時間は誰にでも平等なもの ~24時間365日はみんな同じ
「忙しい」「時間が足りない」と思っている人は多いと思います。 本当にそうでしょうか?
ある一面では正しいですが、実は間違いです。
私はこれまで多くの人を見てきましたが、いわゆる「偉くなっている人」は仕事がたくさんあって忙しそうなイメージがありますが、実際に見てみると忙しそうには見えません。ですが、仕事はたくさんあります。 一方で、ずっとポジションが上がらない人は、自分の目の前の仕事に精一杯で「忙しい」「時間が足りない」といっています。
40歳、50歳にもなってくると、同期入社でも社内でのポジションに大きな差が出てきています。その差を見ると、目の前の仕事に忙殺されてアップアップしている一方、ポジションが上がっている人は、多忙であるはずなのに、どこか余裕を感じます。懐が広い、といってもいいでしょう。
時間は誰に等しく1日24時間、365日あります。
毎日毎日、時間に追われて仕事が片付かない人。余裕に見えながらも結果を出し、社内でのポジションも確立している人。何が違うのでしょうか。 ビルゲイツはたくさん本を読むことで有名です。いまでは第一線を退いていますが、あれほどの企業のトップを勤めていながら本を読む時間を確保していたというのはすごいことだと思います。
偉くなっている人、成果を出し続けている人は時間の使い方が上手です。どこに時間の使い方違いがあるのでしょう。 限られた時間を何に使うかという判断。そして、同じ時間の中でこなす仕事の量と質なのです。
逆にいうと、タイムマネジメントができなければ大きな仕事、大きな役割を担うことはできない、と言うこともできます。
私のポリシーとして持っていることがあります。そのひとつは、「要は気持ち」ということです。私自身は気持ちを全面に押し出して仕事をするタイプではありません。むしろ、気持ちの部分があまり見透かされないようにしています。 ですが、内面では、こだわる気持ち、負けない気持ち、逃げない気持ちなど、自分なりに強く持つようにしています。
元プロ野球監督の野村さんがいっている言葉で、
一流かそうでないかは紙一重
気持ちとかそういうところで差がでる
というのがあります。
キャリアを重ねるごとに、本当にそう思うようになってきました。 本書では、気持ちの面を語ることが出てきます。表面的なテクニックやスキルも大切ですが、最後は気持ち、だと思ってます。
大変なことを大変と思わない、とか、極めて厳しい局面から逃げないと踏ん張る気持ち、自分は何としても成功してみせる、などという気持ちです。
例えば、私は、「忙しい」と「お疲れさま」は言わないように決めています。忙しいとは心を亡くすと書きますし、お疲れさまは、誰もが使う一般的な挨拶にはなっていますが、「疲れていること」を前提にしたネガティブな言葉に思えてしまうからです。
自分が発する言葉は自分の内面を出してしまうことなので、できるだけネガティブな表現は使わないようにしています。
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仕事の基本はきちんと学ぼう ~見よう見まねの我流はだめ~
最近、中堅レベルのメンバーを見ていてよく感じるのは、見よう見まね、先輩・上司のやり方を真似してきた、という人が多いということです。
例えばでいうと、資料作成です。
私がいまの環境に入って、最初に感じたのは「資料」がちょっと違う、でした。
私自身は、資料作成、ドキュメンテーションの勉強をしてきて、いわゆる「ビジネスドキュメンテーション」の知識とスキルを持っていますが、その知見・経験と見比べると違和感を感じる資料なのです。
で、さらに違和感を感じたのが、みんながそのような資料を作っているのです。
簡単にいうと、その組織の人達がお互いに見よう見まね、真似して資料を作り合っているので、ひとつのやり方として定着しているのだという結論に達しました。
独自性を持つことが悪いといっているのではありません。
世の中に広く浸透している、いわゆるビジネスドキュメンテーションの基礎を学ばずに、見よう見まねをしている点がダメだと思っています。
基礎、基本を知った上での独自のやりかた、特徴を出すというのはもちろん良いと思います。
ドキュメンテーションは一例です。
ロジカルシンキング、リーダーシップ、ネゴシエーション、技術スキルなど、まずは基本を学びましょう。 学び方は研修や本があります。ちなみに私は「本」派です。
私の机には、何冊も本をおいています。私自身はもうあまり読まない本ばかりですが、「本を読もう!」という若手・中堅向けのメッセージとしておいています。
それを見て刺激を受ける人が何人かでもいれば、と。
