会議に出たからといって、必ずしも発言しなくてもいい
「会議に参加したからには発言しよう、発言しないのならば参加しなくていい」、ということがよく言われるます。
私も、これ自体は正しいと思っています。ですが、そのつもりで参加しても、結果的にとくに発言の機会がなかった会議があることも事実でしょう。
そのような会議で、「参加したから」といって無理にでも発言することはやめましょう。意味のない不要な発言をしてしまうと、全体としては時間のムダになりますし、下手をするとそのひと言で余計な宿題を発生させることこともあります。
会議が終わろうとしている間際に事情があまりわかっていない上層部の人が「その件は、他の視点からも考慮しなくていいの?」などと思い付きで発言したために、新しい仕事が増えることがしばしばあります。
その人の権限がそれなりに強いと、さらにやっかいです。その仕事に責任があるわけでもないのに、周りの人にムダな作業を発生させてしまうのです。さらに「あの余計なひと言のせいで」と、周りの人のモチベーションも下げてしまうため、仕事はますます遅くなってしまいます。
TPOを見極めて「会議で発言をしない」、というのも参加者の義務だと思います。
若手ビジネスパーソンが忘れてはならない『3つの鉄則』と『仕事を速くするコツ』
仕事は速い方がいいです。間違いなく。ですが、雑な仕事が速くても意味はありません。
いい仕事を速く、これが大切です。
若手が意識すべき3つの鉄則
そのために、若手ビジネスパーソンはまず、次の3つの鉄則を忘れてはいけません。 まだまだ経験値が浅い若手のビジネスパーソンが常に意識すべきこととして、以下の3つがあります。
① 一度で確実にこなすという意識を持つ
確実にこなすことは一見、仕事が遅くなるようにも思えますが、間違いがあれば当然やり直しが求められます。結果的には、一度で確実に終わらせるほうが時間的にも早いのです。どんなときも『絶対に一度で終わらせる』という意識を忘れないことが大切です。
② 1人でやる仕事にこそ期限を設定する
期限を決めないと、どんどん溜め込んでしまうのが人間の習性。早めに終わらせるには、仕事が発生したその瞬間に、手帳にToDoとして締め切りを書き込みましょう。日時の設定は、本来の締め切りよりも1週間ほど早めるのもポイント。ビジネスシーンでは、さまざまな『横やり』が入ってくるのが常です。
③ 期待値を少し超えるくらいの結果を出す
仕事ではさじ加減も大切ですが、まず、若手のうちは常に100%の全力を出すことを続けた方がいいです。そのうえで、大幅に期待値を超える必要はないので、ほんの少しでも成長を感じてもらえるような仕事を心がけていきましょう。
仕事のスピードを速めるコツ
さて、上記の3つを意識しながらも、仕事のスピードも上げていきたいですよね。毎日実践することで確実に仕事のスピードが速くなるコツを紹介します。これはすぐに実践できるものなので、実践してみるとすぐに効果を実感できると思います。
① 手帳の使い方で「うっかり」を防止する
ついやってしまいがちな『うっかり漏れ』を防ぐには、スケジュール管理が何より重要です。使い方のコツは以下のとおり。『忘れてました』と、一度失った信用を取り戻すのには膨大な時間がかかります。こういった工夫をすることで、漏れを防ぎましょう。
- ゆるいToDoはメモページにまとめる
- 終わらなかったToDoは金曜日の夜に書き写す
- 数カ月先の予定も書いておく
- 終わったToDoは取り消し線+チェックで頭から消す
② メールは絶対に1回しか読まない
メールを読んでいると仕事をした気になるものの、その時間は何も生み出していません。メールは絶対に1回しか読まないと決めましょう。そのうえで、読んだメールは他のフォルダへ移動するなどして、開く頻度が一番高い受信ボックスにメールを残しておかないことです。受信ボックスに残っていると、ついつい既読メールをもう一度開いてしまいます。
③ ルーティン作業は最速を極める
仕事が速い人は、あらゆるPC作業を『ショートカット』で完了させています。私も基本的にマウスは使いません。最初は、ショートカットキーを覚えるのに少々苦労するかもしれませんが、その時間は先行投資。慣れれば格段に作業スピードが速くなります。ただし、パワーポイントとかで資料を作るときはマウスを使う方が楽です。
④ 資料作成は8割を手書きで行う
資料作成にかける労力は80%を構想、20%を作成に使いましょう。そうすると最小限の時間でアウトプットができます。ポイントは構想を練る際、『手書き』にすること。やり直しが多い構想段階では、PCを使うほうがむしろ時間がかかってしまいます。まず資料のエッセンスを書き出し、紙上で構想・構造化、最後にPCで完成させるようにしましょう。いきなりPCを開いてはダメです。
