報告のベクトル(方向)は下から上にするべき

組織が組閣されると報告という行為が必要になります。
報告には活動報告、進捗報告、状況報告、完了報告などがあります。

報告の方法としては、 報告書といったきちんとしたドキュメントでの報告や、メールや口頭での報告もあります。

さて、今回は、その「報告」の方向について書いてみたいと思います。

管理者、リーダー、マネージャーというポジションにある人は、 この報告というものの方向を意識したことはありますでしょうか。 言葉を変えればベクトルです。

報告のベクトルは下から上であるべきです。 そんなの当たり前だろ、下のメンバー/部下が上司に報告するもんだから、と思う人は多いと思います。

ですが、実際にそうなっているでしょうか?

報告のベクトルが下向きとは

私は13チームを下にかかえるリーダーのポジションなので、自分の下のチームリーダーにそのチームの状況、タスクの状況を聞くことがあります。

そのときに、「ある」言葉を発したら指摘するようにしています。

その言葉とは、
「まだ確認できていないので確認します」
です。

この言葉のどこに問題があるのでしょうか。

「確認できていない」という言葉です。

実は、これは報告のベクトルが下向きなのです。

リーダーがメンバーに報告を聞きにいく、というベクトルなのです。

このベクトルのチームリーダーに、何が起きるかというと、リーダーが自ら動かないと状況がわからない、という状況になり、リーダーの仕事がどんどん増えるのです。

では、どうするのか?

報告のベクトルが上向きにする

メンバーから報告をさせるのです。こちらが聞かなくても報告が上がってくるようなプロセスとマインドにするのです。 ベクトルが上向きというのはそういう意味なのです。

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先ほどの、
「まだ確認できていないので確認します」
はどうあるべきか。

例えば、
「まだ報告を受けていないので確認します」
という表現であれば、ベクトルが上向きなんだな、と感じます。

リーダーが細かいレベルまで常に状況がわかっている必要はありません。
週一回の報告サイクルであったとすれば、週一回で受けるのですから。その上で、途中で状況確認が必要となったら、そのときに自ら確認に動けばいいのです。

週一回の頻度では十分でないときは、報告スパンを短くすればいいのです。

例えば、私は13チームを見ているのですが、あるタスクについては10チームは週次での報告にしています。ですが、3チームに関してはアテンションを上げているので、日次での報告を受けることにしています。
日次にしていると、問題・課題をすぐに検知でき、アクションをタイムリーに打つことができます。
もっと細かくマネージするときは、朝と夕の1日2回のチェックポイントを設けます。

では、全チーム日次にすればいいのでは?と思いますが、それは過剰です。

報告という行為はワークロードがかかるものです。ある程度、自分たちでマネージできる状態のチームはそのリーダーに任せておいた方がいいです。そのほうがチームやメンバーの成長にもつながります。

以前、セミナーをやったときに質問を受けたことがあり、
「部門のメンバーの状況が把握できていないのでどうしたらいいですか?」
という質問を受けたことがあります。

話を聞くと、報告の方法、プロセス、頻度が決まっていませんでした。
その方が、自分から報告を聞きにいっていました。

ということで、
「報告のフォーマットとサイクルを決めて、メンバーが自分から報告をするプロセスを確立してはどうでしょうか?」
と提案しました。

報告のベクトルは下から上です。配下のリーダー、メンバーから報告があがってくるようにしておきましょう。
「報告のベクトル」はあまり意識はされないですが、実は大事な観点です。

リーダーにおすすめの3冊

私がいつも若手に進めている本をリーダーシップに関連する本を紹介します。

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方: 一人ひとりの能力を100%高めるマネジメント術 (知的生きかた文庫)

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方: 一人ひとりの能力を100%高めるマネジメント術 (知的生きかた文庫)