私のおすすめの本を紹介した記事リンクを貼っておきます。ご参考になれば。
集中セッションのススメ
とある、重要なプロジェクトが12月に次の局面に進んだので、その局面の最初に3日間の集中セッションを行いました。 その局面を進めるにあたっての、最初の基本コンセプトづくり、方針策定等々がテーマでした。
なおかつ、このセッションは外部のレンタル会議室を借りて実施しました。
まず結果からいうと、とてもいいセッションとなりました。その理由がいくつかありますので、今回はそのことについて書いてみたいと思います。
外部会議室でやることのメリット
今回は、普段のオフィスを離れて、あえて外部の会議室をつかいました。 これは環境を変えることで、いつもとは違うことを集中しておこなう、という雰囲気づくりのためです。 これはとても大切で、参加者の意識を集中させるためでも有効でした。 また、セッションへの参加者だけがこの会議室に集まるので、普段発生する仕事の横ヤリがまったく入ってきません。
もうひとつこだわったポイントがあります。
それは、おしゃれな会議室にしたことです。ネットでさがすとThe会議室というものがたくさん出てきますが、今回は、カジュアルな雰囲気のレンタル会議室でソファーもついてるようなところにしました。
これも効果的でした。みんなの発想が広がったと思います。自由に、広く発想できたと実感として思っています。
ロケーションは大阪ですが紹介しておきます。
セッションの効果ー①
まず本来の目的であったコンセプトづくり、方針作りは予定どおりできました。効果としては、これらが短期間でできたと言うことです。
いつものオフィスで普通にやっていたら、もっと日数がかかっていたはずです。理由はいくつかあります。何かしらの要因 (別の会議とか)でメンバーが揃わなかったり、とか、結局横ヤリが入ってきて集中できない、とかです。
3日間でここまで作れたのは充分、というものができました。
セッションの効果ー②
もうひとつの効果は副次的な効果です。
メンバーの意識が高まったことと、チーム力が向上したことです。
いつも以上にみんながまとまって作り上げたおかげでこのような効果が生まれました。これは、この先のプロジェクト運営にとってとても良いものとなります。
実は、副次的とはいいつつも、最初から狙っていた効果です。
ラフな雰囲気作りが大切
このようなセッションを行うときは、ラフな雰囲気作りをするのが最大のポイントとなります。いわゆるブレストと一緒です。
まず、服装。できればスーツでなく、カジュアルで集まった方がいいです。 あとは、お菓子を用意しておくこと。タリーズなどのコーヒーポットもあると最高です。
そして、最終日は午後の早めに切り上げるようなタイムスケジュールにしておくといいです。
この集中セッション、本当に真面目にやるとめちゃくちゃ疲れます。最終日まで夜遅くやるよりも、明るい時間に「終わったぁ~」と終われるのが理想です。
そのためには、セッション中のタイムマネジメントがポイントになります。今回であれば、1,2日目は当初のスケジュールよりも進まなかったので、予定を延ばして夜まで実施しました。その結果、最終日は明るい時間に予定通り終了できて、みんな晴れやかな気持ちで、気持ちよく解散することができました。
こういった外部環境での集中セッションはとても効果があります。何かの重要なポイントで実施してみるといいと思います。
ガジェット用の必須アイテム
最近では、持ち歩かないといけない電子機器ーガジェットが増えてしまってきています。 最近っていっても、ずっと前からですが。
私自身は、アナログ派でできるだけ手帳やらノートは手書きのものを使いたいのですが、仕事環境がどんどんデジタルに流れていってしまっているので、 一人であがいても波に飲まれるだけです。
私の持ち歩きデジタルアイテムは、携帯@個人、携帯@会社、タブレット@個人、PC@会社、PC@個人です。
これらの生命線はバッテリーとネットワークです。
なので、カバンの中には常にこの2つの生命線を保つためのアイテムを入れています。 もうひとつは、いつでもSkype会議ができるように持ち歩いているヘッドセットです。
これらのアイテムを移動中の飛行機の中で写真撮ってみました。
まず、左にある赤いバッテリーは、充電器兼バッテリーでコンセントに指してつかうと充電器で、コンセントがなくてもバッテリーとして使うことができてとても便利です。
そして、「これ便利」と手書きコメントを入れているのがアダプターです。携帯やタブレットによってコネクタの形が違いますが、このアダプターを使うとコードが一本でも複数のコネクタに接続することができて省スペースになります。これいいです。
