『伝える』ためには文章よりも図の方がいい
こちら↓の記事で、コミュニケーションは伝わらないと意味がない、ということを書きました。
伝わるための3つのポイントとして、
- 短く
- 分かりやすく
- 相手に合わせる
の3つをあげました。
今回は、2点目の『分かりやすく』について書いてみます。
文章と図解はどちらがいい?
【日本ABC社、1月既存店売上は35%増 客数は33カ月ぶり増加】
2月4日、日本ABC社は、1月の既存店売上高が前年比35.0%増となったと発表した。
[東京 4日 ロイター] - 日本ABC社は4日、1月の既存店売上高が前年比35.0%増となったと発表した。客数は同17.4%増、客単価は同15.0%増。客数は、2013年4月以来、33カ月ぶりのプラスとなった。
新メニューが好調だったという。また、不採算店の閉鎖や改装なども寄与した。ただ、昨年1月は、品質事件で既存店売上高は38.6%減、客数は28.5%減、客単価は14.1%減と大幅に落ち込んだ月。この影響が一巡した面も大きい。
こちらはとある、ニュースをデフォルメしたものです。 ぱっと読んで理解できますでしょうか?
ちゃんと理解しようとすると3回も4回も読み直さないと理解できないと思います。
では、これを図解してみましょう。 次のようにしてみました。
ニュースの内容は、2014年を起点にした「売上」「客数」「客単価」の2年分の遷移を示しているものです。ですので、このように表形式で整理してみました。 また、整理した結果、このニュースでは、売上を客数☓客単価で捉えていることがわかったので、その図も付けました。
このようにすると、ぱっと見て理解がしやすいと思います。
表ではなくて、グラフにするのもいいと思います。
コミュニケーションを図る際には、文章よりも図を使った方がより速く、確実に伝わります。
今回の源泉はWebニュースなので、文章であることは仕方ないものですが、仕事をする中ではできるだけ図を使ったコミュニケーションをするように心がけましょう。
こちらも参考記事です。
http://vekitomo-0.hatenablog.jp/entry/2017/03/14/003421:embed:cite:w350
参考図書 〜図解思考
図解をするために役立つ本です。これはおすすめです。
- 作者: 永田豊志
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2014/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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コミュニケーションは伝わらないと意味がない 〜伝わるための3つのポイント
コミュニケーションは伝わらないと意味がありません。
なぜ、何のためにコミュニケーションが発生するのかというと、相手に何かをしてもらいたいからです。
- 資料を作ってもらいたい
- 調査をしてもらいたい
- 報告を理解してもらいたい
- 3つの案を判断してもらいたい
- 作業を実施してもらいたい
など、相手に何かを期待し、そのためにコミュニケーションをします。相手に何も期待することがなければ仕事上のコミュニケーションは発生しません。
つまり、コミュニケーションとは、 発信側が期待することが得られるか、得られないか、ということが成果となります。
よく職場で、
- メールしたのにやってくれてない
- 説明会を実施したのに理解していない
- 指示したのに全然違うものが出てきた
といった類の愚痴を聞くことがあると思います。
これはコミュニケーションミスを相手の責任に転嫁しているのです。
よくよく聞くと、とても読み切れないような長文メールだったり、誰が聞いてもわからないような説明会だったりすることが往々にしてあります。
もちろん受け手が悪いこともあります。ですが、そのことで不利益を被るのはコミュニケーションの発信者です。 それも含めて、発信者がコミュニケーションの責任を追う負うべきだと思います。
では、伝わることがコミュニケーションの成果だとしたら、どうすれば伝わるのでしょうか?
伝わる(伝える)ための3つのポイントは、
- 短く
- 分かりやすく
- 相手に合わせる
です。
メールでも会話でも、長いものは伝わりにくくなります。 そして、相手が理解できる言葉で分かりやすくコミュニケーションをしましょう。 相手が理解できる言葉とは、自分の仕事の専門用語などを使わずに、相手の知識レベルに合わせる、などという意味です。
相手に伝わらないコミュニケーションには意味はありません。
コミュニケーションは発信側の責任であるということを意識すれば、それに応じた発信のしかたになるでしょう。
コミュニケーションミスで失うもの 〜品質と時間
前のエントリーで、コミュニケーションでは『鮮度』と『濃度』と『精度』が大切です、ということを書きました。
今回は、その『精度』について書きます。
当たり前ですが、コミュニケーションでは、情報を正しく伝えることが大切です。
それはなぜでしょうか?