⑤ メールは24時間ルールを共有する
メールの返信は期限を決めないと、ついつい延び延びになってしまいがち。これを防ぐためのいい方法は、メールの処理は24時間以内と決めることです。さらに、この24時間ルールをチームで共有すれば、誰かが連絡を止めることもなくなります。
⑥ 図解でコミュニケーションをとる
コミュニケーションは言葉だけじゃなく、図解を加えることにより短時間で確実に相手に伝わるようになります。要は紙に図を描きながら説明するのです。私のチームはこれを徹底したおかげで、コミュニケーションが劇的にスムーズになりました。
⑦ 仕事は途中でチェックポイントを設ける
頼まれた仕事をするとき、または誰かに仕事を依頼するときは、必ず途中でチェックポイントを設けるようにしましょう。こうすることで大幅な修正を防ぎ、結果的に時間短縮につながります。もし、頼まれた仕事でどうしてもわからない内容があった場合、調べることも重要ですが悩みすぎは禁物。遠慮せずにアドバイスをもらいましょう。
⑧「とりあえず」と「いったん」は禁句
ビジネスシーンでは割と使われる『とりあえず』と『いったん』ですが、私はこの言葉は禁句にしています。なぜかというと『暫定的』『一時的』な仕事は、いずれ仕上げの作業が必要になるからです。どうしても仮の対応が必要なときだけに留めましょう。
10年後に差がつく「思考の型」を身につける
最後は今日明日にすぐ効果を発揮するのではなく、将来的に差がつく方法です。いわゆるロジカルシンキングなどの「思考の型」をインプットし20代のうちから実践すると、10年後には必ず今より思考スピードが速くなります。周りとの差も歴然となります。
① 憶測や意見ではなく「事実」をインプットする
最速で答えにたどり着くためにまず必要なのは、『正しい情報』をインプットすることです。人から何かを言われたときは、話を『憶測』『意見』『事実』の3つに分類しながら聞くと、正しくインプットできるようになります。
② 事実を捉えるために「視点」「視野」「視座」を変える
ビジネスの世界では、そんなに簡単に事実を捉えることはできません。そのために『視点』『視野』『視座』を変えるという方法があります。視点とはどこを見るかということ、視野とは見る範囲のこと、視座とは見る立場のこと。この3つを変えながら物事を見ると、事実を捉えることが容易になります。
③「タテ」「ヨコ」の質問で最速で本質にたどり着く
インプットの一つに、人に聞くという方法があります。このとき、良い質問ができれば良い結果が手に入ります。良い質問をするには『何を知りたいのか』を明確にすることと、『タテ』と『ヨコ』の2つの軸の質問を用いることが重要。横方向に『広げる』質問と縦方向に『深掘りする』質問のテクニックを覚えましょう。
④ 数字は「絶対数」だけで捉えない
数字には『絶対数』と『相対数』があります。絶対数は純粋なそのものの数字、相対数は何かと比べての数字。仕事では、より『相対的なインパクトが強いほう』に力をかけるのがいいです。比べる観点のポイントは以下の3つです。
- 「母数」と比べてどうか
- 「他」と比べてどうか
- 「以前」と比べてどうか
⑤ 深く理解するために手書きを使う
一見手間がかかるように見えますが、結果的には手書きのほうがより理解が早いと私は考えています。世界的にもさまざまな実証結果があり、タイピングよりも手書きのほうが記憶を留めやすいと報告されているようです。またデジタル環境では全体像の俯瞰をしにくいこともあり、私はアナログのノートと手帳を使っています。
⑥ ゼロから考えず「型」にはめて考える
思考スピードが速い人は、絶対にゼロから物事を考えません。必ず身につけておきたい思考の型が、MECE(全体像を把握する)、ピラミッド(構造化する)です。
- MECE(ミーシー)…漏れなく全体像を把握するためのフレームワーク。たとえば事業をグローバル展開しようと思ったら、世界地図で各大陸の全体像を把握することがまず必要だということ
- ピラミッド…物事を分類し、階層に分けて整理するフレームワーク。先ほどの例でいくと、世界の大陸を国ごと、都市ごとにそれぞれ分類すること
まとめ
若いうちは、確実に仕事をこなせるスキルを上げてた方がいいです。ですが、それを確実に実践しながらも自分の将来のために種をまいておきましょう。
そうすることで、5年後、10年後に周りと差がついていると思います。
仕事を速くするのに役に立った本の紹介
私が自分の仕事を速くするのに役に立った本をこちらで紹介しています。よろしければどうぞ。
考える枠を決めれば、「あとはやるだけ」!