一番右のアイテムがBluetooth接続のヘッドセットです。 Jabraというメーカーのもので、このジャンルでは有名なメーカーのようです。 ポイントは、持ち運び用でカバンの中に入れっぱなしなので、小さなサイズでも機能が十分であることです。 本当に親指サイズなので、カバンの小さなポケットに入りました。
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いろいろなアイテムを入れているおかげでカバンは重くなり、ちょっと大変ですが、バッテリーとネットワークという生命線が立たれてしまうと、携帯、PC、タブレットを持ち歩いている意味がなくなってしまうので、悲しいですが仕方ありません。
会議がムダに終わってしまう3つのパターン
仕事の中で、大なり小なり会議はたくさんあります。そのたくさんある会議でも、良い会議・悪い会議というものがあります。
悪い会議になってしまったら最悪です。時間と労力がムダになってしまいます。
良い会議となるポイントはいくつもありますが、今回は「会議の参加者」に焦点をあててみましょう。
効率のいい会議をするには、適切な参加者を集めることが大切です。 「参加者」によって、ムダな会議になってしまう3つのパターンがあります。
無用に人数が集まっている
参加することに意義がある、というような会議はかなり多いです。「みんなで考えよう!」と言って、20~30人が集まる会議もあったりします。ところが実態としては、発言する人は片手で足りるくらいの人数で、他の人は聞いているだけ。「参加しているだけの人」には他の仕事をやってもらったほうがいいでしょう。
参加すべき人が参加していない
あるテーマについて議論をしたいのに、そのテーマについての有識者が参加していないときは、持ち帰りや後日確認事項が増え、十分な議論ができなくなります。参加すべき人が参加できないときは、その会議をリスケすることも考えましょう。意味のない会議をするのは時間のムダです。
余計な人が参加している
問題を解決するためにブレストをするが、問題に対して文句ばかりをいう人が参加している。このような場合は、建設的なブレストができず、後日、改めてメンバーを変えてブレストをやり直すことになります。 「自由闊達に意見を言ってください」といいつつ、会社の重役が参加しているために、若手が発言できない。ということもあります。 このようなケースも会議の目的が達成されずムダな会議となります。 自分が会議を招集する場合は、ムダな会議にならないよう、開催前に適切な参加者を決めるようにしましょう。
「整理」と「整頓」は同じ?ちがう?
『整理整頓』とはよく言われますが、整理と整頓とは何がちがうのでしょう?
私自身、これまでこの2つの意味の違いを考えたこともなく「整理整頓」とまとめて捉えていましたし、意味も、ごちゃごちゃにとっちらかってるものを綺麗にする、くらいにしか考えてませんでした。
先日参加したセミナーで、整理と整頓について学び、なるほどと思いましたのでまとめてみたいと思います。
整理とは
「整理」という言葉は大辞林 第三版では、次のように意味づけられています。
せいり【整理】 ( 名 ) スル
① 乱れているものをそろえ、ととのえること。 「引き出しを-する」 「論点を-する」
② 不必要なものを取り除くこと。 「小枝を-してから生ける」 「人員-」
③ 株式会社が支払い不能・債務超過に陥るおそれや疑いがある場合、裁判所の監督下に会社の再建を図る目的で行われる旧商法上の手続き。会社法制定により廃止。会社整理。 → 法的整理
ポイントは、②の不要なものを取り除く、というところです。 雑多にとっちらかったものを整える中で、いらないものを捨てる、という「判断」をするのです。
整頓とは
同じように整頓という言葉を調べると次のような意味定義がされています。
せいとん【整頓】 ( 名 ) スル
物事をととのった状態にすること。 「整理-」 「道具類を-する」
これはちょっと補足が必要ですね。
「ととのった状態にする」ということを言い換えると、インデックスやラベルをつける、ということになります。 ここがポイントです。
整理は不要なものを捨てる、整頓は必要なものに対して抽出しやすいようにインデックス、ラベルをつける、ということになります。
図にするとこんな感じ
これらの意味を踏まえて「整理整頓」を図解してみました。汚い手書きですがこんな↓感じです。
パソコンのデスクトップにアイコンがとっちらかっているとき
- 要不要でファイルを整理する(いらないものはゴミ箱行き)
- 残ったファイルをフォルダに仕分けていく(インデックス、ラベル貼り)
という作業がまさに整理整頓です。
整頓整理とは言わない