コミュニケーションミスが発生してしまうと、失うものが2つあります。
ひとつは『品質』、もう一つは『時間』です。
品質を失う
例えば、資料作成を依頼したとします。「AAA」という資料作成を依頼しましたが、正しく伝わらず「AaA」という資料が出てきました。 これが品質を失ってしまうということです。発信者が期待したものと違うものがアウトプットされるのです。
ですが、「AAA」を期待していて「AaA」がでてきても、許容範囲なのでこれを受容します。
時間を失う
では、「AAA」を期待していて「xyz」というものが出てきたらどうでしょう?
さすがに全く違うので、やり直しを指示します。これが時間を失ってしまうということです。
そして、やり直した結果、「AAa」というものが出てきました。「AAA」とはちょっと違うので、品質も失っています。 この場合では、時間と品質を失っているのです。
このように、コミュニケーションで正しく伝わらないと「品質」と「時間」を失ってしまいます。図にするとこのようなイメージです。
コミュニケーションの発信側となるときは、『正しく伝える』という『精度』を意識しましょう。
参考図書
コミュニケーション系の参考図書を紹介します。
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: PHP研究所
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- 作者: スティーブンE・ルーカス,Stephen E. Lucas,狩野みき(監訳)
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2016/11/30
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- 作者: 佐々木圭一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/03/01
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コミュニケーションに必要な3つの『度』
仕事をする上でコミュニケーションはとても大切な要素です。
正しく伝える、正しく受け取る。これが失敗してしまうと仕事はうまくいきません。間違った成果を生み出してしまうこともあります。
また、組織が大きくなればなるほど、コミュニケーションの重要性が増してきます。
コミュニケーションに3つのポイントがあります。
『鮮度』
『濃度』
『精度』
3つについて、それぞれ説明しましょう。
鮮度
鮮度とは、情報がいかに速く伝わるか、です。発信元から受信するひとに1週間で伝わるのか、1日で伝わるのか。
必ずしも速ければ速い方がいいというわけではありませんが、速く伝えるべき情報は速く伝えなければいけません。
午前中に伝えるのと、その日の夜に伝えるのでは半日以上の差がうまれます。さらに翌日の午前中ともなれば1日の差となります。
濃度
情報は伝言ゲームが進むに連れて、情報量が削ぎ落とされていきます。つまり情報濃度が薄まっていきます。
ただ、これはコミュニケーションのベクトルによって薄まる理由がことなります。
組織の上から下へのコミュニケーションでは、不要な情報が意図的に落とされるパターンと、人を介すことによって落ちてしまうパターンがあります。
逆に、下から上へのコミュニケーションでは、都合の悪い情報が意図的に落とされていきます。つまり、役職が上になればなるほど、悪い情報はあがってこないということです。
上から下へのコミュニケーションでは、情報が落ちないように気をつけないといけません。一方で、自分が上の立場になったときは、下からの情報は不都合な情報が削ぎ落とされている、と理解した上でコミュニケーションを取る必要があります。なので、その削ぎ落とされた情報をいかに拾い上げるかが、正しい判断をするためには必要となります。 都合の悪い情報がなく、なんとなくいい報告を聞いて、それが正しいと思って判断をしてしまっては進むべき道を誤ってしまいます。
精度
言わずもがな、情報は正しく伝えないといけません。 間違ったものを伝えた、間違って伝わってしまったときは、チーム全体の間違った動きにつながります。
組織が大きいときは、特にその影響は計り知れません。数百人、数千人が間違った情報で動いてしまうのです。
自分が発信する情報については、正しく発信できているか、という目でチェックした方がよいでしょう。
絵にするとこんな感じです。
弱いチームの戦い方と強いチームの作り方
リーダーたるもの、自分のチームが強いほうが望ましいです。
ですが、必ずしもそのようなチームを担当できるとは限りません。特にトラブルヘルプとかに突っ込まれると、自立するのすら危ういくらいのチームを持たされたりします。
トラブルプロジェクトとかになると、風評被害で人が集まらなかったり、離任していったりして、一般のチーム構成とはちがう形になります。
一般的なチーム構成はピラミッドのような形になっています。ですが、トラブルプロジェクトとなると、高いスキルの人も少なかったり、スキルの十分でないメンバーが多く集まったりします。結果、図の右のような構造になってしまうのです。
では、自分のチームが弱いチームだとしたらどうしますか?
こんなチームでは戦えない、といって諦めますか?勝てる方法を探して戦いますか?