『2軸思考』という本を出版しましたが、今回はそれに絡んだネタを。
2本の線でその状況に応じたフレームワークを作った簡単な経験を紹介します。
ひとつめは、若い頃に受けたプロジェクト・マネジメントの研修です。その研修で課題が出ました。
「プロジェクト・マネージャーに必要なスキルを10分で洗い出してください」
というものでした。
そして、私はそれが始まってからしばらくの間考え込んでいました。
前半の5分くらい手をまったく動かさずに考えていました。
その様子に気づいた研修のアシスタントから、
「そんなに考えこまなくていいので、思いついたものを書き出していいですよ」
と言われましたが、私はそのあとも手を動かさずに考えていました。
10分後、その研修の講師が言った言葉が印象的で、今でも覚えています。
「最初からまったく手を動かさずにずっと考えている人がいました。どうするのかな?と思ってずっと見ていたら、線を2本引き始めたのです。どのように整理したか、みなさんにシェアしていただけますか。」
といって、私を指名しました。 私が前半の5分で何をしていたかというと、フレームワークを考えていたのです。
プロジェクト・マネージャーに必要な要素を洗い出すためのフレームワークです。 このときは、プロジェクト・マネージャーとして重要な要素を、人間力とマネジメント、そしてそれらがお客様(外部)とチームメンバー(内部)に影響するとして、このような2軸で4象限を作りました。
この4象限の枠が決まれば、自分がプロジェクト・マネージャーとして感じていること、考えていることをこの4象限の中に落とし込んでいくだけです。
もうひとつの経験は、ちょっと前に受けた研修での出来事です。
その研修は、厳しい状況のプロジェクトをどうマネージするか、というケーススタディ中心の研修でした。プロジェクトが置かれた難しい状況がプリントで配布され、研修チームで検討し、解決していくというものです。
そのワークショップの中のある課題で、私が、課題を整理し、検討するフレームワークを作ったときの同じチームのメンバーのコメントが印象的でした。
「フレームワークが決まったから、あとはやるだけだね」
このコメントには、はっとしました。
フレームワークさえ決まれば、あとはその枠に従ってやるだけ。そうです。フレームワークはそのためにあるのです。
無尽蔵に考えればいくらでも考えられます
ですが、時間に限りのあるビジネスの世界では、優先度をつけて考えるべきものを取捨した方がいいです。
その取捨したもので2軸でフレームワークを作れば、あとはその枠に沿って考えればいいだけです。
まずは「枠を作ること」。
本当におすすめです。
ぜひお試しください。
- 作者: 木部智之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/12/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
いろいろ書評いただいています
『2軸思考』が「マインドマップ的読書感想文」で書評紹介されました。
【マインドマップ的読書感想文】という有名な書評サイトで『2軸思考』が紹介されてました。
【2軸?】『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考』木部智之:マインドマップ的読書感想文
なんと、私自身知らなかったのですが、1冊目の本がこのサイトの年間売上第7位だったようです。うれしい限りです。
ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』:マインドマップ的読書感想文
◆今日ご紹介するのは、当ブログにおける2016年の年間売上高第7位のヒットとなった、『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』の著者である、木部智之さんの最新作。
さて、今回の書評で、個人的にうれしい感想としては、
ちなみに「おわりに」で著者の木部さんも言われているのですが、「身につくかつかないかは、やるかやらないかの違い」なのだとか(耳イタシw)。
といっていただいたところです。やはり、スキルは継続してやりこまないと身につかないと思っています。
肩書なしでどこでも通用するために必要な『2つ』のビジネス・スキル
『肩書なしでどこでも通用するビジネス・スキル』って何?ということについて今回は書きたいと思います。
ここでいう肩書とは、「会社名」とか「役職名」だとかいったものです。
有名な会社にいるから、その人が優秀であるとは限らず、いい役職についているからといっても、必ずしもその人が優秀だとは限りません。
そして、そういった肩書なしにでも、「できる人」というように見られたいですよね。
世の中にはたくさんの仕事があり、それぞれに必要なスキルがあります。経理、会計の仕事、人事の仕事、IT関連、自動車関連の仕事などいろいろあり、それぞれの専門スキルがあります。
一方で、どんな業界であれ、どんな職種であれ共通的に必要なスキルがあります。例えば、ロジカル・シンキングやドキュメンテーションなどです。
私はその普遍的なスキルを大きく2つにくくって定義しています。
それは、
- ビジネス・コア・スキル
- ビジネス・リーダー・スキル
です。
『ビジネス・コア・スキル』には、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、ファシリテーション、ドキュメンテーションなどのスキルがあります。『ビジネス・リーダー・スキル』は、大きくリーダーシップとマネジメントで構成しています。
これらがビジネスパーソンに必須の基礎スキルで、業種・職種を問わずに必要かつ必須のスキルだと思っています。
このようなイメージで書き直してもいいでしょう。むしろ、こちらの方がイメージが湧きやすいかもしれません。
どのような仕事であれ、屋台骨となるスキルです。その上に、業界・業務固有のスキルが乗っかるイメージです。
ということはつまり、ベースのスキルがしっかりとできていれば、来月から別の業種の仕事をしてくれと言われても、『業務のキャッチアップに少し時間がかかりますがOK!』と言えるくらいのつもりで今の仕事をすべきだと思っています。
実際、1990年代に危機に陥っていたIBMを経営再建したルイス・ガースナーは、アメリカン・エクスプレス、ナビスコのCEOを歴任し、IBMへとやってきました。ナビスコでお菓子を作っていたやつにコンピューターの会社を建て直せるのかとも言われたらしいですが、見事に再建しました。
ルイス・ガースナーの例は規模がすごすぎますが、どういったポジションであれ、それくらいの気持ちを持ってスキルを身に付けていきたいですね。