整理整頓とは、まず、
- いらないものを捨てる
そして
- 必要なものにインデックス(ラベル)を貼る
ということになります。
ですので、整頓整理とは言わずに、整理整頓となるのです。
「整理整頓」と四字熟語のように捉えてる人も多いと思いますが、このような違いがあることを念頭に仕事に活かすといいと思います。
ちなみに、このセミナーはこの本↓の著者さんのセミナーでした。いろいろとタメになりました。
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図解関連でいうと、私はこの本↓が非常に参考になりました。読んでおいて損はない本だと思います。
- 作者: 永田豊志
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すべての仕事の基本、「IPO」を意識しよう
システム開発の世界では「IPO」という言葉があります。アイポと読みます。
これは、
Input(インプット)→Process(処理)→Output (アウトプット)
の3つの頭文字を取ったものです。
すなわち、インプットを処理してアウトプットを作成するというシステムの流れを意味しています。 あらゆるシステムは、このIPOの膨大な組み合わせと連なりで成り立っています。
実は、この構造はあらゆる仕事においても共通です。どんな仕事でもインプット となるものがあり、私たちが仕事をすることでアウトプットが生まれます。そして、 アウトプットは次の仕事のインプットになります。 つまり、いまの目の前の自分の仕事が、誰かの次の仕事のインプットになるということです。
そう考えると、おのずと自分の仕事をどのレベルのものでアウトプットすればいいかを考えるはずです。
つまり、次の仕事のインプットとして適切なレベルのものを出すことで、仕事の ムダを省くことができます。 過度に力を入れすぎたものを作ってしまうとムダに時間と体力をかけたことになりますし、逆に不十分なものをアウトプットしてしま うと次の人の仕事に負荷がかかってしまいます。
「自分の次に仕事をする人を『お客様』と思って仕事をしろ」
私が若い頃に先 輩から言われた言葉です。
社内でも取引先でもこれを意識すれば、粗雑な仕事はで きなくなるはずです。 仕事で人のことを気づかうというのは、「お疲れさま」と声をかけたり仕事を手伝ったりするだけではありません。
どうすれば他の人が楽になるか、他の人が仕 事をやりやすくなるかを考えることが、いまのあなたの持ち場での気づかいになるのです。
気づかいができる、できない、というのは、結構仕事では大切なことだと思っています。
仕事は段取りが重要 〜 「一番時間のかかる仕事」を見極めよう
エレベータの「行き先階」ボタンとドアの「閉」ボタン。どちらを先に押せば最速で行き先階に行けるでしょうか?
答えは「閉」ボタンです。
仕事のスピードは、段取り次第でいかようにも変わります。段取りが命です。段取りとは、言い換えると「仕事をどの順番でするか」ということ。
段取りを考えるときは、次の6ステップで行います。ちょっと複雑ですが、一番大切なのは、「一番時間のかかる作業を見極めること」そして、「その作業を中心に、順番を組み立てること」です。
エレベーターが動き出すまでに一番時間がかかるのが、ドアが閉まる時間なので、先に「閉」ボタンを押すわけです。
【ステップ1】仕事のゴールを決める
まずは、目的は何か、どのレベルで完了させればよいのか、これから取り掛かる仕事のゴールを設定します。
【ステップ2】仕事のゴールまでを作業に分解する
仕事は、複数の作業の積み重ねでできています。着手してから完了するまでを、いくつかの作業に分割します。
【ステップ3】作業ごとの時間を見積る
次はそれぞれの作業にかかる時間を見積ります。10分、1時間、半日、肌感覚で十分です。このレベルで精度を突き詰める必要はありません。
【ステップ4】最も時間のかかる作業を見極める
それらの作業の中でいちばん時間のかかる作業を見つけます。仕事の段取りは、このいちばん時間のかかる作業を中心に組み立てます。
【ステップ5】作業の依存関係を見極める
作業には依存関係があります。“どの順序で進められるか”、“どの作業が並行してできるか”を見極めます。
【ステップ6】作業の段取りを決める
ステップ1〜5までが終われば、最後は、これらの作業をどういった順番でこなせば最速でゴールにたどり着くか、作業の“パズル”をすれば段取りは完了です。この最後のパズルをするときに、いちばん時間のかかる作業を中心に組み立てるのです。 この段取り6ステップは、実は普段の生活の中でトレーニングができます。さまざまな場面で段取りのトレーニングをしておくと、仕事での段取りもこなれてくるようになります。