アメリカ海軍で、最もダメだったチームを最も優秀なチームへ変革した実話ベースの話。とても参考になります。

1分間マネジャーの時間管理

1分間マネジャーの時間管理

リーダーが仕事(モンキー)を背負って忙しくなってはいけません、という本で、私の中ではリーダーの必読書です。

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の言葉

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の言葉

人を動かすときの心の面で役に立つ話が多いです。読んでいても心が震えるような場面もありました。

仕事は『判断』したとしても、『決断』しなければ意味はない

『判断』とは、右がいいのか左がいいのか、状況やデータから「考える」ことです。 案が1〜5の5つあったら、それらのうちどれが最適かを考えることです。

一方、『決断』とは、「決める」ことです。 右と左で右の方がいいな、と『判断』した後に、右に行くと『決断』するのです。 案3で行く、と『決断』するのです。

そして、『決断』できない人が多くいます。
なぜか?
『決断』には勇気と覚悟が必要で、責任が伴うからです。

本当に右でいいのか、実は左のほうがいいのではないか、といった不安にかられるため、『決断』には勇気と覚悟が必要です。
そして、右に行こうが左に行こうが、進んだ結果は『決断』した人が責任を持つからです。

『決断』をしていかないと大きく成長しません。『決断』から逃げてはいけません。

『決断』が人を大きくしていくと思っています。 f:id:vekitomo-0:20170117131716j:plain:w350

PDCAが回らない理由 〜 それはPDCAが丸だから!

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『PDCA』は、ビジネスパーソンであれば、聞いたことがない人はいないのでは?というくらい有名なフレームワークです。 ですが、このPDCAを実際に使えている人はほとんどいないと感じています。

PDCAを使っていないと、何度も同じ失敗を繰り返したり、今できていること以上のことができなかったり、と、成長が見られません。

ですが、繰り返しですが、『PDCA』を実践できている人は多くありません。

では、なぜPDCAが実践できないのでしょうか?

PDCAをサークル(円)で捉えるから使えない

PDCAというと、ほとんどの人がこのようなサークル(円)をイメージすると思います。私もPDCAを知ったときはここから入りました。
私は、このイメージが強すぎるから実践しにくいのではないか、と考えています。

このサークルのイメージだと、PDCAをぐるぐるずっと回していく、というイメージはたしかに持ちやすいです。 そして、ほとんどの仕事の現場で言われるのが、『PDCAをずっと回していけ!』といった掛け声めいたものでしょう。

このサークルイメージの欠点は、どこがPDCAの起点になっているかがわからない、ところにあると思っています。

PDCAのコンセプト的にはどこからでもOK!なのでしょうが、これだとイマイチ重要なポイントもピンと来ません。

なので、実際にやれと言われても、掛け声だけで終わってしまうのではないか、というのが私の推論です。

PDCAをマトリクスでイメージすれば使いやすくなる

では、どうするのか?

私は、PDCAをマトリクスでイメージしています。

まずひとつ目のパターンはこちらです。 f:id:vekitomo-0:20170109181431j:plain

横にPとDを取り、縦にCとAを取ります。

これのマトリクスの意味することは、

Checkは、PlanとDoに対してする、ということ。
そして、ActionはそのCheckの結果に対してする、ということ

です。

ちょっと簡単な事例を入れてみます。

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これは、ざっと思いついた事例なので、内容の精度は適当ですが、実際に使うイメージはこのような感じです。

Planしたことに対して、Doしたことに対して、Checkして、それを改善するActionを検討するのです。 このようにマトリクスで整理すると、因果関係がわかりやすくなりますし、洗い出しもしやすくなります。

もうひとつのマトリクスパターンを紹介します。

次は、PDCAを全部横にとります。そして縦には作業分類を書き出します。

f:id:vekitomo-0:20170109184151j:plain

これは、私が出版編集者と会話をしているときに書いたマトリクスです。

『部署で出版した本の振り返りをするのに、みんなからブレスト形式で意見を出そうと思ってるけど、どうですか?』

とのことでしたので、

『せっかくなので、マトリクスで整理してみてはどう?』

と書いたものです。このようにマトリクスで整理して意見を出し合えば、参加したメンバーもポイントを絞って意見を出せて、短時間で有意義なブレストをすることができます。

PDCAでいちばん大切なのは『Check』ではなく『Plan』である

これらふたつのマトリクスを見て気づいたかもしれませんが、PDCAで一番大切なのは『Plan』です。『Check』と思われがちですが、私は『Plan』が一番重要だと思っています。