ビジネス・コア・スキル ~ 仕事の基礎となるスキル
ビジネス・コア・スキルは、ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキング、ファシリテーション、プレゼンテーション、ドキュメンテーションなど、どんな仕事をしていても使う共通的かつ普遍的スキルです。
まず、ビジネス・コア・スキルとして最も必要なのは「ロジカル・シンキング」です。これなしにはビジネス・パーソンとしての成長はどこかで限界がくるでしょう。
仕事をする上では物事を論理的に考えて整理しなければいけません。
論理的とは何でしょう?Wikipediaで『論理』は次のように説明されています。
論理とは、思考の形式及び法則である。これに加えて、思考のつながり、推理の仕方や論証のつながりを指す。よく言われる「論理的に話す、書く」という言葉は、つながりを明確にし、論証を過不足なく行うということである。
つまり、思いつきではなく、何かの論理に基づいて物事のつながりを示していくことです。
ビジネス・パーソンとしての成長を目指すのならば、必ず身に付けましょう。ロジカル・シンキングの本を読んで理解することはそれほど難しくはありませんが、それを実践できている人はそれほど多くはありません。
むしろ逆にいうと、ロジカル・シンキングを身に付けて実践できれば、まわりの人よりも頭ひとつふたつ抜きん出ることが可能です。
実際に、優秀な人とそうでない人を見比べると、ほぼ当てはまります。
最近、巷ではデザイン・シンキング(デザイン思考)というものが流行りはじめてきています。ロジカル・シンキングと比べるような形で、
「これからの時代はロジカル・シンキングでは立ち行かない」
「これからはデザイン・シンキングだ」
という論調まで出てきていたりします。
ですが、ロジカル・シンキングとデザイン・シンキングは別のものです。デザイン・シンキングはイノベーションを生み出すためのアプローチです。
デザインシンキングという概念を生み出したティム・ブラウン(デザインコンサルファームIDEOのCEO)は次のように語っています。
「デザインシンキングとは、イノベーションを生み出す、人を中核としたアプローチです。人々のニーズ、テクノロジーの可能性、ビジネスとしての成功をひとつに組み合わせるデザイナーの手法から導き出されたものです。」
ですので、どちらがいいとか悪いではなく、それぞれ別物なので、適材適所でどちらも使えるようになるのが望ましいです。
ちょっと話がそれました。
ロジカル・シンキングをはじめとして、ファシリテーション、コミュニケーション、ドキュメンテーションなどのスキルを学び、身に付けて高めることがビジネス・パーソンとしての価値を高めていくと思います。
ありがちなのが、自分が入った業界・業種、会社に特化した仕事のやり方だけを先輩社員から学び、ここでいう『ビジネス・コア・スキル』について、何の勉強もせずにいるキャリア年数を積み重ねてしまうパターンです。
こうなってしまうと、10年、20年経って、いざ他の仕事をやれと言われたときに何もできないのです。転職をしなくても、社内での配置替えなどはいくらでもあると思います。それに対応できないと社内でのその先のキャリアは先細ってしまいます。
ビジネス・リーダー・スキル ~ 人やチームを動かすために必要なスキル
私は、
ビジネスで成果を出す、ということは、テコの原理
だと思っています。
自分一人がひとり分の仕事しかできなければ、それなりです。ですが、より多くの人、より大きなチームを動かせることが、ビジネス・パーソンとしての価値を高めるのです。
5人のチームしかマネージできない人、100人のチームをマネージできる人、どちらの成果が大きいかは明確ですよね。
大きなチーム、多くのメンバーを動かすにはそれなりのスキルが必要です。
そのスキルが『ビジネス・リーダー・スキル』です。
いろいろなリーダーを見ていると、リーダーそれぞれに限界があります。
5人のチームをマネージできても、20人のチームをマネージできるとは限りません。実際に、チームが大きくなったことで回せなくなったリーダーを何人も見てきました。
それは、この「ビジネス・リーダー・スキル」が十分でないからです。
リーダースキルと書きましたが、これは必ずしもリーダーだけに必要なスキルではありません。
仕事というものは、ひとりだけで完結するものはほとんどありません。必ずといっていいほど誰かと一緒に仕事をします。そのときにも必要となるスキルです。
また、若手のうちからこのスキルを学んで実践していくことが、将来、自分がリーダーとなるチャンスが来たときにすぐにものにすることができます。
自分の将来のために種をまこう
ここに書いたスキルを身に付けて実践でき、大きな成果となるには時間がかかります。ですが、これがないと自分の将来の成功はありません。
特に若手であれば、早いうちから取り組んでおくといいと思います。
若手でない人は、「手遅れ」と思ってはいけません。今、思い立ったなら今から始めるべきです。「手遅れ」と思って諦めてしまってはだめです。逆に、他の仕事のスキルが身に付いているので、これらのスキルを学んで身につけるには若手よりも早く身につきます。
誰であれ、年次がどれくらであっても、自分の将来に向けて種をまきましょう。
『2軸思考』が美女読書で紹介されました。しかも、2記事連チャンで。
『2軸思考』が発売されて1ヶ月ちょっとたちましたが、気づいたら『美人読書』というサイトで書評が紹介されてました。
ありがとうございます。
ここの書評で、
実際に使う努力をしなければその領域には到達できない。 身につくかつかないかは、やるかやらないかの違い。
この部分を拾ってくれていて、ここを拾ってくれたのは、書いた本人としては嬉しいところです。
しかも、同じ『美人読書』でもうひとつ。なんと2連チャンで。
ありがとうございます。
「2軸思考」を使うメリットとして、著者は次の5つを挙げています。
① 「悩む時間」がなくなる
② 「即断即決」できる
③ 「新しいアイデア」を生み出せる
④ 「わかりやすい説明」ができる
⑤ 「わかりやすい資料」を速く作成できる
私が実際に使ってみて特に効果を感じたメリットは、①「悩む時間がなくなる」です。
①の効果を感じてもらえたのは嬉しいところです。
ちなみに、先週は、Amazonの本の総合ランキングで47位までいきました。
ありがとうございます。
ここのところブログ更新頻度が上がりませんが、桜の咲く時期には頻度を上げられるようにと思っています。
しばしお待ちください。
成果を出すひとは「なに」を見ているか?