例えば、コンビニで支払いをするときに、どうすれば最速で支払いが済ませられるかを段取ってみます。弁当とお茶、デザートを買うとき、「弁当を温める時間」が最も時間のかかる作業となります。そのために、まずは店員さんにお弁当をカゴから取ってもらって温めてもらえるように、店員さん側のカゴの端に弁当をおきます。お弁当を温めてもらっている間に他の商品のレジ打ちをしてもらって、会計まで済ませておきます。お弁当が温まったらそれを受け取って終わりです。
こういう考え方を普段の生活からクセづけしていくと、仕事のときにも常に段取りを意識して動くことができます。
仕事の期限は『自分のため』に守ろう
仕事の期限を守らなければいけない、ということは誰もが知っていることです。 では、何のために期限を守らなければいけないのか。
- 契約上の問題
- お客様と決めたから
- 上司に言われたから
など、いろいろと理由があると思います。
ですが、『期限を守る』ということは自分のためでもあります。
一度約束を破ると、泥沼に陥る
約束を破ることを、外資系ではコミット(約束)できなかったという意味で、「デコミット」「デコミ」といいます。 「今期の売上目標は1億円です」「7/31までにこのプロジェクトを完了させます」 など、ビジネスではさまざまなことをコミット(約束)しなければいけません。そして、それを達成すべく、邁進していくのです。 このコミットメントを破るということは、その人の評価・価値を下げてしまいます。外資系企業では、「デコミ野郎」とか「やるやる詐欺」などと揶揄される、最も恥ずかしいことだとされています。 私も、あるメディアに投稿する原稿の期限をデコミットしてしまいました。1月中旬に向けて原稿を提出し、その後メディアに掲載する予定にしていました。しかし、当初考えていたよりも本業が佳境をむかえてしまい、かつ、この本の原稿の締め切りも重なってしまったのです。そのような状況になると、優先度を付けて対応せざるをえず、メディアの原稿の優先度を下げ、予定日までに原稿を仕上げることができませんでした。 ここまででも悪かったのですが、問題はその対応でした。 一度期限を過ぎてしまったことで、どうせ遅れてるし、いつでもいいや、という気持ちになってしまったのです。一度そういうモードに入ると、あとは悪循環です。どんどんToDoとしての優先度が下がり、時間がないわけではないのに、他の仕事ばかりをやってしまいました。結局のところ、当初の予定よりも3週間も遅れて原稿を書き上げることになりました。こんなことを繰り返してしまうと仕事が遅い人間であると評価されてしまいます。 一線を越えてしまうとそれに慣れてしまう。 デコミットしてしまったならば、新たな予定日を明確に決めてそれを絶対に守るべき。これが失敗から得た教訓でした。
デコミットすると信頼を失う
期限を守れなければ、信頼を失ってしまいます。
もっとも致命的なことです。
信頼を失ってしまうと、その後の仕事について懐疑的に見られますし、何かをするに当たっても細かくチェックをされ、報告やチェックポイントといった仕事増えてしまいます。
一方、仕事を信頼されている人は、そのようなことにはなりません。
これは「仕事ができる人が好かれる」といったエコひいきとか、そういったことではないのです。当たり前の感情なのです。
信頼を失わず、今後の仕事をスムーズに進めるためにも、期限は自分のために守る努力をしていきましょう。
仕事を速くするためのおすすめの本
『なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣』
(ケリー・グリーソン:著、楡井浩一:訳/PHP研究所)
「やる仕事が多く、時間が足りない。もっと効率的に仕事をするにはどうすればいいのか?」という万国共通のビジネスパーソンの悩みの解決策を具体的に記している本です。世界15カ国で売れているベストセラー。
机の整理術、ファイルのまとめかた、書類・メール・電話の処理法、他人に仕事を任せる心得など、今すぐ真似できるスキルやノウハウを紹介しています。この本を読んだあとは、まずどれかひとつでもやってみることがポイントです。
今の仕事に役立っている他のアドバイスもいくつかあります。
『先延ばしにしない技術』
(イ・ミンギュ:著、吉川南:訳/サンマーク出版)
これは私がまだ「仕事をスピードアップするとミスにつながるのでは?」「仕事が速いことは重要なこと?」と思っていた頃に、仕事が速くて判断力もある役員の補佐を務めて、自分もスピードを追求してみようと思った時期に読んだ本です。