戦闘力の低いチームが戦うにあたってのポイントは2つです。 ・ 弱いチームの戦い方をすること ・ そして、強いチームにすること です。
サッカーなども同じです。弱いチームは引いて守ってカウンター、というように弱いチームの戦い方をします。 そして、監督は中長期的にはチームを強くしなければなりません。
弱いチームの戦い方
弱いチームの戦い方のポイントは、 スキルレベルの低さとばらつきを抑えて、底上げすることと、作業を徹底的に効率化することです。
それにあたって、
- プロセスの整備
- フレームワークの利用
- Toolの作成・利用
です。
誰がやっても同じ手順で、人によってばらつきがでないようにフレームワークを使い、 ツールでできるものはツールで実施する、という狙いです。
できるだけ属人性を排除することがポイントです。 弱いチームが属人性を出してしまうと戦えません。
強いチームの作り方
そしてチームを強くしなければ、永遠に弱いままです。
まずは、リーダーが変わることです。 リーダー本人が変わるというパターンと、リーダーをリプレイスするというパターンがあります。 チームはリーダーによって大きく変わります。
規律を守ることも大切です。 ルールを守らないことを咎められないチームは、無法状態のチームとなり、 作業品質が低下する一方です。
弱いチームは規律が甘い。
乱れている。
断言してもいい。
これは野村克也 元監督の言葉です。
失敗を律することで、チームがまとまり、時間が立つと、言われなくても自分たちで改善する自浄作用が働くようになります。
自浄作用が働き始めると、あとは自然とチームがカイゼンして強くなっていきます。
そして、「育成」という行為が必要です。育成には時間がかかりますが、これを怠っては永遠に強くなりません。 育成は、何を育成するか、というポイントがありますが、私の場合は、リーダーの育成、次世代リーダーの育成に力を入れています。
なぜかというと、強いチームの大前提が良いリーダーがいること、だからです。 リーダーが良くないとチームは強くなりません。そのためにリーダーを育成しています。
今回は、弱いチームの戦い方と強いチームの作り方について書きましたが、仕事のベースはシステム開発です。他の仕事の場合は、この記事を参考にエッセンスを抽出していただければと思います。
仕事には『やりきる力』というスキルも必要
いくら頭脳明晰で、いくらリーダーシップがあっても、この『やりきる力』というものがなければ仕事で成果を出すことはできないと思っています。
やりきる力には2つあります。
ひとつは、難しいこと、難局を乗り越える力です。 難局になると、それを突破するのにものすごく負荷がかかります。精神的にも負荷がかかります。いろいろな負荷を打破しなければやりきることができません。 途中で負けそうなときに、諦めてしまっては結果はでません。
もうひとつは、続ける、ということです。
タスクを立ち上げたり、課題解決に着手したはいいけど、途中であいまいになったりするケースが散見されます。
いわゆる「尻切れトンボ」状態です。
こういった人たちは、ものごとを継続する、ということが苦手タイプが多いです。
逆に、一瞬の対応や、火事場のなんとかというのは得意だったりします。
どちらがいいとか、そういうものではありません。継続しなくてはいけないのです。
仕事はやはり成果につながらなくては、評価の対象になりません。
ロジカル・シンキングや仮説思考、テクニカルスキル、リーダーシップ、マネジメントと同じように、『やりきる力』というものも大切です。
与えた期間/カネを食いつぶす『パーキンソンの法則』
ひとに期間とカネを与えてしまったら、それはすべて使い切られてしまう、と思っておいたほうがいいです。 特に、リーダーであれば、自分のチームメンバーに無用に時間とカネを渡してはいけません。
3人に同じ仕事を、
- Aさんに3日でやってくれ
- Bさんに5日でやってくれ
- Cさんに10日でやってくれ
と依頼したとします。
すると、残念なことに、3人とも自分の期限までかけて完了させてしまいます。
これを『パーキンソンの法則』といいます。
早めに作業が完了できるものでも、与えられた全ての期間を使いきってしまい期間が早まることはない、という行動様式です。 学生症候群と同じように、ほとんどのひとに備わっている行動様式なので、これを前提に仕事の期限を切る必要があります。
そこを注意しないと、無用に時間とカネを失ってしまうことになります。
年末の道路工事は余った予算でやっているのではないか、という都市伝説もあります。
そして、年末の道路工事を見て、「税金を無駄遣いしている」とボヤいているビジネスパーソンも実は、