ビジネスにおいて大きな成果を上げる人と、限られた成果しか上げられない人、どこに違いがあるのでしょう。
もちろんいろんな要素で差がついてしまいますが、今回は「ものの見方」について書いてみたいと思います。
成果を出すひとは「もの」の見方が違う
例えば、あなたが何かシステムを作るというプロジェクトに携わっているとしましょう。
- カネ
- 納期/スケジュール
- 品質
という、少なくとも3つの「視点」から、プロジェクトをコントロールしていかなくてはなりません。
時にはトラブルが発生し、早急な対応が求められることもあるでしょう。そんなとき、「視野」が狭ければ小さなトラブルにばかり気を取られ、全体の大きな問題を見過ごしてしまうかもしれません。
また、やっとの思いで対応策を講じ、あなたが報告書をまとめあげたとして、それを見た上司はすぐに首を縦に振ってくれるでしょうか?違う立場の人間がどのような「視座」でものを言ってくるのかを想像できなければ、この難関をスムーズに突破することは難しいでしょう。
そうです。ビジネスで成果を出すひととは、「視点」「視野」「視座」の3つの眼でものごとを見ることができる人なのです。
視点を変えて見る
視点とは、「何の、どこを見ているか」です。
どれだけ視点を変えながら仕事をするかで成果は変わってきます。
同じ風景の写真を前にしたとしても、人によって目が行くところや印象に残るところは違います。また、時間をおいて何回か見るとまた違ったところに目が行くかもしれません。同じものを見ていても、見ている箇所と見え方が違うのです。
例えば、『台風で飛行機が欠航となる』というこの時期にありがちな事象について、いろいろな視点を書き出してみましょう。仮に、羽田発・沖縄行きの飛行機とします。
- 旅行者は、沖縄で予約していたホテルに連絡しなければいけない
- オプショナルツアーを予約していたなら、それもキャンセルしなければいけない
- 沖縄へ出張予定だった人は、訪問先のお客様へ欠航となった旨を連絡し、リスケしないといけない
- 沖縄のホテル側は、来られなかったお客様のキャンセル処理とキャンセル料の調整をしないといけない
- 航空会社は、欠航に対するクレーム処理をしなければならない
- 航空会社は、欠航に対する振替え便の調整をしなければいけない
- 空港は、欠航によって離発着飛行機の予定が変わったので、空港内の飛行機の駐機場を調整しないといけない
- 羽田付近のホテルは、急遽宿泊する人の対応をしなければいけない
- 沖縄の彼女に会いに行く予定だった人は、彼女に電話して状況を伝えないといけない
などなど、これはごく一部ですが『台風で飛行機が欠航した』という事象を題材にしてもいろんな視点があります。
視野を広げて見る
視野とは、「どの範囲でものを見るか」ということです。
どこにフォーカスをあてるか、と言い換えてもいいでしょう。
また、一週間先、半年先、一年先というような時間的な範囲も視野と言えます。
サッカーで視野の広い選手が高い評価を受けるように、ビジネスの世界でも優秀な人は視野が広いです。もちろん、技術を突き詰めているスペシャリスト系の人でそうでない場合もあります。しかし、視野が狭いと狭いなりのマネジメントしか出来ませんから、リーダー・組織を率いる人は特に視野が広くないといけません。
では、視野が狭いとどういった問題に陥るのでしょうか?
視野が狭い人の多くは、些末な問題に力を注ぎすぎ、もっと取り組むべき大きな問題に気づいていません。だから、結果として成果が出ないということになります。残念なことに、こういうことはビジネスの場ではよく見かけます。
実は、視野は「木を見て、森を見ず」という言葉で表現されたりします。
このように言われるときは、たいてい前向きな評価ではありません。
視野が狭いと些末な目先の対応にばかり時間を費やして、本来手がけないといけない大きなものが疎かになってしまうのです。
些末な問題にとらわれている自分がいかに忙しくて大変であるかをアピールしても、まわりから見ると空回りしているだけですから、評価はもちろん同情すらもらえません。こうなってしまう人は、常にそういう感じだと思います。これがその人の行動様式・思考様式になってしまっているからです。
大きな成果を上げるには、まずその行動様式・思考様式から脱却しなければいけません。
異なる視座から見る
視座とは、「どの立場、どの場所から見るのか」ということです。
サッカーで例えてみましょう。同じサッカーボールを見ているにしても、
- 観客としてスタンドから見る
- プレーヤーとしてグランドの中で見る
- フォワードは自分が打ったシュートがゴールに向かうのを見る
- キーパーは打たれたシュートが向かってくるのを見る
- 監督としてピッチサイドから見る
など、いろいろな立場・場所からの見方がありますね。
ビジネスにおいては、組織における立場がおもな視座となります。
ビジネスの世界では、この視座の違いによっていろんな人がいろんなことを言ってくるものです。
同じ社内でも作業担当者の立場や上位マネジメントの立場では意見が異なりますし、お客さんの立場からだとさらに異なる意見になります。 だからこそ、相手の視座に自分を疑似的に置いたり、さまざまな視座に自分を置くことで、様々な観点からものを考えることができます。
そもそも、なぜ視座の違いで意見が変わるのでしょうか?