ひと言で言うと、「今すぐやりなさい」という内容です。平凡な人とデキる人の違いは、すぐやるかやらないか。
本書で強く印象に残っているのは、「速く決めて、速く動く」「一度で終わらせる」などの行動指針です。「先延ばしにしない」ことでのメリットが実例に沿って語られているので、自分もやってみようという気持ちになり、実践したことで確実に効果を得られました。
『1分間マネージャーの時間管理』
(ケン・ブランチャード、ウィリアム・オンケンJr、ハル・バローズ/パンローリング)
私が若手リーダーに必ず奨める本です。リーダーの必読書と言っても過言ではありません。
リーダーである自分はめちゃくちゃ忙しいのに、ふとメンバーを見るとそんなに忙しくなさそうで早々に帰っていく……というのは、新任リーダーにありがちな光景です。新任リーダーだけでなく、チームの成果がいまひとつ出ていないリーダーがよく陥っている状況でもあります。
その状況を打開するために、この本では 「部下の仕事は部下にやらせろ、リーダーはリーダーの仕事をしろ」と言っています。仕事を「サル」にたとえて、それが「あなたが世話をするべきサル」なのか、「他人が世話をするべきサル」なのかと問いかけるなど、自分と他人がやるべき仕事の境界線をはっきりさせるコツがわかりやすい本です。
『アメリカ海軍に学ぶ最強チームのつくり方 一人ひとりの能力を100%高めるマネジメント術』
(マイケル アブラショフ:著、吉越浩一郎:訳/三笠書房)
自分のチームを強いチームに育てていくのは簡単ではありません。今日、明日で即効的な効果が出るものではないですが、早ければ数カ月でチームが育ち、チーム全体の仕事が速くなります。同時に、リーダーの仕事は格段に減っていくのです。
そのために必要なエッセンスが凝縮されています。
海軍一のダメ軍艦に配属された艦長が、成果の上がらない組織を立て直し、柔軟で自主性にあふれる「強いチーム」をつくり上げたストーリーです。海軍がテーマということで、ビジネスとは関係ないのかな? と思って読みはじめましたが、まったくそんなことはなく、むしろすべての内容に納得と感動の連続でした。初めてリーダーになる人から、大きな組織のリーダーまで参考になることが多い本だと思います。
『考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則』
(バーバラ ミント:著、山崎康司:訳/ダイヤモンド社)
これは5冊のなかでもかなり難易度が高いのですが、ビジネス書の名著として広く読まれているベストセラーです。タイトルは『考える技術・書く技術』となっていて、章立ては「書く技術」から始まっていますが、私は「考える技術」の本だと捉えています。なぜなら明晰な文章を書くためには、明快な論理的思考が求められるからです。
ここまでの4冊とは違って即効性はありません。身につけるのに時間がかかります。
ですが、この「考える技術」を身につければ、物事を論理立てて考える思考力と思考のスピードが身につき、3年後、5年後、10年後にライバルと大きな差を付けらることは間違いありません。
手前味噌ですが
手前味噌ですが、こちらもどうぞ。
通勤電車のスキマ時間を有効に使うためにポジショニングが重要
電車の中のベスト・ポジションを狙おう
私にとって、電車の時間は自己投資の時間なので「どこに陣取るか」が私の学習環境を大きく左右します。私の電車のベスト・ポジションは、ドアと座席の間の白い板があるところです。
この場所がベストな理由は、つり革を持たなくていいからです。白い板を背もたれにすると両手が使えるようになるので、本も読みやすいですし、メモも取れるようになります。 ここ以外で立っていると、つり革を持たなくてはならないため、作業が非効率です。ドア付近なので、混んでくるとスペースがなくなってきて、本を開くスペースがなくなります。 そのときは、体の向きを反対にして、座席側に顔を向けます。こうすれば、本が開けます。
電車で「座るか」「座らないか」を決める
電車移動で席が空いているときにも、ベストポジションを考えます。私はその時の電車の中の過ごし方で座るか座らないかを決めています。
私の移動中の時間の使い方は、大きく分けると、
①本を読む
②考える
③英語の勉強をする
④執筆活動をする
⑤リラックスする
⑥寝る
のどれかです。 そのときの気分や、疲れ具合で決めていますが、スキマ時間を何に費やすか意図的に決めています。 これらのうち、本を読む、あるいは英語の勉強をするときは、電車の席が空いても座らないようにしています。残念ながら座ったらほぼ確実に、寝てしまう体質だからです。 逆に、ブログやメディア向けの記事を書く執筆活動をしたいときは、急行に乗らずに座れる電車を待ってでも座ることがあります。