なぜならば、やる仕事に対して『計画』がないと振り返ることができないからです。 なんとなくやった仕事を振り返っても意味がありません。意図を持ってやってきたことに対して、その意図がどうであったのか、意図通りにできたのかをCheckするのです。

なので、仕事は必ず『意志』を持って取り組むようにしましょう。

私はよく若手のリーダーとかに、
『お前の意志はどこにあるのか?どうしたいのか?』
『意図のない決定は意味がない』
といったことを言っています。

結果が失敗したとしても、そこに当初の意志がなければ改善することができません。次につなげることができません。

PDCAを『過去』と『未来』の時間軸で考える

PDCAはサークルで捉えられるため、時間軸の意識を持つことが少ないですが、私は『過去』と『未来』で捉えています。

PDが過去で、CAが未来です。

ひとつめのマトリクスをもう一度見てみましょう。 f:id:vekitomo-0:20170109185929j:plain

PとDに対して、CとAをしています。つまり、PDが過去でCAが未来なのです。

PDCAを横にとってみるとこんなイメージです。

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(適当な図ですいません。手抜きです。)

仕事をしている以上、PやDのタイミングももちろんありますが、PDCAを捉えるイメージとしては、PDとCAで分けています。

どんな些細なことでもPDCAを実行する

PDCAというと、ちょっと構えてやらないといけないもの、という印象があり、それが実践を遠のける要因のひとつでもあると思います。

ですが、ほんのちょっとした仕事でもPDCAを実践すべきだと思います。 ちょっとした30分の資料作成でも、『今回はこうやってみよう』という意図を込めてやってみます。 そして、そのあとで、それがどうであったか、を振り返るのです。

この細かいレベルでのPDCAができればできるほど、成長の速度があがると思っています。 そういう人は、2回としてまったく同じやり方では仕事をしないですから。

PDCAは失敗したときだけやるものではない

そして、成功したときもPDCAを回すと、より成長していきます。

PDCAは、失敗に対して振り返る、というイメージを持つ人が多いですが、そうではありません。 どんな仕事に対しても実践すべきものです。

1時間でやろうと思った仕事が、

  • 1時間でできたときは、作戦どおりだが、次にもっと速くやるためにはどうすればいいか?

  • 30分でできたとしても、もっと速くできるアプローチはないか?

  • 2時間かかったときはもちろん、どうやったら1時間でできたか?

というように、どんな結果であれ、振り返るようにしましょう。

成長が速い人は、よくよく見ると、普段の仕事の中でのPDCAをきちんとしているのだと思います。

参考図書

鬼速PDCAという本が売れているようです。 ざっと目を通しましたが、『うまくいっているときでもPDCAを回す』というところに共感しました。

鬼速PDCA

鬼速PDCA

チーム状況に応じてリーダーシップスタイルを使い分けよう

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リーダーシップにはいくつもスタイルがあります。

リーダーはチーム状況に応じて、そのリーダーシップスタイルを使い分ける必要があると思います。

今回は、『EQリーダーシップ』という本で書かれている6つのリーダーシップスタイルを例に話をしたいと思います。

EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方

EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方

  • 作者: ダニエルゴールマン,リチャードボヤツィス,アニーマッキー,土屋京子
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2002/06/25
  • メディア: 単行本
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ちなみにこちらの本、リーダーへお勧めする本です。 昔、IBMでは、ある一定以上のポジションに昇進する際の研修で世界共通の必読書だったそうです。 今もそうかは知らないですが、読んでおいて損はまったくありません。