それは、あなたと上司では責任の範囲が違うからです。
その上司にとってはあなたの報告よりももっと優先すべき問題があるのかもしれません。他にもっと大きなトラブルを抱えていて、そちらにカネとヒトを回さないといけないこともあります。
誰しも自分は自分の責任を全うしなければいけません。
その責任によって戦いや軋轢が生じるのです。
意見が合わないことに対して戦うことは、それは別にいいと思っています。社内といえども戦いがあるのは必然です。プロとして自分の仕事を全うしようとしている証なのです。
しかし、視座をコントロールするスキルが上がると、上位マネジメントへの提案、報告のスキルも上がります。上位マネジメントが何を考えているか、何を言ってくるかを想定して話や資料を組み立てることができるようになるからです。
言われること、指摘されることを想定して論理展開をしておけば承認を取りやすくなりますし、完全にOKとはならなくても条件付きで承認が取れるようになります。
何よりも、却下となって承認取りにもう一度挑戦するとなると体力と時間がかかります。その時間をかけないということも大切です。
見方を変えるトレーニング
視点を変えるトレーニングは、身の回りで気軽にできます。
電車の中の吊り広告、テレビや新聞などのニュース、なんでもかまいません。目に付いたものを題材にいろんな視点で見つめなおしてみてください。これはちょっとした時間でできますので、トレーニングにはもってこいですね。
視野を広くするコツは、まず『全体の事象は何なのか?』という質問を自分自身に投げかけてみましょう。
例えば、前述した『台風で飛行機が欠航となる』という事象ですが、ざっと挙げるだけでこのような視野があります。
- 今日、欠航したのは1年のうちのたかだか1日。たいした問題ではない。
- 日本の空港で欠航したのは羽田発着の沖縄便だけ。大きな問題ではない。
- 今日どうしても沖縄に行かなければならなかった人にとっては唯一の日。大きな問題。
- 夏休みで沖縄に行こうとしていた人にとっては、1年の中の唯一の夏休み。非常に残念。
このように多くの視野があることに気が付きます。
どこにフォーカスを当てるか、なのです。視野を変えると同じ事象でも違った捉え方をすることができます。
視座を変えてみるのは、視点や視野に比べると少しイメージがつきずらいかもしれません。
特にあなたが若手の社員であればあるほど、会社の上層にいる人が何をやっていて、何を考えているかわからないでしょう。経営層の視座を妄想するにしたって、何かヒントは必要ですよね。
そんな人には『経営を見る眼』がおすすめです。若手が会社経営を学ぶエントリー本としては読みやすく、理解しやすいです。
- 作者: 伊丹敬之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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視点・視野・視座の違い
人によって視点と視野は違います。そしてその違いは、その人の視座から来ていたりします。この3つはどれも密接に絡み合っています。
例えば、通勤風景の話なんてわかりやすいかもしれません。
私は以前、お台場に通勤していました。お台場は知っての通りフジテレビや、レインボーブリッジ、ヴィーナスフォート、観覧車などがある超観光地です。お台場はそのような場所でわけで、私は観光客に紛れて通勤していました。
朝、東京テレポート駅で電車を降り、オフィスまで歩きます。
- 駅を出てからオフィスに向かう途中は、フジテレビ社屋が目に入ってきます。
- 帰りは、東京テレポート駅に向かうと、ライトアップされた綺麗な観覧車が目に入ってきます。
目に入ってくる、とあえて表現しました。
そうなのです。私の視界には入ってきますが、特にそこにフォーカスがあたっているわけではありません。私が見ているのは手元の腕時計と目の前の人の流れです。乗ろうと思っている電車に間に合うかと時計を見て、そして綺麗な夜景に見入って足を止めている人の間を縫って歩いています。
一方で、お台場に観光に来ている人たちは違います。
ライトアップで装飾された観覧車に見入り、それを背景に写真を撮ったりしています。彼らは駅とか時計とかは気にしていません。
最初に言った通り、その人の視座によって視点も視野も異なるからです。
仕事をする中で、自分と感覚の合わない意見に出くわすことは多々あるでしょう。
そんな時は、相手の視点・視野・視座を妄想してシュミレーションしてみましょう。きっと今まで自分が見えていなかったものが見えるはずです。
そんなあなたの視界の広がりが、成果に直結します。
ひとつの事象をひとつの視点、狭い視野や見解でしか見ることのできない人が出す結果はおのずと限定的となります。
視点・視野・視座のビジネスに必要な3つの眼を鍛えることで、ビジネスをより多面的に見ることができるようになります。
「考えて仕事をする」からこそ最小の労力で最大の成果が得られる
なぜ考えて仕事ができないのか
「考えて仕事をしろ」「もっと考えろ」と言われたことがある人は多いと思います。私も昔は言われたことがあります。ですが、そうは言われても「もっと考えろと言われても何をどう考えればいいの?」と思っていました。
ですが、自分の周りを見ると「頭の回転が速い」人がいます。難しい問題でもすぐに解決策を打ち出したり、なんでそんなことまで考えが及んでいるのだろう、と思うような先輩がいたりします。いわゆる、優秀な人達です。
そのような人を見て、ほとんどの人は「あの人は優秀だから」「あの人とは頭の作りが違うから」自分には真似できない、と思っています。確かに天才的に頭が回転する人はいますが、そのような人はごくひと握りです。
優秀な人たちと普通の人たちの、いわゆる頭の良さの差はほとんどないと思っています。いわゆる頭の良さで仕事の優劣が決まるのであれば、仕事ができるできないは偏差値順にならぶはずです。ですが、そうではありません。
私がここで、「いわゆる頭の良さ」と表現しているのは、中学・高校の勉強、大学受験での偏差値による頭の良さを指しています。大学受験までは、テストで高得点を取ることが「頭がいい」ということになります。
日本の教育は偏差値で順番が決められて、入った大学によってランク付けされ、それが社会に出た後にまでついてまわります。なので、高校での勉強、受験を経ての大学入学時点で勝ち組だの負け組だのと言う話になってしまいます。
そして入社した会社がどこだ、ということでまたさらに勝ち組だの負け組だのと言います。
20歳そこらで社会に出て、その倍の40年間も仕事をしていくのに、1年目から勝ち負けが決まるのでしょうか?