部門の予算が余ったからと言って、特段必要でもないオフィスの事務機器を購入したりしているのです。
『学生症候群』と『パーキンソンの法則』。リーダーが気をつけておいたほうがいい人間の行動様式です。
仕事が期限ギリギリに終わる理由 〜学生症候群
多くの仕事は期限ギリギリに完了します。
どんなに速く依頼したとしても期限ギリギリになることがほとんどです。
それはなぜでしょう? その理由は、学生症候群です。
夏休みの宿題をぎりぎりまでやらない、学生症候群です。
私自身もそうでしたが、多くの人が夏休みの宿題は夏休みの終わりが近づいてきてから本腰を入れたと思います。
他には、
- 宿題のレポートを前日よるに突貫工事
- 期末テストを一夜漬け
などです。
学生症候群といっていますが、その行動様式は残念ながら社会人になっても同じです。お尻に火がつかないと着手しないのが、人間本来の行動様式です。
ですので、無用に長い期限を与えると、着手すること自体が先となってしまい、速く仕事が終わることはありません。 『期日が近づいてからようやく着手する』のです。
期限を
- 今週末まで
- 来週末まで
- 今月末まで
と切っても、 いずれも期限の数日前から着手します。
なので、人に仕事を依頼して期限を切るときは、無用に長い期限を切らないほうがいいです。
リーダーは計画に戦略を込めるべし
システム開発の世界では、開発規模を見積り、見積りの結果を受けて計画を立てていきます。
開発規模を『人月』という単位で表します。100人月の仕事であれば、1人が100ヶ月掛けると100人月。 10人で10ヶ月でも100人月です。
そして、現場でよく目にする計画は、その計算通りの計画をたてることです。 100人月の見積りに対して、10人☓10ヶ月という計画です。
私は、このような計画を算数上の計画と呼んでいます。 算数上、と言っているのは、普通に加減乗除のレベルでの計算であるからで、ある意味、揶揄してい使っています。
10人月だから10人☓10ヶ月という計画をたてるのは算数の世界です。 算数レベルの計画は、ある意味「何も考えていない」ということを意味しています。
リーダーは、計画に対して戦略を込めないといけません。
どうすれば効率的に、短期間で、品質を確保しながらプロジェクトを進められるか。
考えることはたくさんあります。
作業の段取り次第でスピードが変わりますし、体制の組み方でも変わってきます。 この戦略こそ、リーダーの知力と意思を込めるところです。
私はよく、配下のリーダーが持ってきた計画に対して、
『魂はこもっているのか?』
と聞いています。
算数の世界でない計画。自分の知力と意思と魂を込めた計画をつくる意識を持つといいでしょう。
難しい仕事でも、基本の延長である
システム開発をしている私の業種でいうと、超トラブルプロジェクトというのは、いわゆる難しい仕事です。 他にも難しい仕事はたくさんあると思います。
ちょっと勘違いされやすいのは、難しい仕事は何か特別なことをしているのでは、ということ。
ですが、まったくそんなことはありません。 あくまでも、基本に忠実に、基本の応用を実践しているのです。
ただ、その基本の応用は簡単なものではありません。
車の免許を取って一般道を運転できるからと言って、F1を運転できるわけではありません。 船舶免許を取って穏やかな海をクルージングできるからといって、大きな船で荒海を乗り切れるわけではありません。
私のプロフェッションはプロジェクト・マネジメントで、その基本はPMBOKというものがあります。ですが、それを知っているからと言って、炎上しているプロジェクトの火を消せるわけではありません。
ですが、F1ドライバーにしても、車の運転の基礎・基本があり、それらを高い技術まで成長させてF1を運転しているのです。もちろん、普通車には必要のないスキルやテクニックも使っています。
サッカーにしても、超一流選手も基礎があって、それらを高いレベルで実践しています。選手それぞれにスタイルや個性がありますが、それは基礎ができている上でのこと。
今、自分がそれほど難しい仕事をしていなくても、その難しい仕事ができるようになる準備をしておいた方がいいと思います。
そういった仕事は突然降って来ます。そのときに準備不足が理由でできないとしたら、チャンスを逃すことになります。
私はプロジェクトマネジメントが専門職ですが、その知識以外にもロジカルシンキングや心理学、統計・分析学、組織論、戦略論、ネゴシエーション、歴史学、ドキュメンテーションなどといった学びをしてきました。
いざというときに自分が使える武器は多ければ多いほどいいと思います。そのためには、普段からの準備が必要です。