さて、この本では次の6つのリーダーシップが定義されています。

■ビジョン型リーダーシップ
   共通の夢に向かって人々を動かす
■コーチ型リーダーシップ
  
 個々人の希望を組織の目標に結びつける
■関係重視型リーダーシップ
   人々を互いに結びつけてハーモニーを作る
■民主型リーダーシップ
  
 提案を歓迎し、参加を通じてコミットメントを得る
■ペースセッター型リーダーシップ
   難度が高く、やりがいのある目標の達成をめざす
■強制型リーダーシップ
  
 緊急時に明確な方向性を示すことによって恐怖を鎮める

リーダーは、チームの状況やプロジェクトであればそのフェーズに応じて、これらのリーダーシップスタイルを使い分けなければいけません。
どんな状況でもリーダーシップスタイルが変わらないというのは、『リーダー』というのを仕事として捉えておらず、そのスキルが高くないと思っています。

私は受け持っている13チームそれぞれ、違うスタイルを適用しています。
また、時期や状況によっても変えて使っています。

たとえば、まだ自立が難しいチームには『強制型リーダーシップ』を使っていますが、長年率いていてある程度自分たちでマネージできるチームには『ビジョン型』や『コーチ型』を適用しています。もちろん、『関係重視型』、『民主型』、『ペースセッター型』も局面局面で使ったりします。

リーダーにとって重要なのは、今自分がどのリーダーシップスタイルを使っているのかを理解することです。

なんとなく、とか、意識せずに、というのはリーダーというものを仕事として捉えていないということだと思います。

私は、自立が難しいチームの難局を引き渡されることが多いので、端から見ると『強制型リーダーシップ』の人間と見られがちですが、自分の中ではそれも意識して使っていますし、チームの成長と共に『強制型』を弱めていっています。

ちょっと前の話ですが、昔、強制型を使っていたチームのリーダーから、
「最近、昔とちょっと変わった気がするんですが、どうしたんですか?昔ならほとんど却下されてましたけど、最近あまり却下されないんですけど。。。」
と言われました。

そうなんです。そのチームにはリーダーシップスタイルを変えているのです。そのチームには最近、ビジョン型、民主型を使っています。

リーダーの仕事のひとつは、チームを育てることです。
チームが育てばチームは自立してリーダーの仕事は少なくなっています。私の描くリーダーの理想の姿です。

自立が難しいチームには強制型を使わないといけないと思っています。 ですが、それを続けてしまうとチームは成長しません。リーダーの指示を受けて、何も考えずにその通りに実行するだけだからです。

チームを成長させることはリーダーの仕事かつ責務です。

強制型を使いつつも、チームに考えて自立させることを植え付けなければいけません。指示をしながらも考えさせる。バランスは難しいですが、これを目指さすべきだと思っています。

今回は6つのリーダーシップスタイルを紹介しましたが、『リーダー』学問のエリアはいろいろなスタイルが定義されています。

リーダーは、まずは座学のリーダーシップスタイルを学び、それを実践で使っていきましょう。

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座席配置はチームの成果を左右する

私は今、13チームをマネージしていますが、そのうち3つのチームが要重点フォローチームです。 その3つのチームをAチーム、Bチーム、Cチームとします。 そして、半年前の状況がA→B→Cの順番で悪かったとします。

この半年間、Aチームに最も私自身のパワーをかけてやってきた結果、ここ最近の状況が改善してきました。 その結果、相対的にBチームの状況が芳しくなくなりました。

かつ、年明け早々のプロジェクトのマイルストーンに向けて、達成の見通しが一番厳しい状況です。

いわゆる、ボトルネックが遷移する、というやつです。 ボトルネックは、チーム内の一番よろしくないところであり、マネジメントとしてはそのボトルネックを解消しなければいけません。 ですが、そのボトルネックを解消すると、次に細いところが次のボトルネックになってしまうのです。

リーダーは、そのボトルネックの遷移をタイムリーに捉えて、次の手をタイムリーに打っていかなければいけません。
ボトルネックが解消したことでひと安心してはいけないのです。

さて、その新しいボトルネックとなったBチームですが、まずのアクションとして、席替えを実施しました。 このBチームは、少し離れたところに配置していたのですが、私が座っている島のすぐ横に配置しました。