偏差値教育の結果を社会に出た後にまで引きずっているので、「自分はこんなもんだ」「◯◯大学のやつにはかなわないんだ」と思っている人が多いのが実情と思います。
そうではありません。ビジネスの世界はビジネスの世界です。テストで良い点数を取るのと仕事で成果を出すのは同義ではありません。
なぜ考えて仕事をすることが重要なのか
『6時間で木を切れ、と言われたら、最初の4時間は斧を研ぐ時間に費やす。』
これは、第16代アメリカ大統領のエイブラハム・リンカーンの言葉です。
この「斧を研ぐ」という意味は単に物理的に斧を研ぐということではなく、仕事に取り掛かる前には、しっかりと周到な準備をしてから取り掛かろう、という意味だと解釈しています。今の仕事だと、「効率化につながるアプリを導入する」とか「しっかり考えて作戦を決める」ということになります。
この考えるという行為がとても重要です。
目の前にある100本の木を切るとします。物理的に斧を研いで切れ味を上げておくのはもちろんのこと、この100本の木をどのように切っていったら最も効率的に速く確実に切ることができるか、ということを考えてから木を切る作業に取り掛かるべきです。考えることが大きな成果を生み出すことにつながります。
何も考えずに木を切り始めると、1本の木を切る時間 ☓ 100本 の時間がかかります。さらに、疲労することを考えると更に時間がかかることが想定されます。
例えば、この100本の木を木の配置から10個のロットに分けて、木に切り込みを入れて上にある木を切って倒し、その下の木は、その倒れてきた木の力で倒します。そうすると時間と労力が削減されます。
これが戦略です。
1本の木を切る力を1とします。100本の木をすべて1の力で切ると100の力が必要です。
先ほどの作戦で木を切るとき、木に切り込みをいれる力を0.6とします。そして一番上の木だけ1の力で切ります。ひとつのロットは0.6☓9本+1=5.4+1=6.4です。これが10ロットあるので全部で64の力で100本の木を切ることができます。100の力と64の力です。差は36(%)です。
いい戦略を考えられるほど効果は大きいです。ですが、効果の高い戦略を考えるのに時間がかかりすぎては意味がありません。考えている間に100本の木を切ってしまった方が速い、となってはいけません。
深く考え、それを速く考えないといけないのです。
仕事で成果を出せるかどうかは、「いかに深く考えるか」、そしてそれを「いかに速く考えられるか」です。
2軸思考 〜2冊目の出版のお知らせ
構想着手から1年超、「2軸思考」の出版のお知らせです。
- 作者: 木部智之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/12/01
- メディア: 単行本
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12/1あたりに書店の店頭に並ぶ予定です。
今回の本のテーマは、ロジカルシンキングを私たちの仕事で実践すること、です。
ロジカルシンキングの本やセミナーで学ぶと、3C、PPMなどといった有名なフレームワークがインプットされますが、これらのフレームワークは私たちの仕事で役に立つことはほとんどありません。
なぜなら、このような有名なフレームワークは、世界的に有名なコンサルティングファームや経営者が産み出したもので、経営改革やマーケティングに使うようなフレームワークばかりです。
でも、そのような仕事についている人はごくわずかです。私自身もシステム開発の仕事に長年従事してきたので、このようなマーケティング用のフレームワークはほとんど使ったことはありません。
ですが、ロジカルシンキングの本質はフレームワークを覚えて使うことではなく、自分でフレームワークを作って自分の仕事の問題解決をすることです。
そのような状況で、自由自在にフレームワークを作る方法を書きしたためたのがこの本です。
線を2本引くことで、目の前の雑多な混乱した状況が整理される。
その方法、アプローチを書いています。
実際に、このアプローチを実践していただけるとお役に立てると思います。
はじめに、に書いていることを抜粋しました。
15年間のトラブルプロジェクト経験から学んだ2つの本質
私はIBMに新卒で入社以来15年間、主にシステム開発のプロジェクトにかかわっ てきました。そして、その多くは自ら希望して「超困難なプロジェクト」ばかりを担 当してきました。
入社3年目で初めてプロジェクトマネジャーに抜擢されたとき、海外メンバーたち と仕事をしたとき、そして500人の部下を抱え、巨大プロジェクトをまとめている いま――。残念ながら、資金や時間が潤沢にあったことも、トラブルなくスムーズに 仕事が進んだことも、人材が足りていたことも、一度たりともありませんでした。 一方で、外資系企業において「プロセス」は一切考慮されません。要は、結果を出 すか出さないかです。
「一生懸命頑張ったのですが、時間が足りませんでした」
