報告のベクトル(方向)は下から上にするべき

組織が組閣されると報告という行為が必要になります。
報告には活動報告、進捗報告、状況報告、完了報告などがあります。

報告の方法としては、 報告書といったきちんとしたドキュメントでの報告や、メールや口頭での報告もあります。

さて、今回は、その「報告」の方向について書いてみたいと思います。

管理者、リーダー、マネージャーというポジションにある人は、 この報告というものの方向を意識したことはありますでしょうか。 言葉を変えればベクトルです。

報告のベクトルは下から上であるべきです。 そんなの当たり前だろ、下のメンバー/部下が上司に報告するもんだから、と思う人は多いと思います。

ですが、実際にそうなっているでしょうか?

報告のベクトルが下向きとは

私は13チームを下にかかえるリーダーのポジションなので、自分の下のチームリーダーにそのチームの状況、タスクの状況を聞くことがあります。

そのときに、「ある」言葉を発したら指摘するようにしています。

その言葉とは、
「まだ確認できていないので確認します」
です。

この言葉のどこに問題があるのでしょうか。

「確認できていない」という言葉です。

実は、これは報告のベクトルが下向きなのです。

リーダーがメンバーに報告を聞きにいく、というベクトルなのです。

このベクトルのチームリーダーに、何が起きるかというと、リーダーが自ら動かないと状況がわからない、という状況になり、リーダーの仕事がどんどん増えるのです。

では、どうするのか?

報告のベクトルが上向きにする

メンバーから報告をさせるのです。こちらが聞かなくても報告が上がってくるようなプロセスとマインドにするのです。 ベクトルが上向きというのはそういう意味なのです。

f:id:vekitomo-0:20170131140635p:plain:w250

先ほどの、
「まだ確認できていないので確認します」
はどうあるべきか。

例えば、
「まだ報告を受けていないので確認します」
という表現であれば、ベクトルが上向きなんだな、と感じます。

リーダーが細かいレベルまで常に状況がわかっている必要はありません。
週一回の報告サイクルであったとすれば、週一回で受けるのですから。その上で、途中で状況確認が必要となったら、そのときに自ら確認に動けばいいのです。

週一回の頻度では十分でないときは、報告スパンを短くすればいいのです。

例えば、私は13チームを見ているのですが、あるタスクについては10チームは週次での報告にしています。ですが、3チームに関してはアテンションを上げているので、日次での報告を受けることにしています。
日次にしていると、問題・課題をすぐに検知でき、アクションをタイムリーに打つことができます。
もっと細かくマネージするときは、朝と夕の1日2回のチェックポイントを設けます。

では、全チーム日次にすればいいのでは?と思いますが、それは過剰です。

報告という行為はワークロードがかかるものです。ある程度、自分たちでマネージできる状態のチームはそのリーダーに任せておいた方がいいです。そのほうがチームやメンバーの成長にもつながります。

以前、セミナーをやったときに質問を受けたことがあり、
「部門のメンバーの状況が把握できていないのでどうしたらいいですか?」
という質問を受けたことがあります。

話を聞くと、報告の方法、プロセス、頻度が決まっていませんでした。
その方が、自分から報告を聞きにいっていました。

ということで、
「報告のフォーマットとサイクルを決めて、メンバーが自分から報告をするプロセスを確立してはどうでしょうか?」
と提案しました。

報告のベクトルは下から上です。配下のリーダー、メンバーから報告があがってくるようにしておきましょう。
「報告のベクトル」はあまり意識はされないですが、実は大事な観点です。

リーダーにおすすめの3冊

私がいつも若手に進めている本をリーダーシップに関連する本を紹介します。

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方: 一人ひとりの能力を100%高めるマネジメント術 (知的生きかた文庫)

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方: 一人ひとりの能力を100%高めるマネジメント術 (知的生きかた文庫)

アメリカ海軍で、最もダメだったチームを最も優秀なチームへ変革した実話ベースの話。とても参考になります。

1分間マネジャーの時間管理

1分間マネジャーの時間管理

リーダーが仕事(モンキー)を背負って忙しくなってはいけません、という本で、私の中ではリーダーの必読書です。

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の言葉

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の言葉

人を動かすときの心の面で役に立つ話が多いです。読んでいても心が震えるような場面もありました。