私がいつも使うアプローチです。配下の一番芳しくないチームを手近に置いておきます。

席が近いことのメリットは、

  • チームの会話が聞こえてくること
  • すぐに会話ができること

です。
すなわち、チーム状況をタイムリーに検知して、タイムリーにアクションをうつことができるようになります。

席を変える前までは、1日2回のチェックポイントでしか状況確認ができなかったですか、 席が近くなることでタイムリーにチーム状況を把握できるようになります。

席が近くなったチームのメンバーからすると、リーダーのそばに配置されることは快適なことではないですし、よろしくない会話のときは声も聞かれないようにひそひそ話していたりします。
ですが、それも折り込み済みです。
緊張感を持って仕事をするという意味でも効果があります。

得てして、チーム状況が良くないチームはチーム内のガバナンスが弱く、モードがゆるくなっていたりします。

良くない状況から脱却するには、チームのモチベーションや闘争心というものも大事な要素となります。

座席配置をあまり意識しないリーダーもいますが、私はかなり重要視しています。
ですので、席替えの配置だけは他の人には任せません。リーダーとしての自分の意志をこめた配置にしています。

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気の優しいリーダーが陥りやすい罠 〜 明確な指示が出せない

リーダーたるもの、自分の配下のメンバーに指示を出さなければいけません。

この指示というものが、とかく曖昧になりやすいのです。

リーダーの指示が曖昧なチームは、私の経験上、ほぼ例外なく弱いチームだと思っています。

指示が曖昧だと、チームの成果が変わってくるのです。

例えば、

このデータを分析して、報告資料を金曜日の12時までに仕上げてください。途中、水曜日に一度状況報告をしてください。


できれば、このデータを分析して、報告資料を仕上げていただきたいのですが。なるべく早くできると助かります。

特段、解説がなくても分かりますよね、指示としてどちらがいいか。

では、なぜ指示が曖昧になってしまうのでしょうか。

仕事とはいえ、他人に何かを強要するのは人として心地良くないからだと思います。 指示というのは何かを強要することに親しいのです。

この仕事をやってくれ、いつまでにやってくれ、いますぐやってくれ。

ほとんどの人は、誰かから指示を受けると思います。 指示をされる立場のこともわかっているので、余計にリーダーとして人に指示をしにくい、という思いを持つ人もいます。

では、どうすればいいのでしょうか

仕事と割り切って、それで給料をもらってると割り切って、明確に指示を出すように心掛けましょう。

指示が出しづらい、と悶々としている若手リーダーを見るとアドバイスをします。

人としての気持ちの優しさはわかる。だけど、指示を出すことは仕事である、と割り切った方がいい。リーダーがやるべき仕事のひとつだよ。

と。

やっぱり人に嫌な思いをさせたくない、嫌われたくない、という人としての普通の心理が働いてしまうので、そこは仕事は仕事と割り切って明確に指示を出すべきだと私は思っています。

とはいっても、休日対応をしてくれ、とかいう指示はやっぱり気持ちいいものではありません。

でも、『明確な指示を出す』ことがチームの成果をあげるリーダーの第一歩であると思います。

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ノートは頭の中を可視化するためのツールとして使っている

ノートというと、ミーティングや人と会話したときのメモとして使うイメージが強く、多くの場合はそのように使われていると思います。

私の場合、そういった目的で使うこともありますが、ノートを使う主な目的は『頭の中のことを書き出して可視化する』です。

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初めての仕事や慣れない仕事の場合は、聞き漏らさないためとか、言っていることがわからないからミーティングや会話の内容をノートに書きますが、 そこそこ慣れてきた仕事であれば、ほとんどノートには取りません。もちろんToDoとかいうのは忘れないために手帳に書き込みますが、それは箇条書きで手帳に書き込むだけです。

では、どのようにノートを使っているかというと、仕事で普段考えていることとか、悩んでいること、トラブルが起きたらそのことなどをノートに書き出します。 頭の中だけで考えていると、事態がやっかいであるほど論理的に整理するのが難しくなります。何度考えても堂々巡りになってしまったりします。
頭の中のことをノートに書き出すと、目に見えるようになります。この目に見える、ということが大切だと思います。