「要員が足りないので、それはできません」
こうした言い訳は通用しません。たとえ1カ月後にサービスが開始されるシステム に今日の段階でシステムのバグが100個あったとしても、サービス開始が決まって いるのであればそこに間に合わせるのがプロの仕事です。少なくとも、私はそういう 気持ちで仕事をしてきました。2軸思考にたどり着いたのは、そんな「問題が山積している超困難なプロジェクト 現場」での経験からです。
あらゆるトラブル・問題に遭遇し、チームのメンバーと一緒にどうにか乗り越えて いく経験を積み重ねるうちに、次のことがわかりました。それは、
・問題は、シンプルにしないと解決できない
・問題は、書き出すことで解決が速くなる
ということです。複雑な問題をシンプルに「構造化」し、書き出して「見える化」する。このたった 2つのことを満たしていれば、あらゆる問題は解決することができるのです。デカル トは「困難は分割せよ」と言い、ビル・ゲイツは「問題は切り分けろ」と言いました。 そして、レオナルド・・ヴィンチは「シンプルさは究極の洗練である」という言葉 を残しています。これらは、あらゆる仕事において真実です。
2本の線を引くだけで、複雑な問題をシンプルに解決できる
日々発生する問題を解決するためにいろいろな方法を試し、試行錯誤した末に行き 着いたのが、「あらゆる問題を、タテとヨコの2軸で整理して考える」という方法で した。私はこれを、「2軸思考」と呼んでいます。
2軸思考は、世界一シンプルなフレームワークです。タテとヨコの2本の線を引く だけで、あらゆる問題を一瞬でシンプルに整理し、解決できる魔法のようなツールで す。実際、メンバーが行き詰まっている問題を2軸でシンプルに整理してみせると、 「ぽかん」とされたり、「目からウロコです」と言われることが多くあります。2軸でシンプルに整理すると、その問題の重要なポイントがクリアになるので、重 要なポイントに集中して深く考えることができるようになります。その裏返しで「重 要でないこと」も明確になるので、考える必要のないことは切り捨てることができ、 解決までのスピードが速くなります。
そして、2軸思考の何よりのメリットは、難しいノウハウは一切必要ないというこ とです。生まれつきの頭の良さや仕事経験なども関係なく、誰でもすぐに実践するこ とができます。2本の線さえ引ければ、「3C」とか「PPM」のようなコンサルタ ントが繰り出す小難しいフレームワークを覚える必要もありません。「フレームワークが使えない」と思っている人にこそ有効 本書は、次のような悩みを抱える人のお役に立てると思います。
・ 「ロジカルシンキング」や「フレームワーク」が大事なのはわかっている。でも、現実の仕事を前にするとどう使っていいのかわからない
・ 考えるのが遅い。いくらビジネス書を読んだりセミナーを受けたりしてみても、考えるスピードが速くならない
・「早く問題を解決しろ」と言われても、考えるには時間が必要だと思っている
・複雑なことをわかりやすく説明するのが苦手。話が長くなってしまう
・ マネジャーになってから一気に解決すべきタスクが増えた。部下からも相談を受けるが、問題が増える一方でどうしていいかわからない私が社会人になってからの15年間を考えても、ビジネスの環境は驚くほどのスピードで変化しました。ひとつのプロジェクトのスピードが格段に上がり、個人のタスクも私たちが浴びる情報量もどんどん増えています。
このような時代にこそ、「いかに速く、いかに深く考えられるか」が成果を大きく左右します。ある問題に直面したときに、「問題に対して単に思いつきで対処する人」と「問題をロジカルにシンプルに整理して解決する人」とでは大きな差がついていくのが、いまの時代なのです。
2軸でロジカルに考える習慣を身につけると、早い人で1週間、そうでなくても1カ月後には、あなたの周りの複雑な問題をシンプルに整理できるようになり、忙さ やイライラから解放されるはずです。
これからの時代は、過去に例のない問題が増えていきます。しかし2軸でロジカルに考えれば、もし過去に経験したことのない大きくて複雑な問題がやってきたとしても、いままでよりもずっと短い時間で本質的な解決を導き出すことが可能になります。 そして、感覚や思いつきで仕事をするようなことはなくなります。
12/1前後には書店の店頭に並ぶ予定です、よろしければお手にとって見ていただければと思います。
ゲラチェック中・・・
こちらのブログ、かなりの期間滞っています・・・。
自分の本業の責任範囲が増えたことと、2冊目の本の仕上げの時期が重なったことで、他のことになかなか時間を割けなかったためです。。。
と、言い訳をしてみる。。
さて、2冊目の書籍、現在ゲラチェック中です。
ロジカル・シンキング、フレームワーク思考チックな本を書いています。
11月末、発売予定です。
もう少し時期が近づいてきたら、もう少し紹介させていただきたいと思います。
また、そちらの仕事がひと段落したら、こちらのブログも頻度を上げたいと思っています。