣する
● トラッキングとコントロール
を行います。
次のように例えられることがあります。
● リーダーシップ ⇒ 方位磁針
● マネジメント ⇒ 時計
リーダーシップとマネジメントを使い分けよう
このように、リーダーシップとマネジメントは異なるふたつのものです。
リーダーがチームを任されたとき、リーダーシップとマネジメントの2つのスキルを使わなければいけません。
では、どちらをどれくらい使うのか?
それは完全にチームの状況に応じます。プロジェクトの立ち上げ時にはリーダーシップでチームの目標を定めつつ、計画を立案しなければなりません。
プロジェクトが順調に進んでいるときは、進捗トラッキングが主な仕事になります。しかし、ひとたびトラブルが発生するとリーダーシップを用いないといけない局面がやってきます。
どの局面でどちらのスキルを使うのかを意図的にコントロールすることが重要です。
バランスです。
ということを考えると、人によって、得意なエリアが違うと思います。マネジメント系が得意なリーダーと、リーダーシップ系が得意なリーダーがいると思います。
今時点、自分がどちらが得意か、どちらのスキルを伸ばさないといけないのか、を見定める必要があると思います。
どちらかだけでは、成果を出すリーダーにはなれません。
リーダーにおすすめする本
リーダーにおすすめの本をこちらの記事で紹介しています。ご参考までにどうぞ。