書き出し方は大きくふたつあります。とりあえず、ブレストチックに箇条書きみたいに単語などをざっくばらんに書き出す方法。この場合は、書き出したあとに、書き出したものをグルーピングしたり、構造化して論理的に整理します。

他には、最初からノートの上に枠組み(フレームワーク)を作って、その枠の中にいろいろなエッセンスを書き出していくやり方です。

前者は、どのようにアプローチしていいか分からないときに便利で、後者は、ある程度、整理の道筋のイメージが湧いているときに有効です。

仕事のノートのキャプチャーは載せられないので、書籍の執筆のためのノートを載せます。
これは、今、執筆を始めようとしている本のネタだし、構成検討の内容です。

頭のなかで考えていることをこのように書き出しています。書き出すことで『イメージ(画像)』として再認識でき、整理に役立ちます。 私の場合、書き出さないと、いつまでたっても頭の中だけで悶々として、一向に整理されません。

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ちなみに、ノートは方眼ノートを横向きに使っています。 方眼である理由は線や図が書きやすいから。横に使う理由は、視線を縦に動かさずに全体が見えるからです。人間の目は横にふたつ付いているので、横向きのほうがそのまま視界に入ってきます。資料もだいたい横向きなので、資料のアウトプットイメージも湧きやすいので横向きの方がいいと思っています。

ノートに関する過去記事を載せますので、よろしければご参考にどうぞ。

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仕事をスムーズに進めるために『信頼残高』を貯めよう

昔読んだ何かの本で『信頼残高』という言葉がありました。
『信頼残高』とは、仕事を確実にこなしていくことで信頼が貯まっていき、逆に失敗をすると信頼が減っていく、という考えでした。

最近、ひょんなことで思い出しました。

ずっと仕事を着実にこなしている人の『信頼残高』は貯まっていく一方で、うまくいっていない人の残高は減っていき、場合によってはマイナスになってしまいます。

『信頼残高』が貯まっている人が、ときどき失敗をしても、

「ま、そんなときもあるよね。」

くらいで済みますが、信頼残高が少ない人が失敗をすると、

「また失敗したのか」

と言われてしまいます。

とまあ、当たり前のことだと思います。

さて、なぜこんなことを思い出したかというと、とあるきっかけがありました。

プロジェクトメンバーにAさんとBさんがいます。

Aさんは、いわゆるできる人。
Bさんは、いわゆるできない人。

この二人がそれぞれ、自分のタスクに対して、
「このアプローチでやろうと思っています。」
といったときに、
Aさんに対しては、あまり細かく確認せずに
「いいんじゃない」
と言う一方で、Bさんに対しては、
「どこまでどう考えてそのアプローチにしようとしてるの?」
「こんなことは考えたの?こうことが発生したらどうしようと考えているの?」
といろいろ確認した挙句、差し戻したりしていました。

ふと自分のその反応を振り返ったときに、「贔屓」しているのかなぁ、とも思ってしまいました。   自分ではそういうことは全くするつもりはないのだが、反射的にしているのかなぁ、 仕事に対してはアプローチと成果に対してフェアに見ているつもりなのになぁ、と。

と、いろいろと考えているうちに『信頼残高』ということを思い出したのです。

AさんとBさんが同じ提案を持ってきても、きっと私の反応は同じにならないと思います。

結局、同じ提案であったとしても、そこまでに考えてきている量が違いますし、この先、何かトラブルが発生したとしても、AさんとBさんでは解決能力が違うから安心度が違うのだと思います。

つまり、過去があり、現在があるということです。

これを自分に置き換えてみます。

今の自分は、何かを提案してもあまり細かいことは聞かれずに通ることが多いです。むしろ、この件はあいつに任せているから大丈夫だろう、というくらいに放置されていることもあります。

