仕事の速さには3つの要素がある ~個人の速さ・チームの速さ・段取りによる速さ
仕事の速さ(生産性)とは
システム開発の世界では、「生産性」という言葉で仕事の速さを表します。
わりと一般的な言葉だとは思いますが、どこまで一般的かわからないので、ここでは「仕事の速さ」という表現で生産性について語ります。
「仕事の速さ」とは、単位時間あたりにこなすことができる仕事量で表せます。 1時間、1日、1ヶ月といった単位で、どれくらいの仕事ができるかです。
仕事量を測る単位としては、システムのプログラムであれば開発できるステップ数(ざっくりいうとプログラムの行数)や、営業であれば顧客訪問の回数、もしくは契約獲得の数などがあります。
- より多くの仕事ができるということを、仕事が速い
- 多くの仕事ができないことを、仕事が遅い
といいます。
ここまでは普通ですね。
私はこれに、「仕事の質」も含めて考えています。
簡単な仕事を多くこなすことと、難しい仕事を多くこなすこと、同じ成果ではないですよね。
さらに、「コスト単価」も含めて考えています。
役職がついているシニアな人と、新人ホヤホヤの人が同じ仕事を同じだけこなしたとしたら、それは同じ価値ではないですよね。
これらを総合すると、
- 時間
- コスト
- 量
- 質
この4つのバランスで「仕事の速さ」を考えることができます。
より少ない時間・コストで、より難易度の高い成果を多く産み出すことが最も価値があります。
図にするとこんな感じです。
仕事の速さの構成要素を分解してみる
では、仕事の速さは何に左右されるでしょう。
わたしは、仕事の速さは、大きく分解すると次の3つの要素から構成されると考えています。
- 個人個人の速さ
- チームとしての速さ
- 段取り・仕組みによる速さ
それぞれの仕事の速さのテクニックは、今後、紹介していきます。
今回は、ざっとそれぞれのキーワードを書いておきます。
個人の仕事の速さ
まず、誰もが取り組まなければならないことは、自分自身の仕事を速くすることです。
個人の仕事の速さは次のようなものに依存します。
- もっている業務スキル、ITスキル
- ロジカルシンキングなどのビジネススキル
- 手の速さ、頭の速さで生産性が向上
- 手の速さは、物理的速さで各種ショートカットキーの習得など
- 頭の速さは、ロジカルシンキングなどの普段のトレーニングにより向上させる
- 個人個人の努力により向上させる生産性
チームの仕事の速さ
チームの仕事を速くすることがリーダーの仕事のひとつです。
チームの仕事を速くする観点はこちらです。
- スキルに応じたタスクのアサインを行うことでチーム内の最適化を行う
- チーム内の優秀なメンバーに、肝となるタスクをアサインする
- TOC理論*1を適用し、チームとして最大限のスループットが得られるようにする
- ボトルネックを見極め、ボトルネックに対するアクションを取る
- 優秀なメンバーを集めることもチームの仕事を速くする重要な要素である
段取り・仕組みによる仕事の速さ
こちらの記事で紹介したように、仕事は段取りが命です。 vekitomo-0.hatenablog.jp
戦略なくして、むやみに仕事に飛び込むのはやめましょう。
- ゴールへの最短距離を考え、作業の順序を決定する
- ツールなどを導入し、単純作業を自動化する
- 開発メソドロジーは集団作業の品質と生産性を向上させる仕組みである
- すぐに手を動かすのではなく、まずは、考えて、戦略を持ってから動くこと
- 個人としてもチームとしても取り組むべきエリアである
まとめ
今回紹介した3つの仕事の速さを究極に具現化しているのが、F1のタイヤ交換です。
- 個人個人が自分の仕事を速くする
- チームとして仕事を速くする
- 作業の段取りによって仕事を速くする
これらの仕事を速くするテクニックはたくさんあるので、これから徐々に紹介していきます。
後日追記
個人の速さ、チームの速さをあげるポイントについて記事を書きました。
*1:Theory of Constraint(制約条件の理論):エイリヤフ・ゴールドラッドがザ・ゴールで提唱した理論。まだ「ザ・ゴール」を読んでいない人は読んだ方がいいです。ビジネス必読書です。