ですが、昔を振り返ってみると必ずしもそうではなく、
「なんでそうするの?」
「本当にそれで大丈夫なの?」
と言われたこともあります。

これは過去だけでなく、自分の未来についても同じことが言えると思います。

この先、いまのプロジェクトが終わって新しいプロジェクトや新しいビジネスに携わったときに、そのような扱いを受ける可能性もあります。

自分の仕事をやりやすくするためには、やはり成功を積み重ね、信頼を増やさなければいけないと思います。 逆に、「何を言ってもいつも信用されない」と言っている人は信頼残高が少ないのだと思います。

自分にどれだけの『信頼残高』があるか、と言うことを一度考えてみるのもいいと思います。

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【BIG tomorrow記事掲載】言葉より図で説明すると仕事のやり直しが減る

BIG tomorrow(ビッグトゥモロー) 2017年 01 月号 [雑誌]?

BIG tomorrow(ビッグトゥモロー) 2017年 01 月号 [雑誌]?

11/25発売のBIG tomorrowにインタビュー記事が掲載されました。

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記事タイトルは、 『言葉より図で説明すると仕事のやり直しが減る』 です。

最初は、
「上司、同僚、部下に仕事の足を引っ張らせない工夫」
というテーマで話を聞きたい、というオファーだったのですが、あまりネガティブな話はしたくない、という前置きをしていろいろと話をした結果、図解コミュニケーションに興味を持たれ、このような記事となりました。

デジタル全盛の時代に逆行するように、部下に”手書きの図”で指示する。

とサブタイトルで揶揄wwwされながらの記事です。

最近、取材を受ける機会が増えてきているのですが、割りと食いつかれるのが手書きにこだわっているところです。

プレジデントでも手書きに興味を持たれました。。。

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ノートはもちろんですが、手帳や、コミュニケーションの際のコピー用紙に手書き。

会社名からして、超ハイテク・デジタル至上主義だと思ってました、と言われます。

違うんです、、、私はローテクなのです。 手書きが一番ですし、資料を読むにしてもPC上でファイルで見るよりも、印刷して紙で見ます。
そうしないと頭に入ってこないのです。。。
一応、アメリカとかでの実証実験では、デジタルよりも手書きの方が記憶に残りやすいという『実証』実験はあるようです。

その真偽はさておき、何がどうであれ、私は『手書き』派なのです。

手書き関連の私の記事のリンクを貼っておきます。

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仕事は『任せる』もの 『丸投げ』してはいけない

先日、とあるチームのリーダーに、
『〜〜の件どんな感じ?』
と聞いたところ、
『あぁ、それは〜〜さんに任せてるから把握してない』
と言われました。

ものすご〜く違和感を感じました。

その違和感の理由は、『任せてる』と『把握してない』の組み合わせにあると思いました。

当然ですが、仕事をメンバーに任せることは多々あります。 そして、タイミングによっては状況を把握していないこともあります。

ですが、
任せている『から』、把握していない
というのは、つまり丸投げしていて、リーダーの責務を果たしていないことだと思います。

リーダーは、
* どこまで任せるのか
* どこまで把握するのか
を考えながら仕事を発注しないといけないと思います。

どこまで任せるのか

どこまで任せるのか、というのはメンバーのスキルに依存します。単純にスキルが高い/低いという2つの尺度だけで考えるとすると、

  • スキルが高いメンバーには、命題だけ与えて仕事を任せる
  • スキルが低いメンバーには、手順・プロセスまでをある程度指示をして仕事を任せる

という裁量がうまれます。
実際にはもっと考慮しなければいけないことはありますが、人を見て判断しないといけないということになります。

どこまで把握するのか

これもまた同じです。
把握する頻度を決める尺度のうちのひとつはスキルです。
これに加えて、緊急度というものも重要な尺度となります。

1ヶ月くらいのスパンの仕事なのか、超トラブル対応で数日単位の仕事なのかによって、状況を把握する頻度は変わります。

いくら優秀なメンバーが対応をしていたとしても、超緊急のときは、こまめに状況を把握する必要があります。
ひとつの判断ミスが取り返しの付かない結果を招く可能性があるからです。



ということで、『任せて』も『丸投げ』はしてはいけません。
意図的に把握の頻度を落としているのと、把握することを放棄しているのとは大きな違いです。

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